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反撃の狼煙 1
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それから暫くは、お互いの役割のために行動する日々となった。
俺が最優先でしたことは、使える身体を取り戻すこと。少々走る程度で息が上がっていたのでは戦うどころの話じゃない。
率先して交換に同行し、村人と狩猟民らとの橋渡し役として交渉の席に着き、その道中を歩いた。
子供らと共に剣の稽古も、投擲の修練も再開した。
まぁ狩猟に出るのは追い込みすぎだと却下されたけどね……。
子供たちは一気にやることが増えてしまった。
皮剥ぎの時の、毛皮を洗う作業や、肉の破片を削ぎ落とす作業、傷の手当ての方法も習わなければならない。そしてそれを日々実践していくのだ。
そのため交換に向かう子供らは半数以下に減ることとなった。
その子供らの代わりとして、吠狼の者が加わって、出向いた村で俺に与えられた任務を遂行していくこととなったのだが……。
まぁ、これに関してはまた後で説明しよう。
マルは翌日から、吠狼の一部隊と共に旅立った。そのついでに西の狩猟民らの代表を連れ帰ると言っていて、明日が期限の十日目。
一応予定していたことは順調で、ものによっては前倒しできている。
そんな風に現状を確認しながら、汁物の椀を口元に運び啜っていると、サヤが千切った麵麭を口元に運んでくれて、俺はそれをぱくりと咥えた。
片腕しか無いから、食事がなかなか捗らないので、サヤがたまにこうして手伝ってくれる。
初めの頃は茶化されていたけれど、今はもうそれも日常ごとだ。
そして交わされる会話はというと……。
「そろそろ……グラヴィスハイド様たちは、アギー領に到着されているでしょうか……」
「んー……もうちょっと先かな。
でも、当初考えていたよりずっと日数が短縮された……有難いことだよ」
「本当にそうですね」
おかげでオーキスを別のことに使えるのが、本当に有難い。
そうだな……先にその、グラヴィスハイド様の話をしておこう。
神殿とスヴェトランに反旗を翻すと宣言して二日後。
グラヴィスハイド様は、なんと自ら現れた。この越冬の最中に、荒野の村のひとつにだ!
雪中の旅というのはかなり無謀なことで、正直聞いた時は耳を疑った。
けれど、旅立ったばかりのはずのオーキスが、狩猟組と共に橇に乗せた人物を連れ戻った時、連れていたのは紛れもなくグラヴィスハイド様で、唖然とする俺にかの方は笑顔で……。
「やぁ。この時期に旅人探しなんておかしなことをするのは、お前くらいのものだと思ったよ」
と、獣人に囲まれながらも全く動じず、朗らかにそう宣ったのだ。
◆
スヴェトランを探るため旅立っていたグラヴィスハイド様なのだけど……越冬のこの時期はフェルドナレン国内に戻られていたそう。
ただ、ギリギリまでスヴェトランを探っていたため、国境を越えるのがやっとという状態で、アギーには辿り着いておらず、天候を見て少しずつ戻るしかないと考えていた。
その時逗留していたのがホライエン領。伯爵家に歓待を受けている最中に、俺たちの話を耳にしたのだという……。
「まさかその場で妙なことはしませんでしたよね⁉︎」
「しないよ。私はその事件の場に居合わせていないのに、何が言えるというんだい?
