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最後の夏 3
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「今年も氾濫は起こらなかったな」
「これはもう、大丈夫なんじゃないか? すげぇよ、こんなに長く氾濫が起こらないなんてなぁ!」
「これで畑だけ豊作ならよ……」
「あぁ、ほんとどうしちまったんだろうなぁ……」
「お前んとこの娘、また身篭ったって?」
「そうなんだよ。まだ二人目もちいせぇってのに三人目よ」
「そりゃ、工事があって見入りが増えるのは有難いけどねぇ……」
「ここもどんどん煩くなっていくよ……」
雨季が明け、セイバーン村の視察に来た俺の耳に、道幅拡張のための工事現場で交わされる、言葉の数々が飛び込んでくる。
その中に紛れ込んでいた、麦畑の話題にはどうしても、意識が向いてしまった。
氾濫の抑制から、どんどん減っていく収穫量……。もう誤魔化しきれないほどに、結果は出ていた。
「レイシール様、お早く」
「あぁ……すまない」
外套を深く被っているため、俺がここにいるということにはまだ気付いていないのだろう。
だから、そのまま気づかれないうちにと足を進めた。
今年の麦の生産量は、今までの記録を塗り替えるほどに減少してしまった。
足を進めているのは、村の北側。元は領主の館に勤めていた者たちの住む界隈だ。
川周辺の借家をいくつか買収する手続きのため出向いていた。
「へぇ……ここの庭に、こんな立派な厩を造るんで?」
「厩と宿を兼ねた借家に改装するんだよ。
交易路を利用するのは、個人より圧倒的に行商団だろう?
今はここを通り過ぎ、メバックやアヴァロンに足を伸ばそうとする商人が多いが、ここで宿泊できるならばしたいと考える者もいると思うんだ。
だけど、大きな商業施設を造ったってね……ここはあくまで田舎だし、麦の生産地で、無意味に煩くなってもらっても困る……が、金は落として欲しい」
そう言うと、くすりと笑う男衆。
「畑の量を増やしたのは、休耕畑を設けるためだ。ここの農法も改めていく予定だから。
その休耕畑をただ休ませておくのも勿体無いから、積極的に飼葉を育てる。その飼葉や水、宿泊できる場所を提供するのが、ここを宿場にする意味だよ。
借家は掃除だけして丸々を鍵ごと貸せば良い。今までの借家とおんなじだ。ただ、厩が付くだけでね」
「馬の世話なんかはしないんで?」
「しても良いんじゃないか? 別料金で」
「おぉ……そういうことかぁ」
とりあえず数軒の借家を買い受けたが、後は借家を持つ家々が同じような改装をし、同じような商売を勝手に進めてくれればと考えている。
この数軒の借家は吠狼の面々が管理し、行商人に提供していく一棟貸しの形で管理されるが、我々が手を出すのはそこまでだ。
「アヴァロンとここは近い。アヴァロンの中に宿を確保しようと思うと割高だし、空きが無い場合もある。
だから先に、ここで一泊しておきたいって思う人はそれなりにいるだろう」
「あと、食事処を利用したいって客も多いよな、絶対」
「あぁ、絶対。あと風呂な」
「風呂はあるな!」
「厩かぁ……うちの借家の庭にも作れるか……? でも、せいぜい馬二頭、馬車一台程度しか……」
うーんと唸っている男。大きな行商団を相手にできるほどの借家と土地を有していないと考えているよう。
だから、行商団だって色々だぞ。と、声を掛けた。
「荷物の大きな行商団ばかりじゃない。貴重品を少量運んでいる者だっている。
だから、自分たちの借家の強みというものを各自が持てば、それなりに需要は見込める。
我々が買い取った借家は大規模な行商団用だが、それは個人で管理するには難しいと考えたからであって、お前たちまでこの規模でやる意味は無いよ」
「……成る程!」
