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クロード 1
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とんでもない失態を犯してしまった俺は、本日より十九歳となった……。
やり直したい……ほんと出発からやり直したい気持ちでいっぱいだ……。
午前中、サヤは休んでいたため、俺はクロード様来訪と共に本日の業務を開始。無かったことにしたいくらいの誕生日なので、仕事ができることが有難かった。
ほんと、後のことを考えると胸が苦しい……どう言って謝れば許されるだろう……お願いだから嫌いにならないでと言いたい……。
「従者はハイン、サヤとおりますが、サヤはまた後で紹介します。
武官はシザーとオブシズ。補佐的な立場でジェイドとアイルがいるのですけど、アイルは今セイバーンなんですよね。
クロード様は文官であったとのことなので、そのままセイバーンでも文官として勤めていただけたらと思います。なので同僚はマルクスとヴーヴェ。ヴーヴェも今はセイバーンで留守を任せているので、後日の紹介になります」
吠狼であるジェイドたちの紹介は少々悩んだのだけど、ヴァーリンにも影はいるだろう。そのうち伝えることになるかもしれないから、一応表の顔である二人のことだけは伝えておくことにした。
「マルクス……彼が学舎主席の?」
「あはは、十八年っていうのがおかしいでしょう? 僕、座学はともかく武術は常に最下位だったんですよぅ。おかげで留年続きでねぇ!」
心の準備をしていた一同は、概ねクロード様を受け入れてくれたので、そのことにもホッとする。
まぁ、朝になってから一応、クロード様のご息女が王家と同じ病で、療養を兼ねてセイバーンへの移住を希望されたと伝えていたし、それは仕方がないと納得できたというのが大きいかもしれない。
俺が白化の病に深く関わっていることは、皆が薄々感じているだろうし、王家の白が病と公表されれば、当然同じ病の方への風当たりも強くなるだろうからな。
奥様の件はマルにだけは正しく伝えたけれど、事情を知らない者らには伏せている。
マル曰く、奥様の生みの親に当たる方は、既に没されているそう。その若かりし頃の姿を知る者もさして多くないとのことで、セイバーンで暮らしていく分には、姿を晒すことが何かの問題になるようなことは無いだろうと言っていた。だから、どうか恙無く暮らして欲しいと思う。
「それでマル、拠点村の構想を練りなおさなきゃな。やはり北側を広げるべき?」
「そうですねぇ。貴族の方が入ってくることは想定してなかったですし……もう別区画に貴族区域を作る方が良いかもしれませんね。
幼年院を村の中心に置き、村をひと回り拡張する形で考えるならば、更に北側を開いていく感じですけど、もしくは南の方を区画分けするか……」
「騎士も増えるしな……」
「今は未婚者ばかりなので宿舎暮らしで済んでますけどねぇ。家庭を持つとなると……やっぱり別区画ですかね」
「クロード様、どれくらいの人数でお越しになるご予定ですか?」
「……レイシール様、もう、私はあなたの部下。ならば、どうか敬称は……」
あぁ、そうだった……。
だけど公爵家の方を名で呼ぶって、やっぱりこう……心臓に悪いな。
「クロードの家族と使用人の人数を聞いておきたい。
邸の規模を考えて、場所を探さなきゃだから」
「家族は妻と娘。あとは使用人が五人です。なので、然程広さは必要ありません」
「五人?」
思いの外少ない人数にびっくりした。だって公爵家だろう?
