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対の飾り 9
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ギルが女性に優しいの性質であることを、リヴィ様は理解している。
だからギルが、特別リヴィ様のみに手厚いだなんて風には、きっと考えていない。
なにより、リヴィ様は大貴族、アギーの方。
何かにつけて手厚く遇されることに慣れている。
それゆえギルがどれほど心を砕いて接しても、きっと『アギー』に対してのものだと、その意味を深く取ることはしないに違いない。
「妙齢の女性に対し、そりゃあんまりな命じゃないのか?」
「姫様のお立場は、小を切り捨て大を取ることを必要とするのだろう? 前にそう言ってたのはお前だよ、ギル。
俺たち貴族も、その覚悟を求められる立場だ。当然、自らが小に含まれることもね。
それは、お前だって理解しているだろう?」
そう言うと、また沈黙。
理解と納得は別物だ。
そう思ってるよな。分かってる。
だけど他人事なら、可哀想だで済ませられることが、今そうできないのはさ、お前の中に、リヴィ様を他人事にできない理由があるってことだろう?
お前はそれをこのまま、うやむやにしておいて良いと、本気で思っているのか?
どうして今こうしていてすら、お前はイラついてる?
リヴィ様のことばかりを、心配している?
そんなに気になるなら、もう他人事にできないなら、お前がするべきことはひとつだろう?
「言わなきゃ、伝わらないよ……」
ついその言葉が口を突いて出てしまい、ハッとしたのだけど、俺以上にギルは驚いた様子。
目元は隠れて見えないままだったけれど、ぽかんと口を開き、固まった。
「………………おまっ……⁉︎」
「ごめん、失言だった」
リヴィ様の気持ちは、前から知っている。
だけどギルの気持ちが分からなかったし、元々身分差という隔たりがある。
下手なことをすればただの押し付けになってしまうと思ったから、敢えてこちらから差し出口を挟むことはしなかったのだけど……。
どちらも、踏み込まない。
このままじゃ、二人ともずっと、すれ違って終わる気がする……。
そう思ったらつい、言葉が口から溢れていた。
暫く気まずいまま、とにかくギルの顔の手入れを進めた。
一通り終わって「いいよ」と手を離すと、起き上がったギルはそのまま頭を抱え込む。
目元を隠していた手拭いは、そのままぽとりと床に落ちた。
「…………お前、なんか言われてんのか?」
リヴィ様とのこと? それなら……。
「特には何も」
お前との縁を繋げて欲しいと示唆された。
だけど、それ以上をどうこうなんて、言われなかった。
まぁクオン様は特に心配して、念押ししていかれたけどさ。
だけどギルは、俺の返事に納得できなかった様子。
胡乱な瞳を俺に向けてくるものだから、仕方なしに答えを出すことにした。
「俺がリヴィ様の気持ちの方を知ったのは……お前との縁を疑われたからだよ……」
「は?」
「俺とお前」
「…………はぁ⁉︎」
「三年前なら、見た目的にアレだったし、勘違いも仕方ないかなって思えたけど、今はキツいよな……」
「やめろ、考えたくねぇ……こんなゴツく育った男とか……悪夢だ」
あ、俺ゴツくなったんだ。
それはなんか嬉しいなぁと思う。
「俺がサヤを婚約者としたから、影に徹して俺を支えてきたお前が不憫だって。
俺への気持ちをずっとひた隠しにして、今からもそうしていくのかと……」
「わあああぁぁぁ! 止めろ、なんだそれ、どういう設定だ⁉︎」
ブワワッと鳥肌を立てて全力否定するギルに吹いた。
ひとしきり笑って、ふっと息を吐くと、隣のギルがまた別のことを考え出していることに気付く。
その思考を占めている人、お前はもう、認めるべきだと思うよ。
「いつからそういう気持ちがあった?」
もうバレてるって分かってるだろ。
なのにギルは、まだ無駄な抵抗を試みるつもりのようだ。
「巫山戯んな。ねぇっつうの。
