775 / 1,121
戯れ
しおりを挟む
数ヶ月ぶりの王都。
夏の盛りのそこは、暑い……。
都市全体が石畳みだから、熱が蓄えられてしまうのだ。
よって、早朝と夕方に仕事を集中させ、日中はうだうだ半死人のようになってダレる。というのが、夏の風景になる。
「だから、夏の長期休暇後の授業が地獄のようだったよね……」
「雨季が長期休暇だったのですよね? どうして、雨季だったんでしょう。雨季に勉強して、その暑い盛りを休みにすれば良いのでは?」
「雨季は武術の講義が中止になりまくるからじゃないかな。
特に学年が上になればなるほど、野外授業や実戦訓練が増えていくから。
遠征実習とか、数日間にわたって行われるものもあるし、雨続きだと色々支障が出るんだ」
「思い出しますわね。八の月の講義。屋内、野外関係無しに、必ず数人は倒れて医務室送りになってましたもの」
「あぁ、なってた。俺が三学年になった頃から、八の月は水差しの持ち込み許可が出たんだ」
今回も、バート商会のお世話になる。
前回同様、離れを丸ごと貸してくれたので、荷解きをしつつ話をしていたのだけど、皆、汗が凄い……。荷物を入れ終わる頃には全身がベトベトだった。
「王都暑い……」
「セイバーンって、涼しかったんですね……。こんな暑さ、久しぶりです」
首や額に髪の毛を張り付かせたサヤ。頬も紅潮しており、倒れやしないかと心配になる。
大丈夫かと問うたら、京都は暑い所だったので、慣れてはいるんですよと、笑顔で答えてくれたけれど。
「サヤさんのお国も、暑いところだったの?」
「はい。……いえ、盆地だったので、熱や湿気が篭りやすい場所だったんです。
街中がここみたいにアスファ……石畳で覆われていたし、建物も石造り。やっぱり熱が篭るんですよね」
ここも城壁で囲まれていますから、盆地と同じ条件ですもんね。と、サヤ。
「まぁ、どの地域だって、大抵夏場は暑いわよね」
ヨルグがそう言い、ごめんなさいねと謝りつつ上着を脱ぐ。背中や脇は汗で短衣が貼りつき、薄い青色が濃く滲んでいた。
あぁ、涼しい。と息を吐く向こうでテイクなど、もう上半身肌着のみだ。
庶民の夏場は薄着が基本。
貴族社会は何故上着を脱げないのか……。涼しそうにされていると恨めしくなる。
「じゃあレイ様、僕、昼食作りに入るけど、荷解きは……」
「いい。こっちでやっとくから」
「……レイ様は動くから暑くなるんだと思うけど。
普通、貴族は下々にやらせてじっとしとくもんじゃん」
「だって皆が忙しくしてるのに……」
俺だけ涼しい所でボーッとしてるなんて、居心地悪いったらないよ。
全てを言葉にはしなかったものの、俺の考えは伝わってしまったよう。テイクは笑って「レイ様も上着脱いじゃえばいいじゃん。ここ、王宮の中じゃないんだし」と、そんな言葉を残して調理場へ。
ふむ……一理ある。
ただ、現在俺が着ている長衣は、去年サヤが考案した背中の大きく開いたあの意匠なのだ。脱いだら背中が丸見えなんだよな……。絶対に涼しいに決まっているけれども。
「まぁ、いいか。背に腹は変えられない……」
現在上着を脱いでいない面々は、皆同じ、背中の大きく開く内着を身に付けているのだろう。
俺が脱げば、皆が脱げるか。
そう思い、上着を脱いだ。
襟だけ付き、前掛けのようになっている俺の長衣。
上着にも風を通す加工は色々あったのだけど、脱いだ方が涼しいに決まっている。
「あああぁぁぁ、涼しい!」
「まぁ、レイ様! それ去年人気だったあの短衣の……!」
「うん。それ。長衣でも作ってもらった」
背中が直接外気に晒されるから、物凄く涼しい。
観念したのか、ハインを筆頭に、ユストやシザーも上着を脱いで、皆で日陰に集まった。
女性陣が目のやり場に困っている様子であるのが申し訳ないけれど。
「うわ、これはもう辞められないやつだ……涼しい」
「セイバーンって本当に豊かですわね。まさか使用人皆さんがこれだなんて……」
「だって、これ作ったのバート商会だし。支店がメバックだし」
しかも意匠を考案したのサヤだし。優先度がこっちなんだよな。
「王都では手に入りにくくて、凄い競争率だったのですよ⁉︎」