それにお前は確かに獣人を囲っていたから、全てが間違いというわけでもないし」
そんなことを言いにこりと笑うグラヴィスハイド様の後方で、獣人らを恐々と見渡す共の方々が生きた心地でない様子に、ちょっと申し訳なさを感じたものだ……。
護衛の方々は、事情も何も知らせてもらえず、急に用事ができたと北へ向かおうとするグラヴィスハイド様を、必死で止めたという。
けれど全く聞く耳を持ってもらえず、一人で行かせるわけにもいかないしで、せっかく戻ってきた北に、雪の中を逆戻りするしかなかった。
とはいえ越冬中の天気は荒れるため、思うようには進めない。
天候を見て、必死に少しずつ距離を稼ぎ、なんとか荒野まで辿り着いたのが数日前。
そうしてたまたま立ち寄った村で、旅の方がたに、青髪金瞳の方はいらっしゃいませんかと話し掛けられたのだ。
こんな時期に人探しとは……。
そう思ったものの、その色合いの者はいないと伝えたのだが……。
グラヴィスハイド様が、今度はここに居座るなんて更なる我儘を言い出した……。
どちらにしろ、一旦吹雪が収まらなければ戻るに戻れない。天候の回復を待つしかなく留まっていたら、想像だにしていなかった迎えが、あろうことか吹雪の日に訪れたのだ。
オーキスたちも、驚いた様子であったそう。まさかこんな近いところにいらっしゃるなんてと言われた。
オーキスらにしても、たまたま通りかかっただけの村だったのだ。
まずは国境付近から情報収集し、それを辿って探し出すしかないと考え、保存食確保のため立ち寄った村で、相棒のヴァトーが匂いに気付いた。
お互い顔は見知っていた。前に急使として、スヴェトランがセイバーンの馬を密輸し、戦の準備をしている可能性があるという情報を届けたことがあったから。
そしてその情報は正しく、スヴェトランがセイバーン制圧に向けて動いていることを確認した。しかしそれ以上の情報は得られず、一旦は今ある情報を持ち帰るために、帰路についた。
けれど、そのセイバーンが、スヴェトランと繋がり国を裏切っていたという。
密売の話も、何かしらの策謀だったのかもしれない……。
護衛の方々は警戒を強くした。
だのにグラヴィスハイド様は意に介した様子もなく、オーキスに対応し、まるでセイバーンの話など知らないといった様子。
情報を引き出すために敢えてそうしているのかと思って見守っていたのだが、暫くすると二人のうちの一人。がっしりとした方が、外へと向かった。
そして残った小柄な方はというと、必死の様子で、どうか今は何も聞かず、とにかく一緒に来てほしい……と、懇願してきて、まさか頷くまいと思っていたのに、グラヴィスハイド様はあっさり了承。
天候の回復を待つのかと思えば吹雪の中外に向かい、言われるままに雪原を少し歩いてみれば、案内されたのは橇を引く大狼のもと……。
すわ、罠か⁉︎
ホライエンで、獣人が大狼に変ずる話を聞いたばかりだった一同は、腰の剣に手を掛けた。
なのに、グラヴィスハイド様は「やぁ、驚いた」なんて、言いながらあっさり狼に歩み寄って……。
「凄いね。さっきは人の姿だったのに。そんなに簡単に変じれるものなのかい?」と。
「俺っちも流石に言葉が無かったっス……」
オーキスもそう言い、怖かったと震える相棒……ヴァトーの頭を撫でていた。
人に正体を知られた獣人は、群れを離れなければならない……。だけど全く身に覚えがない身バレだった。
ヴァトーはわざわざ先に外へと向かい、吹雪の中で獣化したのだ。変ずる間も、オーキスがグラヴィスハイド様らを見張り、時間稼ぎをしていた。だから絶対に見られていないはずだった。
共の皆が警戒したのも、狼が獣人かもしれないという疑いだけで、先程会ったばかりの人物が獣化した姿だなんて、想像だにしていなかった。
目の前で獣化したわけでもないのに、狼姿の彼を、即座に同一人物と認識されるとは考え付かない。