だいたいあったからって、なんだってんだ。お前ら二人ごときの身分差じゃねぇんだぞ」
無いと言いつつ、男爵家と庶民を引き合いに出す。やっぱりそこが引っかかって、行動に出ないんだな。だけど……。
「……それもう答え出してない?」
そう茶々を入れると、ぐしゃぐしゃと髪を引っ掻き回す。
そうしてまたああぁぁと呻いて、頭を抱えた。
「なんでお前にこんなこと言われてんだ俺えええぇぇぇ」
「うんまぁ、今までじゃ考えられなかったかなぁ」
俺はお前の隣にいなかった。ずっと手を引かれて歩いていたようなもんだったから。
何よりギルは年上だったから、兄たろうとして、俺にそういった弱い部分を見せはしなかったし。
「俺に晒しちゃうくらい余裕が無くなってるってなら、もう諦めが肝心だと思うけど」
「巫山戯んな! 言ったろうが、身分差考えろ! 公爵家のご令嬢に、一庶民が関われるわけがねぇ。
しかも女近衛長拝命して、王都に行く人に、何を言えってんだ⁉︎」
そう喚いたギル。
受けた命を無かったことにはできない。リヴィ様は、女近衛長という役職を賜り、王都へと赴く。
どうあがいたってこれから数年……下手したら十年以上、彼女は王都の戦場に立たなければならない。
気持ちを伝えたところで、助けてやれるわけじゃない。その責任から解き放ってやれるわけでもない。
一般庶民でしかないギルは、大貴族のアギー家に、なんの影響力もありはしない。
しかもメバックで責任を担う立場のギルは、傍にいることすら、してやれないのだ。
…………だけど。
だからって何もできないわけじゃないと、俺は思ってる。
「ギルは、それで後悔しない?」
そう言うと、眉間にしわを刻む。
リヴィ様の日常は、ライアルドのような輩に、心を傷つけられる日々になる。
それを分かってて、お前は彼の方から、目を背けていられるのか?
「言葉にすることが、彼女の盾になる。心を救うよ。
力が及ばなくても、心くらいは守ってやれって、お前が俺に、それを言ったんだろ?」
逃げ込める場所がある、守ってくれる腕がある。たったそれだけのことが、どれだけ気持ちを救ってくれるか……。
「もう認めろって。リヴィ様を好ましく思ってるんだろ?
気持ちが動くのに身分なんて関係ない……無かったよ、俺も」
そう言うと、ギルは暫く葛藤していたのだけど、最後には視線を足元に落とし、溜息を吐いた。
「…………はぁ……。薄々分かってたけど……自分の性癖実感しちまった……」
「ギルは逆境に立ち向かおうとする人に弱いよね」
「言うな! だってお前仕方ないだろう⁉︎ あんな健気な姿見せられてみろよ⁉︎」
「しかも男女関係無いよな。俺やハインだって結局ほっとけなかったし、サヤだって……」
「だってお前、ほっといたらどうなると思ってんだよ⁉︎」
つまりギルはとことんお人好しなのだ。俺のことなんて、とやかく言えない。
と、いうか。お人好しだと散々言われる俺を育てたのが実質ギルなのだから、それはもう、当たり前というか。
そんな心優しいギルだからこそ、幸せにならなきゃいけないと思うんだ。
「ギルがリヴィ様を助けたいと思うなら、協力するよ。
確かにセイバーンと王都じゃ離れてしまうけど、王都には本店だってあるし、お前には女近衛の正装を手がけたという実績もある。縁は繋がってる。
俺だって王都にちょくちょく顔を出さなきゃいけなくなるんだろうし、お前に繋ぎ続ける意志さえあれば、ちゃんと繋がり続けるよ」
お前は俺との縁を十二年も繋げてきた男だから、俺は案外、縁については心配してないんだ。
「いつか訪れる未来の心配は、ひとまず置いてさ、今を、リヴィ様を、大切にして差し上げてよ」
それと、自分の幸せを考えてほしい。
ギルの言う通り、身分は大きな隔たりだと思う。だけど、身分が全てに優る価値を持つとは思わない。
気持ちは、そんなものとは全く違う、別のものだと思うのだ。
身分の無いサヤの世界に、魂を捧げるなんて手段は無かった。
俺たちが魂を捧げるのは、魂にその隔たりを越えるものがあるって、知ってるからだろう?