「聞いてる。夏場に来年の夏物の注文が殺到したのは初めてだって、ギルが言ってた」
そして現在は来年どころか、三年先の予約すら入ってくる状態だという。
バート商会は、今年の春から秘匿権の放棄を宣言し、抱えている秘匿権を捨てはしないものの、無償公開に踏み切っている。
予約のある秘匿権はまだ秘匿維持をされているのだが、現在入っている予約のものが終わり次第、その秘匿権も無償公開に踏み切ると言っているにも関わらず、予約が入るのだ。
「まぁ、無償開示したとしても、まずは技術を身に付けなきゃならないしな……」
初めての意匠というのは、得てしてそうだ。
だから、他の店がこの内着を売り出せるとしたら、次の年からとなるだろう。
「そうと分かっていても、やはりどうせ手に入れるなら、考案先のバート商会でとなるのは頷けますわね」
「模倣先は、バート商会より値段を下げるなり、何か特徴を付けるなり、売り方を考えた方が良いのかもしれないな」
そんな話をしていたのだけど、ルーシーがアリスさんに呼ばれ、そちらに走って行き……キャーっと、歓声をあげた。そうして、喜びの弾けた声でサヤを呼ぶ。
なんだなんだ? と、見ている中で、女中頭も含め、女性らが皆呼ばれて、何やら盛り上がっていたのだけど……。
そこをするりと抜けて、サヤがこっちに走って来た。
「あの、女性は水浴びの用意をしたから、いらっしゃいとのことなのですが……」
「あぁ、行っておいでよ。男は井戸で水をかぶれるから、こういうのは女性が優先なんだ」
「そうなんですね」
むずむずと、喜びをひた隠す様子が微笑ましい。俺たちに申し訳ないなとでも考えているのだろう。
「残りの荷解きは夜にしよう。もう昼間は疲れるだけだから、ここまでにする。ほら、皆ですっきりしておいで」
「はい……では、行ってきます」
ひらりと身を翻して、サヤが走っていく。
そうして姿が建物の奥に消えてから、俺たちも身を清めようかと、皆に声を掛けた。
井戸を借りて、濡らした手拭いで身体を拭いたり、もう面倒だと頭から被ってしまう。どうせ全身着替えるのだし。
「懐かしいなぁ、幼い頃は、よく水遊びしたよな、ここで」
「ギルも来れたら良かったのですけどね」
ギルはこの前まで居残りだったもんな。さすがにとんぼ返りだしって断られてしまった。
シザーは足の包帯があるから、頭から被っちゃ駄目だぞと、ユストに止められ、少し悲しそう。
因みに俺も止められた……。髪が長いから、乾かすのに難儀するので却下だそうだ……。
他の面々はもう童心に返り、好き勝手に水を浴び、全身ずぶ濡れ。
そんな中……やはりオブシズは、どこか表情が暗い。
「オブシズ」
考え事をしていたのか、俯き動きを止めていた彼に声を掛けたら、はっとこちらを向く。そこに俺は、思いきり盥の水をぶっ掛けた。
「れ、レイシール様……」
「さっさと水浴びしないからだ」
前髪から落ちる水滴を手で払うオブシズだったけど、また横手からバシャリと水を掛けられ、ボタボタと頭から水を滴らせる。
キッとそちらを睨むと、騎士らがしてやったりと笑い、お前らな……と、一歩を踏み出したオブシズの頬に、またパシャリと水が掛けられた。
あわあわと慌てるロビン。その後ろにサッと隠れたユスト……。
結局皆で水の掛け合いになり、シザーも包帯を濡らし、俺も髪を濡らし……。
悪鬼の形相で怒るハインに半時間、炎天下で説教された……。
夏の盛りのそこは、暑い……。
都市全体が石畳みだから、熱が蓄えられてしまうのだ。
よって、早朝と夕方に仕事を集中させ、日中はうだうだ半死人のようになってダレる。というのが、夏の風景になる。
「だから、夏の長期休暇後の授業が地獄のようだったよね……」
「雨季が長期休暇だったのですよね? どうして、雨季だったんでしょう。雨季に勉強して、その暑い盛りを休みにすれば良いのでは?」
「雨季は武術の講義が中止になりまくるからじゃないかな。
特に学年が上になればなるほど、野外授業や実戦訓練が増えていくから。
遠征実習とか、数日間にわたって行われるものもあるし、雨続きだと色々支障が出るんだ」