「馬の世話が料金に含まれる、食事が提供される、借家の中に頑丈な金庫がある。馬車ごと入れる倉庫がある……。
色々やってみれば良い。固定客が付けば、しめたものだぞ。行商団ってのは大体行路が決まってるからね」
ただ手続きして済ませるはずが、事業説明会みたいになってしまった。
俺たちが来てるようだと聞きつけた、色々な家の者が顔を出し、質問に答えているうちにこんなことになってしまったのだが、まぁ……手間が省けて良かったかもな。
ハインに促されて足を進めつつ、そんなことを考え、今度向かったのは集会所。
説明会の本番はこっちだ。
「レイ様だー!」
「レイ様、サヤ姉ちゃん一緒じゃないの?」
「こらっ、手を振り回すなっ」
「レイ様じゃないでしょっ、もう領主様!」
「いいよどっちでも、呼びやすいようにしてくれたら」
収穫の終わった畑は放置されている。また麦を植える十の月まで、農民らは畑には出ず、内職等をして過ごすのだが……。
今、幼き子らはともかく、大人は揃って神妙な顔だった。
俺に対する信頼というものは見える。けれど……。
氾濫が無くなってから、ここを離れてしまった俺への……麦の収穫が年々減り、それに対しての対策を講じていないことに対する、不満。
そういったものが見え隠れしていた。
まぁ、仕方がない。
実際俺はアヴァロンに移り住み、前のように毎日見回りなど行わなくなった。ここを配下に任せるようになった。そして今まで通り、ただ麦の生産を続けるようにとしか、指示していなかったのだ。
結果、毎年収穫量は減り続け……。もう、後が無い。
これ以上に減ると、麦の生産だけでは食べていけない。
実り豊かであったはずのこの地が、他の麦畑よりも劣る生産量になってしまうのも、そう遠い未来ではない……。
困惑と焦燥……何がどうしてしまったのだと不安に押しつぶされそうになっているのは、当然のことだろう。
けれど彼らは、それを俺にぶつけないよう、一生懸命笑顔を維持しようとしているのだ……。
氾濫を治めてくれたんだから。
もう死ぬ覚悟、死なせる覚悟をしなくて良いんだから。
領主様は、我々を守ってくださったんだから。
そんな思いが見える……。
あぁ、すまなかった。本当に……。
「……長らく、待たせた。心配させたろうね……」
そうやって、三年もの間待ってくれた彼らを、本当に愛しく思う。
「だが、待ってくれただけの成果を、示せると思う。
今年の十の月から、新しい農法を試すこととなった。今回はそれをまず、説明する」
◆
ロゼの鼻を頼りに追肥の検証を行った結果は、雨季の前に出ていた。
鼻の有効性を確認するための試みだったので、畑ごとに加えた肥料や分量は違ったのだけど……。得られた結果はほぼ同じ。それは、驚愕に値することだった。
「……嘘だろ」
「そう言いたいのは山々ですがな。この通りでして」
コダンとエーミルトは神妙な顔。
だが、そこにはなんとも言いようのない喜びが見え隠れしている。
半分だけ、明らかに実りの違う畑が続いていたのだ。尽く。
畑ごとに加えた追肥は違うものであるのに、似通った結果に纏まったということは、ロゼの目指した匂いが全て同じであるということ。それをきちんと再現していたということだろう。
これは、ロゼの鼻を頼りにすれば、確実に畑の生産性が上げられるという結果に他ならなかった……。ロゼの鼻……つまり、獣人の鼻だ。
そしてそれは、俺やマルが得たいと切望していた、大変に大きな手札でもあった。
だけどこんな形は……想定していなかったんだ……。
得たい。とは、思っていたのだ。本当、喉から手が出るほどに望んでいた。
だからそれを得るために、交易路を整え、即法案を通した。そして更に次の一手で、その手札を手にできる足掛かりができると考えていた。
そう。この段階で、まだ足掛かり……。
速報案が定着した後、次に通そうと思っていた事業計画がある。
それが、郵便法案。
交易路を定期的に走る早馬を利用し、通常では考えられない安値で、指定地域に書簡や書類を運ぶ事業だ。
「これはもう、大丈夫なんじゃないか? すげぇよ、こんなに長く氾濫が起こらないなんてなぁ!」
「これで畑だけ豊作ならよ……」
「あぁ、ほんとどうしちまったんだろうなぁ……」
「お前んとこの娘、また身篭ったって?」
「そうなんだよ。まだ二人目もちいせぇってのに三人目よ」
「そりゃ、工事があって見入りが増えるのは有難いけどねぇ……」
「ここもどんどん煩くなっていくよ……」
雨季が明け、セイバーン村の視察に来た俺の耳に、道幅拡張のための工事現場で交わされる、言葉の数々が飛び込んでくる。
その中に紛れ込んでいた、麦畑の話題にはどうしても、意識が向いてしまった。
氾濫の抑制から、どんどん減っていく収穫量……。もう誤魔化しきれないほどに、結果は出ていた。
「レイシール様、お早く」
「あぁ……すまない」
外套を深く被っているため、俺がここにいるということにはまだ気付いていないのだろう。
だから、そのまま気づかれないうちにと足を進めた。
今年の麦の生産量は、今までの記録を塗り替えるほどに減少してしまった。
足を進めているのは、村の北側。元は領主の館に勤めていた者たちの住む界隈だ。
川周辺の借家をいくつか買収する手続きのため出向いていた。
「へぇ……ここの庭に、こんな立派な厩を造るんで?」
「厩と宿を兼ねた借家に改装するんだよ。
交易路を利用するのは、個人より圧倒的に行商団だろう?
今はここを通り過ぎ、メバックやアヴァロンに足を伸ばそうとする商人が多いが、ここで宿泊できるならばしたいと考える者もいると思うんだ。
だけど、大きな商業施設を造ったってね……ここはあくまで田舎だし、麦の生産地で、無意味に煩くなってもらっても困る……が、金は落として欲しい」
そう言うと、くすりと笑う男衆。
「畑の量を増やしたのは、休耕畑を設けるためだ。ここの農法も改めていく予定だから。
その休耕畑をただ休ませておくのも勿体無いから、積極的に飼葉を育てる。その飼葉や水、宿泊できる場所を提供するのが、ここを宿場にする意味だよ。
借家は掃除だけして丸々を鍵ごと貸せば良い。今までの借家とおんなじだ。ただ、厩が付くだけでね」
「馬の世話なんかはしないんで?」
「しても良いんじゃないか? 別料金で」
「おぉ……そういうことかぁ」
とりあえず数軒の借家を買い受けたが、後は借家を持つ家々が同じような改装をし、同じような商売を勝手に進めてくれればと考えている。
この数軒の借家は吠狼の面々が管理し、行商人に提供していく一棟貸しの形で管理されるが、我々が手を出すのはそこまでだ。
「アヴァロンとここは近い。アヴァロンの中に宿を確保しようと思うと割高だし、空きが無い場合もある。
だから先に、ここで一泊しておきたいって思う人はそれなりにいるだろう」
「あと、食事処を利用したいって客も多いよな、絶対」
「あぁ、絶対。あと風呂な」
「風呂はあるな!」
「厩かぁ……うちの借家の庭にも作れるか……? でも、せいぜい馬二頭、馬車一台程度しか……」
うーんと唸っている男。大きな行商団を相手にできるほどの借家と土地を有していないと考えているよう。
だから、行商団だって色々だぞ。と、声を掛けた。
「荷物の大きな行商団ばかりじゃない。貴重品を少量運んでいる者だっている。
だから、自分たちの借家の強みというものを各自が持てば、それなりに需要は見込める。
我々が買い取った借家は大規模な行商団用だが、それは個人で管理するには難しいと考えたからであって、お前たちまでこの規模でやる意味は無いよ」
「……成る程!」
「馬の世話が料金に含まれる、食事が提供される、借家の中に頑丈な金庫がある。馬車ごと入れる倉庫がある……。
色々やってみれば良い。固定客が付けば、しめたものだぞ。行商団ってのは大体行路が決まってるからね」
ただ手続きして済ませるはずが、事業説明会みたいになってしまった。
俺たちが来てるようだと聞きつけた、色々な家の者が顔を出し、質問に答えているうちにこんなことになってしまったのだが、まぁ……手間が省けて良かったかもな。
ハインに促されて足を進めつつ、そんなことを考え、今度向かったのは集会所。
説明会の本番はこっちだ。
「レイ様だー!」
「レイ様、サヤ姉ちゃん一緒じゃないの?」
「こらっ、手を振り回すなっ」
「レイ様じゃないでしょっ、もう領主様!」
「いいよどっちでも、呼びやすいようにしてくれたら」
収穫の終わった畑は放置されている。また麦を植える十の月まで、農民らは畑には出ず、内職等をして過ごすのだが……。
今、幼き子らはともかく、大人は揃って神妙な顔だった。
俺に対する信頼というものは見える。けれど……。
氾濫が無くなってから、ここを離れてしまった俺への……麦の収穫が年々減り、それに対しての対策を講じていないことに対する、不満。
そういったものが見え隠れしていた。
まぁ、仕方がない。
実際俺はアヴァロンに移り住み、前のように毎日見回りなど行わなくなった。ここを配下に任せるようになった。そして今まで通り、ただ麦の生産を続けるようにとしか、指示していなかったのだ。
結果、毎年収穫量は減り続け……。もう、後が無い。
これ以上に減ると、麦の生産だけでは食べていけない。
実り豊かであったはずのこの地が、他の麦畑よりも劣る生産量になってしまうのも、そう遠い未来ではない……。
困惑と焦燥……何がどうしてしまったのだと不安に押しつぶされそうになっているのは、当然のことだろう。
けれど彼らは、それを俺にぶつけないよう、一生懸命笑顔を維持しようとしているのだ……。
氾濫を治めてくれたんだから。
もう死ぬ覚悟、死なせる覚悟をしなくて良いんだから。
領主様は、我々を守ってくださったんだから。
そんな思いが見える……。
あぁ、すまなかった。本当に……。
「……長らく、待たせた。心配させたろうね……」
そうやって、三年もの間待ってくれた彼らを、本当に愛しく思う。
「だが、待ってくれただけの成果を、示せると思う。
今年の十の月から、新しい農法を試すこととなった。今回はそれをまず、説明する」
◆
ロゼの鼻を頼りに追肥の検証を行った結果は、雨季の前に出ていた。
鼻の有効性を確認するための試みだったので、畑ごとに加えた肥料や分量は違ったのだけど……。得られた結果はほぼ同じ。それは、驚愕に値することだった。
「……嘘だろ」
「そう言いたいのは山々ですがな。この通りでして」
コダンとエーミルトは神妙な顔。
だが、そこにはなんとも言いようのない喜びが見え隠れしている。
半分だけ、明らかに実りの違う畑が続いていたのだ。尽く。
畑ごとに加えた追肥は違うものであるのに、似通った結果に纏まったということは、ロゼの目指した匂いが全て同じであるということ。それをきちんと再現していたということだろう。
これは、ロゼの鼻を頼りにすれば、確実に畑の生産性が上げられるという結果に他ならなかった……。ロゼの鼻……つまり、獣人の鼻だ。
そしてそれは、俺やマルが得たいと切望していた、大変に大きな手札でもあった。
だけどこんな形は……想定していなかったんだ……。
得たい。とは、思っていたのだ。本当、喉から手が出るほどに望んでいた。
だからそれを得るために、交易路を整え、即法案を通した。そして更に次の一手で、その手札を手にできる足掛かりができると考えていた。
そう。この段階で、まだ足掛かり……。
速報案が定着した後、次に通そうと思っていた事業計画がある。
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