「だいたいお前、俺とサヤなんか身分どころじゃないよ。
世界すら違うんだぞ? 身分くらいなんだ」
最後にそう言うと、はたと動きを止めるギル。
そうして居心地悪そうに頭を掻いて……。
「お前それ、反則だろ……」
「なにが反則だ。俺たちが繋がれたのに、お前が駄目な理由なんてあるもんか」
そう言って笑いかけると、ギルは最後の最後にようやっと少しだけ、口角を持ち上げた。
だからギルが、特別リヴィ様のみに手厚いだなんて風には、きっと考えていない。
なにより、リヴィ様は大貴族、アギーの方。
何かにつけて手厚く遇されることに慣れている。
それゆえギルがどれほど心を砕いて接しても、きっと『アギー』に対してのものだと、その意味を深く取ることはしないに違いない。
「妙齢の女性に対し、そりゃあんまりな命じゃないのか?」
「姫様のお立場は、小を切り捨て大を取ることを必要とするのだろう? 前にそう言ってたのはお前だよ、ギル。
俺たち貴族も、その覚悟を求められる立場だ。当然、自らが小に含まれることもね。
それは、お前だって理解しているだろう?」
そう言うと、また沈黙。
理解と納得は別物だ。
そう思ってるよな。分かってる。
だけど他人事なら、可哀想だで済ませられることが、今そうできないのはさ、お前の中に、リヴィ様を他人事にできない理由があるってことだろう?
お前はそれをこのまま、うやむやにしておいて良いと、本気で思っているのか?
どうして今こうしていてすら、お前はイラついてる?
リヴィ様のことばかりを、心配している?
そんなに気になるなら、もう他人事にできないなら、お前がするべきことはひとつだろう?
「言わなきゃ、伝わらないよ……」
ついその言葉が口を突いて出てしまい、ハッとしたのだけど、俺以上にギルは驚いた様子。
目元は隠れて見えないままだったけれど、ぽかんと口を開き、固まった。
「………………おまっ……⁉︎」
「ごめん、失言だった」
リヴィ様の気持ちは、前から知っている。
だけどギルの気持ちが分からなかったし、元々身分差という隔たりがある。
下手なことをすればただの押し付けになってしまうと思ったから、敢えてこちらから差し出口を挟むことはしなかったのだけど……。
どちらも、踏み込まない。
このままじゃ、二人ともずっと、すれ違って終わる気がする……。
そう思ったらつい、言葉が口から溢れていた。
暫く気まずいまま、とにかくギルの顔の手入れを進めた。
一通り終わって「いいよ」と手を離すと、起き上がったギルはそのまま頭を抱え込む。
目元を隠していた手拭いは、そのままぽとりと床に落ちた。
「…………お前、なんか言われてんのか?」
リヴィ様とのこと? それなら……。
「特には何も」
お前との縁を繋げて欲しいと示唆された。
だけど、それ以上をどうこうなんて、言われなかった。
まぁクオン様は特に心配して、念押ししていかれたけどさ。
だけどギルは、俺の返事に納得できなかった様子。
胡乱な瞳を俺に向けてくるものだから、仕方なしに答えを出すことにした。
「俺がリヴィ様の気持ちの方を知ったのは……お前との縁を疑われたからだよ……」
「は?」
「俺とお前」
「…………はぁ⁉︎」
「三年前なら、見た目的にアレだったし、勘違いも仕方ないかなって思えたけど、今はキツいよな……」
「やめろ、考えたくねぇ……こんなゴツく育った男とか……悪夢だ」
あ、俺ゴツくなったんだ。
それはなんか嬉しいなぁと思う。
「俺がサヤを婚約者としたから、影に徹して俺を支えてきたお前が不憫だって。
俺への気持ちをずっとひた隠しにして、今からもそうしていくのかと……」
「わあああぁぁぁ! 止めろ、なんだそれ、どういう設定だ⁉︎」
ブワワッと鳥肌を立てて全力否定するギルに吹いた。
ひとしきり笑って、ふっと息を吐くと、隣のギルがまた別のことを考え出していることに気付く。
その思考を占めている人、お前はもう、認めるべきだと思うよ。
「いつからそういう気持ちがあった?」
もうバレてるって分かってるだろ。
なのにギルは、まだ無駄な抵抗を試みるつもりのようだ。
「巫山戯んな。ねぇっつうの。
だいたいあったからって、なんだってんだ。お前ら二人ごときの身分差じゃねぇんだぞ」
無いと言いつつ、男爵家と庶民を引き合いに出す。やっぱりそこが引っかかって、行動に出ないんだな。だけど……。
「……それもう答え出してない?」
そう茶々を入れると、ぐしゃぐしゃと髪を引っ掻き回す。
そうしてまたああぁぁと呻いて、頭を抱えた。
「なんでお前にこんなこと言われてんだ俺えええぇぇぇ」
「うんまぁ、今までじゃ考えられなかったかなぁ」
俺はお前の隣にいなかった。ずっと手を引かれて歩いていたようなもんだったから。
何よりギルは年上だったから、兄たろうとして、俺にそういった弱い部分を見せはしなかったし。
「俺に晒しちゃうくらい余裕が無くなってるってなら、もう諦めが肝心だと思うけど」
「巫山戯んな! 言ったろうが、身分差考えろ! 公爵家のご令嬢に、一庶民が関われるわけがねぇ。
しかも女近衛長拝命して、王都に行く人に、何を言えってんだ⁉︎」
そう喚いたギル。
受けた命を無かったことにはできない。リヴィ様は、女近衛長という役職を賜り、王都へと赴く。
どうあがいたってこれから数年……下手したら十年以上、彼女は王都の戦場に立たなければならない。
気持ちを伝えたところで、助けてやれるわけじゃない。その責任から解き放ってやれるわけでもない。
一般庶民でしかないギルは、大貴族のアギー家に、なんの影響力もありはしない。
しかもメバックで責任を担う立場のギルは、傍にいることすら、してやれないのだ。
…………だけど。
だからって何もできないわけじゃないと、俺は思ってる。
「ギルは、それで後悔しない?」
そう言うと、眉間にしわを刻む。
リヴィ様の日常は、ライアルドのような輩に、心を傷つけられる日々になる。
それを分かってて、お前は彼の方から、目を背けていられるのか?
「言葉にすることが、彼女の盾になる。心を救うよ。
力が及ばなくても、心くらいは守ってやれって、お前が俺に、それを言ったんだろ?」
逃げ込める場所がある、守ってくれる腕がある。たったそれだけのことが、どれだけ気持ちを救ってくれるか……。
「もう認めろって。リヴィ様を好ましく思ってるんだろ?
気持ちが動くのに身分なんて関係ない……無かったよ、俺も」
そう言うと、ギルは暫く葛藤していたのだけど、最後には視線を足元に落とし、溜息を吐いた。
「…………はぁ……。薄々分かってたけど……自分の性癖実感しちまった……」
「ギルは逆境に立ち向かおうとする人に弱いよね」
「言うな! だってお前仕方ないだろう⁉︎ あんな健気な姿見せられてみろよ⁉︎」
「しかも男女関係無いよな。俺やハインだって結局ほっとけなかったし、サヤだって……」
「だってお前、ほっといたらどうなると思ってんだよ⁉︎」
つまりギルはとことんお人好しなのだ。俺のことなんて、とやかく言えない。
と、いうか。お人好しだと散々言われる俺を育てたのが実質ギルなのだから、それはもう、当たり前というか。
そんな心優しいギルだからこそ、幸せにならなきゃいけないと思うんだ。
「ギルがリヴィ様を助けたいと思うなら、協力するよ。
確かにセイバーンと王都じゃ離れてしまうけど、王都には本店だってあるし、お前には女近衛の正装を手がけたという実績もある。縁は繋がってる。
俺だって王都にちょくちょく顔を出さなきゃいけなくなるんだろうし、お前に繋ぎ続ける意志さえあれば、ちゃんと繋がり続けるよ」
お前は俺との縁を十二年も繋げてきた男だから、俺は案外、縁については心配してないんだ。
「いつか訪れる未来の心配は、ひとまず置いてさ、今を、リヴィ様を、大切にして差し上げてよ」
それと、自分の幸せを考えてほしい。
ギルの言う通り、身分は大きな隔たりだと思う。だけど、身分が全てに優る価値を持つとは思わない。
気持ちは、そんなものとは全く違う、別のものだと思うのだ。
身分の無いサヤの世界に、魂を捧げるなんて手段は無かった。
俺たちが魂を捧げるのは、魂にその隔たりを越えるものがあるって、知ってるからだろう?
「だいたいお前、俺とサヤなんか身分どころじゃないよ。
世界すら違うんだぞ? 身分くらいなんだ」
最後にそう言うと、はたと動きを止めるギル。
そうして居心地悪そうに頭を掻いて……。
「お前それ、反則だろ……」
「なにが反則だ。俺たちが繋がれたのに、お前が駄目な理由なんてあるもんか」
そう言って笑いかけると、ギルは最後の最後にようやっと少しだけ、口角を持ち上げた。
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