「思い出しますわね。八の月の講義。屋内、野外関係無しに、必ず数人は倒れて医務室送りになってましたもの」
「あぁ、なってた。俺が三学年になった頃から、八の月は水差しの持ち込み許可が出たんだ」
今回も、バート商会のお世話になる。
前回同様、離れを丸ごと貸してくれたので、荷解きをしつつ話をしていたのだけど、皆、汗が凄い……。荷物を入れ終わる頃には全身がベトベトだった。
「王都暑い……」
「セイバーンって、涼しかったんですね……。こんな暑さ、久しぶりです」
首や額に髪の毛を張り付かせたサヤ。頬も紅潮しており、倒れやしないかと心配になる。
大丈夫かと問うたら、京都は暑い所だったので、慣れてはいるんですよと、笑顔で答えてくれたけれど。
「サヤさんのお国も、暑いところだったの?」
「はい。……いえ、盆地だったので、熱や湿気が篭りやすい場所だったんです。
街中がここみたいにアスファ……石畳で覆われていたし、建物も石造り。やっぱり熱が篭るんですよね」
ここも城壁で囲まれていますから、盆地と同じ条件ですもんね。と、サヤ。
「まぁ、どの地域だって、大抵夏場は暑いわよね」
ヨルグがそう言い、ごめんなさいねと謝りつつ上着を脱ぐ。背中や脇は汗で短衣が貼りつき、薄い青色が濃く滲んでいた。
あぁ、涼しい。と息を吐く向こうでテイクなど、もう上半身肌着のみだ。
庶民の夏場は薄着が基本。
貴族社会は何故上着を脱げないのか……。涼しそうにされていると恨めしくなる。
「じゃあレイ様、僕、昼食作りに入るけど、荷解きは……」
「いい。こっちでやっとくから」
「……レイ様は動くから暑くなるんだと思うけど。
普通、貴族は下々にやらせてじっとしとくもんじゃん」
「だって皆が忙しくしてるのに……」
俺だけ涼しい所でボーッとしてるなんて、居心地悪いったらないよ。
全てを言葉にはしなかったものの、俺の考えは伝わってしまったよう。テイクは笑って「レイ様も上着脱いじゃえばいいじゃん。ここ、王宮の中じゃないんだし」と、そんな言葉を残して調理場へ。
ふむ……一理ある。
ただ、現在俺が着ている長衣は、去年サヤが考案した背中の大きく開いたあの意匠なのだ。脱いだら背中が丸見えなんだよな……。絶対に涼しいに決まっているけれども。
「まぁ、いいか。背に腹は変えられない……」
現在上着を脱いでいない面々は、皆同じ、背中の大きく開く内着を身に付けているのだろう。
俺が脱げば、皆が脱げるか。
そう思い、上着を脱いだ。
襟だけ付き、前掛けのようになっている俺の長衣。
上着にも風を通す加工は色々あったのだけど、脱いだ方が涼しいに決まっている。
「あああぁぁぁ、涼しい!」
「まぁ、レイ様! それ去年人気だったあの短衣の……!」
「うん。それ。長衣でも作ってもらった」
背中が直接外気に晒されるから、物凄く涼しい。
観念したのか、ハインを筆頭に、ユストやシザーも上着を脱いで、皆で日陰に集まった。
女性陣が目のやり場に困っている様子であるのが申し訳ないけれど。
「うわ、これはもう辞められないやつだ……涼しい」
「セイバーンって本当に豊かですわね。まさか使用人皆さんがこれだなんて……」
「だって、これ作ったのバート商会だし。支店がメバックだし」
しかも意匠を考案したのサヤだし。優先度がこっちなんだよな。
「王都では手に入りにくくて、凄い競争率だったのですよ⁉︎」
「聞いてる。夏場に来年の夏物の注文が殺到したのは初めてだって、ギルが言ってた」
そして現在は来年どころか、三年先の予約すら入ってくる状態だという。
バート商会は、今年の春から秘匿権の放棄を宣言し、抱えている秘匿権を捨てはしないものの、無償公開に踏み切っている。
予約のある秘匿権はまだ秘匿維持をされているのだが、現在入っている予約のものが終わり次第、その秘匿権も無償公開に踏み切ると言っているにも関わらず、予約が入るのだ。
「まぁ、無償開示したとしても、まずは技術を身に付けなきゃならないしな……」
初めての意匠というのは、得てしてそうだ。
だから、他の店がこの内着を売り出せるとしたら、次の年からとなるだろう。