そう思ったのだけど、奥様があまり人目に触れられないお立場の方ということもあり、使用人は最低限の人数しか家に置いていなかったらしい。
「一家で働いてもらっています。だから、そのまま一緒にという形でしょうか」
成る程。
家族も同然だというので、敷地内に離れを用意する形が良いのかもしれない。
「では、一応現在ある借家に仮住まいをしてもらいつつ、屋敷を建築していく形でいきましょうか。
仕事を覚えていただくことや、地域に慣れていただくことを考えると、その方が良いように思います」
「そうか……じゃあ暫くは借家で我慢してもらうことになると思うのだけど……大丈夫かな?」
「問題ありません」
とりあえずその方向で話を進め、五の月の半ばまでにはセイバーンに移動してくるということで話が纏まった。ヴァーリンに戻ったら直ぐに、引っ越し準備だな。
村の区画分けは、ここでは決められないので、帰るまでにそれぞれが形を検討しておき、戻ってから話し合うことに。
拠点村のウーヴェには、吠狼を使って早めに連絡を入れておこう。
とりあえず今決められないことはここまでにしておいて、次に村に在中することになる、医師らを紹介することにする。
「ユストゥスとナジェスタ。マティアス医師の弟子にあたります。
ナジェスタは女性ですが、とても有能な方ですよ。
ユストは今は、騎士なのですが…………」
「一応、この春よりセイバーンの医官となる予定です」
そう言い、一礼するユスト。慌ててそれに続くナジェスタ。
そうなのだ。ユストはナジェスタと共に、セイバーンで医師をしていくのだと思っていたのだけど、騎士となったことも無駄にしたくないと言い出し、結局セイバーンには今までいなかった、医官となる道を選んだ。
こんな片田舎に影だけでなく、医官までいる謎…………。
まぁ、引き込んだのは俺だし、彼の望む形を与えるという約束もある。だから、ナジェスタ医師は幼年院に隣設する形で作る治療院で、拠点村の居着き医師となってもらい、ユストはその補佐をしつつ、俺の元で医官となる。そんな形で纏まった。
ユストとナジェスタは、クロードの家族と特に関わることが増えるだろうから、先に顔合わせをさせておこうと思っていたのだ。
「マティアス医師のお弟子殿が、二人も⁉︎」
やはり病の娘を抱えていると、医師に詳しくなるのかな……マティアス医師をご存知か。
「とても幸運に恵まれたと思っています。
ただ、マティアス医師の理念をこの二人も信条としておりますから、貴族という立場が彼らを優先できる理由にはなり得ません。
そのことは、ご理解いただきたい」
「承知しました。……ですが、とても……その、救われた心地です。
娘の病は、病と知られたばかりというのもあり、色々と不安も大きくて……妻もそのことを、強く懸念しておりましたので……」
小声でクロード様。
ヴァーリン家はリカルド様が、王家の病発覚に深く関わっていたため、話も聞いている様子。
クロード様の言葉に、ナジェスタ医師はきょとんとしていたものの、ユストは表情を引き締めた。
「……その病に関しては、申し訳ないのですが、我々の知識量もさして変わりはありません。
ですが……俺はどこかで……似た話を耳にした覚えがあるのです。
一門の者からだと思います。なので、一度情報を募ってみようかと考えています。
とはいえ……明日以降……ですね」
「はい…………。どうか、よろしくお願いします」
「あまり成果は期待しないでおいてくださいね……勘違いである可能性もありますから……」
「いえ、そう言っていただけるだけで、どれほど心強いか」
なんの話? と、聞くナジェスタに、後で話すとユスト。
明日までは口にしないつもりだろう。
……ユストには、白化の病を皆に告げた後、細かくを更に伝えている。
その時に、サヤの秘密についても話した。
俄かには信じられないと頭を抱えたユストであったけれど、病に関する知識……これで信じる気になったらしい。
「サヤさんに、俺たち一門が門外不出としている資料……大災厄前の資料を目にする機会があったとは思えないです。
しかも下手をしたら、そちらに記してあった以上のことを、彼女は知っているのかもしれない…………。
これで、荊縛の対処法を知っていた理由も、医師ですらないのに俺たち以上の知識を有していた理由も分かった……。
信じるしか、ないですよ……。しかもこの知識は下手に世に出せません。今の世じゃ異端でしかない。命にだって関わる知識だ。
だから……俺も秘密は守ります。この知識は、今はとにかく、守るしかない。後の世の人のために……」
多分……そんな強い決意もあり、ユストはセイバーンで医官になる。という道を、選択したのだと思う。一門と俺たちとの縁を、自ら繋ぐために……。
やり直したい……ほんと出発からやり直したい気持ちでいっぱいだ……。
午前中、サヤは休んでいたため、俺はクロード様来訪と共に本日の業務を開始。無かったことにしたいくらいの誕生日なので、仕事ができることが有難かった。
ほんと、後のことを考えると胸が苦しい……どう言って謝れば許されるだろう……お願いだから嫌いにならないでと言いたい……。
「従者はハイン、サヤとおりますが、サヤはまた後で紹介します。
武官はシザーとオブシズ。補佐的な立場でジェイドとアイルがいるのですけど、アイルは今セイバーンなんですよね。
クロード様は文官であったとのことなので、そのままセイバーンでも文官として勤めていただけたらと思います。なので同僚はマルクスとヴーヴェ。ヴーヴェも今はセイバーンで留守を任せているので、後日の紹介になります」
吠狼であるジェイドたちの紹介は少々悩んだのだけど、ヴァーリンにも影はいるだろう。そのうち伝えることになるかもしれないから、一応表の顔である二人のことだけは伝えておくことにした。
「マルクス……彼が学舎主席の?」
「あはは、十八年っていうのがおかしいでしょう? 僕、座学はともかく武術は常に最下位だったんですよぅ。おかげで留年続きでねぇ!」
心の準備をしていた一同は、概ねクロード様を受け入れてくれたので、そのことにもホッとする。
まぁ、朝になってから一応、クロード様のご息女が王家と同じ病で、療養を兼ねてセイバーンへの移住を希望されたと伝えていたし、それは仕方がないと納得できたというのが大きいかもしれない。
俺が白化の病に深く関わっていることは、皆が薄々感じているだろうし、王家の白が病と公表されれば、当然同じ病の方への風当たりも強くなるだろうからな。
奥様の件はマルにだけは正しく伝えたけれど、事情を知らない者らには伏せている。
マル曰く、奥様の生みの親に当たる方は、既に没されているそう。その若かりし頃の姿を知る者もさして多くないとのことで、セイバーンで暮らしていく分には、姿を晒すことが何かの問題になるようなことは無いだろうと言っていた。だから、どうか恙無く暮らして欲しいと思う。
「それでマル、拠点村の構想を練りなおさなきゃな。やはり北側を広げるべき?」
「そうですねぇ。貴族の方が入ってくることは想定してなかったですし……もう別区画に貴族区域を作る方が良いかもしれませんね。
幼年院を村の中心に置き、村をひと回り拡張する形で考えるならば、更に北側を開いていく感じですけど、もしくは南の方を区画分けするか……」
「騎士も増えるしな……」
「今は未婚者ばかりなので宿舎暮らしで済んでますけどねぇ。家庭を持つとなると……やっぱり別区画ですかね」
「クロード様、どれくらいの人数でお越しになるご予定ですか?」
「……レイシール様、もう、私はあなたの部下。ならば、どうか敬称は……」
あぁ、そうだった……。
だけど公爵家の方を名で呼ぶって、やっぱりこう……心臓に悪いな。
「クロードの家族と使用人の人数を聞いておきたい。
邸の規模を考えて、場所を探さなきゃだから」
「家族は妻と娘。あとは使用人が五人です。なので、然程広さは必要ありません」
「五人?」
思いの外少ない人数にびっくりした。だって公爵家だろう?
そう思ったのだけど、奥様があまり人目に触れられないお立場の方ということもあり、使用人は最低限の人数しか家に置いていなかったらしい。
「一家で働いてもらっています。だから、そのまま一緒にという形でしょうか」
成る程。
家族も同然だというので、敷地内に離れを用意する形が良いのかもしれない。
「では、一応現在ある借家に仮住まいをしてもらいつつ、屋敷を建築していく形でいきましょうか。
仕事を覚えていただくことや、地域に慣れていただくことを考えると、その方が良いように思います」
「そうか……じゃあ暫くは借家で我慢してもらうことになると思うのだけど……大丈夫かな?」
「問題ありません」
とりあえずその方向で話を進め、五の月の半ばまでにはセイバーンに移動してくるということで話が纏まった。ヴァーリンに戻ったら直ぐに、引っ越し準備だな。
村の区画分けは、ここでは決められないので、帰るまでにそれぞれが形を検討しておき、戻ってから話し合うことに。
拠点村のウーヴェには、吠狼を使って早めに連絡を入れておこう。
とりあえず今決められないことはここまでにしておいて、次に村に在中することになる、医師らを紹介することにする。
「ユストゥスとナジェスタ。マティアス医師の弟子にあたります。
ナジェスタは女性ですが、とても有能な方ですよ。
ユストは今は、騎士なのですが…………」
「一応、この春よりセイバーンの医官となる予定です」
そう言い、一礼するユスト。慌ててそれに続くナジェスタ。
そうなのだ。ユストはナジェスタと共に、セイバーンで医師をしていくのだと思っていたのだけど、騎士となったことも無駄にしたくないと言い出し、結局セイバーンには今までいなかった、医官となる道を選んだ。
こんな片田舎に影だけでなく、医官までいる謎…………。
まぁ、引き込んだのは俺だし、彼の望む形を与えるという約束もある。だから、ナジェスタ医師は幼年院に隣設する形で作る治療院で、拠点村の居着き医師となってもらい、ユストはその補佐をしつつ、俺の元で医官となる。そんな形で纏まった。
ユストとナジェスタは、クロードの家族と特に関わることが増えるだろうから、先に顔合わせをさせておこうと思っていたのだ。
「マティアス医師のお弟子殿が、二人も⁉︎」
やはり病の娘を抱えていると、医師に詳しくなるのかな……マティアス医師をご存知か。
「とても幸運に恵まれたと思っています。
ただ、マティアス医師の理念をこの二人も信条としておりますから、貴族という立場が彼らを優先できる理由にはなり得ません。
そのことは、ご理解いただきたい」
「承知しました。……ですが、とても……その、救われた心地です。
娘の病は、病と知られたばかりというのもあり、色々と不安も大きくて……妻もそのことを、強く懸念しておりましたので……」
小声でクロード様。
ヴァーリン家はリカルド様が、王家の病発覚に深く関わっていたため、話も聞いている様子。
クロード様の言葉に、ナジェスタ医師はきょとんとしていたものの、ユストは表情を引き締めた。
「……その病に関しては、申し訳ないのですが、我々の知識量もさして変わりはありません。
ですが……俺はどこかで……似た話を耳にした覚えがあるのです。
一門の者からだと思います。なので、一度情報を募ってみようかと考えています。
とはいえ……明日以降……ですね」
「はい…………。どうか、よろしくお願いします」
「あまり成果は期待しないでおいてくださいね……勘違いである可能性もありますから……」
「いえ、そう言っていただけるだけで、どれほど心強いか」
なんの話? と、聞くナジェスタに、後で話すとユスト。
明日までは口にしないつもりだろう。
……ユストには、白化の病を皆に告げた後、細かくを更に伝えている。
その時に、サヤの秘密についても話した。
俄かには信じられないと頭を抱えたユストであったけれど、病に関する知識……これで信じる気になったらしい。
「サヤさんに、俺たち一門が門外不出としている資料……大災厄前の資料を目にする機会があったとは思えないです。
しかも下手をしたら、そちらに記してあった以上のことを、彼女は知っているのかもしれない…………。
これで、荊縛の対処法を知っていた理由も、医師ですらないのに俺たち以上の知識を有していた理由も分かった……。
信じるしか、ないですよ……。しかもこの知識は下手に世に出せません。今の世じゃ異端でしかない。命にだって関わる知識だ。
だから……俺も秘密は守ります。この知識は、今はとにかく、守るしかない。後の世の人のために……」
多分……そんな強い決意もあり、ユストはセイバーンで医官になる。という道を、選択したのだと思う。一門と俺たちとの縁を、自ら繋ぐために……。
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