俺だってそんなこと想定できないよ…………どうやって判別したんだ……やっぱり色だろうか……。
唖然とする一同を前にしても、グラヴィスハイド様はにこやかだった。
狼のヴァトーの鼻面を撫でながら……。
「心配しなくとも、レイシールはお前を罰したりしないだろうよ。
あれは私の目が特別だってよく知っているから、安心をし。さぁ、とにかく向かおう。案内してくれるのだろう?」
俺の名を出してもいなかったのに、グラヴィスハイド様はそう言い、さっさと橇に乗ってしまった。
とはいえ橇は二人乗り用だったし、遠出のための荷物も積んでいた。共の方々を置き去りにして、グラヴィスハイド様だけをお連れし、拉致したと思われても困る。
結局犬笛で助けを呼ぶ羽目になり、近くで狩猟をしていた組が向かい……。
仮面を被っていた一団が、大狼を何頭も連れて現れた時…………彼らは抵抗を諦めた。
俺が最優先でしたことは、使える身体を取り戻すこと。少々走る程度で息が上がっていたのでは戦うどころの話じゃない。
率先して交換に同行し、村人と狩猟民らとの橋渡し役として交渉の席に着き、その道中を歩いた。
子供らと共に剣の稽古も、投擲の修練も再開した。
まぁ狩猟に出るのは追い込みすぎだと却下されたけどね……。
子供たちは一気にやることが増えてしまった。
皮剥ぎの時の、毛皮を洗う作業や、肉の破片を削ぎ落とす作業、傷の手当ての方法も習わなければならない。そしてそれを日々実践していくのだ。
そのため交換に向かう子供らは半数以下に減ることとなった。
その子供らの代わりとして、吠狼の者が加わって、出向いた村で俺に与えられた任務を遂行していくこととなったのだが……。
まぁ、これに関してはまた後で説明しよう。
マルは翌日から、吠狼の一部隊と共に旅立った。そのついでに西の狩猟民らの代表を連れ帰ると言っていて、明日が期限の十日目。
一応予定していたことは順調で、ものによっては前倒しできている。
そんな風に現状を確認しながら、汁物の椀を口元に運び啜っていると、サヤが千切った麵麭を口元に運んでくれて、俺はそれをぱくりと咥えた。
片腕しか無いから、食事がなかなか捗らないので、サヤがたまにこうして手伝ってくれる。
初めの頃は茶化されていたけれど、今はもうそれも日常ごとだ。
そして交わされる会話はというと……。
「そろそろ……グラヴィスハイド様たちは、アギー領に到着されているでしょうか……」
「んー……もうちょっと先かな。
でも、当初考えていたよりずっと日数が短縮された……有難いことだよ」
「本当にそうですね」
おかげでオーキスを別のことに使えるのが、本当に有難い。
そうだな……先にその、グラヴィスハイド様の話をしておこう。
神殿とスヴェトランに反旗を翻すと宣言して二日後。
グラヴィスハイド様は、なんと自ら現れた。この越冬の最中に、荒野の村のひとつにだ!
雪中の旅というのはかなり無謀なことで、正直聞いた時は耳を疑った。
けれど、旅立ったばかりのはずのオーキスが、狩猟組と共に橇に乗せた人物を連れ戻った時、連れていたのは紛れもなくグラヴィスハイド様で、唖然とする俺にかの方は笑顔で……。
「やぁ。この時期に旅人探しなんておかしなことをするのは、お前くらいのものだと思ったよ」
と、獣人に囲まれながらも全く動じず、朗らかにそう宣ったのだ。
◆
スヴェトランを探るため旅立っていたグラヴィスハイド様なのだけど……越冬のこの時期はフェルドナレン国内に戻られていたそう。
ただ、ギリギリまでスヴェトランを探っていたため、国境を越えるのがやっとという状態で、アギーには辿り着いておらず、天候を見て少しずつ戻るしかないと考えていた。
その時逗留していたのがホライエン領。伯爵家に歓待を受けている最中に、俺たちの話を耳にしたのだという……。
「まさかその場で妙なことはしませんでしたよね⁉︎」
「しないよ。私はその事件の場に居合わせていないのに、何が言えるというんだい?
それにお前は確かに獣人を囲っていたから、全てが間違いというわけでもないし」
そんなことを言いにこりと笑うグラヴィスハイド様の後方で、獣人らを恐々と見渡す共の方々が生きた心地でない様子に、ちょっと申し訳なさを感じたものだ……。
護衛の方々は、事情も何も知らせてもらえず、急に用事ができたと北へ向かおうとするグラヴィスハイド様を、必死で止めたという。
けれど全く聞く耳を持ってもらえず、一人で行かせるわけにもいかないしで、せっかく戻ってきた北に、雪の中を逆戻りするしかなかった。
とはいえ越冬中の天気は荒れるため、思うようには進めない。
天候を見て、必死に少しずつ距離を稼ぎ、なんとか荒野まで辿り着いたのが数日前。
そうしてたまたま立ち寄った村で、旅の方がたに、青髪金瞳の方はいらっしゃいませんかと話し掛けられたのだ。
こんな時期に人探しとは……。
そう思ったものの、その色合いの者はいないと伝えたのだが……。
グラヴィスハイド様が、今度はここに居座るなんて更なる我儘を言い出した……。
どちらにしろ、一旦吹雪が収まらなければ戻るに戻れない。天候の回復を待つしかなく留まっていたら、想像だにしていなかった迎えが、あろうことか吹雪の日に訪れたのだ。
オーキスたちも、驚いた様子であったそう。まさかこんな近いところにいらっしゃるなんてと言われた。
オーキスらにしても、たまたま通りかかっただけの村だったのだ。
まずは国境付近から情報収集し、それを辿って探し出すしかないと考え、保存食確保のため立ち寄った村で、相棒のヴァトーが匂いに気付いた。
お互い顔は見知っていた。前に急使として、スヴェトランがセイバーンの馬を密輸し、戦の準備をしている可能性があるという情報を届けたことがあったから。
そしてその情報は正しく、スヴェトランがセイバーン制圧に向けて動いていることを確認した。しかしそれ以上の情報は得られず、一旦は今ある情報を持ち帰るために、帰路についた。
けれど、そのセイバーンが、スヴェトランと繋がり国を裏切っていたという。
密売の話も、何かしらの策謀だったのかもしれない……。
護衛の方々は警戒を強くした。
だのにグラヴィスハイド様は意に介した様子もなく、オーキスに対応し、まるでセイバーンの話など知らないといった様子。
情報を引き出すために敢えてそうしているのかと思って見守っていたのだが、暫くすると二人のうちの一人。がっしりとした方が、外へと向かった。
そして残った小柄な方はというと、必死の様子で、どうか今は何も聞かず、とにかく一緒に来てほしい……と、懇願してきて、まさか頷くまいと思っていたのに、グラヴィスハイド様はあっさり了承。
天候の回復を待つのかと思えば吹雪の中外に向かい、言われるままに雪原を少し歩いてみれば、案内されたのは橇を引く大狼のもと……。
すわ、罠か⁉︎
ホライエンで、獣人が大狼に変ずる話を聞いたばかりだった一同は、腰の剣に手を掛けた。
なのに、グラヴィスハイド様は「やぁ、驚いた」なんて、言いながらあっさり狼に歩み寄って……。
「凄いね。さっきは人の姿だったのに。そんなに簡単に変じれるものなのかい?」と。
「俺っちも流石に言葉が無かったっス……」
オーキスもそう言い、怖かったと震える相棒……ヴァトーの頭を撫でていた。
人に正体を知られた獣人は、群れを離れなければならない……。だけど全く身に覚えがない身バレだった。
ヴァトーはわざわざ先に外へと向かい、吹雪の中で獣化したのだ。変ずる間も、オーキスがグラヴィスハイド様らを見張り、時間稼ぎをしていた。だから絶対に見られていないはずだった。
共の皆が警戒したのも、狼が獣人かもしれないという疑いだけで、先程会ったばかりの人物が獣化した姿だなんて、想像だにしていなかった。
目の前で獣化したわけでもないのに、狼姿の彼を、即座に同一人物と認識されるとは考え付かない。
俺だってそんなこと想定できないよ…………どうやって判別したんだ……やっぱり色だろうか……。
唖然とする一同を前にしても、グラヴィスハイド様はにこやかだった。
狼のヴァトーの鼻面を撫でながら……。
「心配しなくとも、レイシールはお前を罰したりしないだろうよ。
あれは私の目が特別だってよく知っているから、安心をし。さぁ、とにかく向かおう。案内してくれるのだろう?」
俺の名を出してもいなかったのに、グラヴィスハイド様はそう言い、さっさと橇に乗ってしまった。
とはいえ橇は二人乗り用だったし、遠出のための荷物も積んでいた。共の方々を置き去りにして、グラヴィスハイド様だけをお連れし、拉致したと思われても困る。
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