「そうと分かっていても、やはりどうせ手に入れるなら、考案先のバート商会でとなるのは頷けますわね」
「模倣先は、バート商会より値段を下げるなり、何か特徴を付けるなり、売り方を考えた方が良いのかもしれないな」
そんな話をしていたのだけど、ルーシーがアリスさんに呼ばれ、そちらに走って行き……キャーっと、歓声をあげた。そうして、喜びの弾けた声でサヤを呼ぶ。
なんだなんだ? と、見ている中で、女中頭も含め、女性らが皆呼ばれて、何やら盛り上がっていたのだけど……。
そこをするりと抜けて、サヤがこっちに走って来た。
「あの、女性は水浴びの用意をしたから、いらっしゃいとのことなのですが……」
「あぁ、行っておいでよ。男は井戸で水をかぶれるから、こういうのは女性が優先なんだ」
「そうなんですね」
むずむずと、喜びをひた隠す様子が微笑ましい。俺たちに申し訳ないなとでも考えているのだろう。
「残りの荷解きは夜にしよう。もう昼間は疲れるだけだから、ここまでにする。ほら、皆ですっきりしておいで」
「はい……では、行ってきます」
ひらりと身を翻して、サヤが走っていく。
そうして姿が建物の奥に消えてから、俺たちも身を清めようかと、皆に声を掛けた。
井戸を借りて、濡らした手拭いで身体を拭いたり、もう面倒だと頭から被ってしまう。どうせ全身着替えるのだし。
「懐かしいなぁ、幼い頃は、よく水遊びしたよな、ここで」
「ギルも来れたら良かったのですけどね」
ギルはこの前まで居残りだったもんな。さすがにとんぼ返りだしって断られてしまった。
シザーは足の包帯があるから、頭から被っちゃ駄目だぞと、ユストに止められ、少し悲しそう。
因みに俺も止められた……。髪が長いから、乾かすのに難儀するので却下だそうだ……。
他の面々はもう童心に返り、好き勝手に水を浴び、全身ずぶ濡れ。
そんな中……やはりオブシズは、どこか表情が暗い。
「オブシズ」
考え事をしていたのか、俯き動きを止めていた彼に声を掛けたら、はっとこちらを向く。そこに俺は、思いきり盥の水をぶっ掛けた。
「れ、レイシール様……」
「さっさと水浴びしないからだ」
前髪から落ちる水滴を手で払うオブシズだったけど、また横手からバシャリと水を掛けられ、ボタボタと頭から水を滴らせる。
キッとそちらを睨むと、騎士らがしてやったりと笑い、お前らな……と、一歩を踏み出したオブシズの頬に、またパシャリと水が掛けられた。
あわあわと慌てるロビン。その後ろにサッと隠れたユスト……。
結局皆で水の掛け合いになり、シザーも包帯を濡らし、俺も髪を濡らし……。
悪鬼の形相で怒るハインに半時間、炎天下で説教された……。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
私が美女??美醜逆転世界に転移した私
鍋
恋愛
私の名前は如月美夕。
27才入浴剤のメーカーの商品開発室に勤める会社員。
私は都内で独り暮らし。
風邪を拗らせ自宅で寝ていたら異世界転移したらしい。
転移した世界は美醜逆転??
こんな地味な丸顔が絶世の美女。
私の好みど真ん中のイケメンが、醜男らしい。
このお話は転生した女性が優秀な宰相補佐官(醜男/イケメン)に囲い込まれるお話です。
※ゆるゆるな設定です
※ご都合主義
※感想欄はほとんど公開してます。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
お父様、お母様、わたくしが妖精姫だとお忘れですか?
サイコちゃん
恋愛
リジューレ伯爵家のリリウムは養女を理由に家を追い出されることになった。姉リリウムの婚約者は妹ロサへ譲り、家督もロサが継ぐらしい。
「お父様も、お母様も、わたくしが妖精姫だとすっかりお忘れなのですね? 今まで莫大な幸運を与えてきたことに気づいていなかったのですね? それなら、もういいです。わたくしはわたくしで自由に生きますから」
リリウムは家を出て、新たな人生を歩む。一方、リジューレ伯爵家は幸運を失い、急速に傾いていった。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる