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新たな問題 11
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お茶を楽しんだ後は、流石に疲れが出たのかもしれない。父上が休むと言い、俺は部屋を後にした。
ジェイドもまたふらりと何処かへ消える。館の警備に戻ったのだろう。
ついでだからとシザーにも休憩を言い渡し、部屋に帰すことにした。
「領主様は、思いの外、積極的なお方なのですね……」
ハインだけが俺の部屋についてきたのだが、暖炉の火を調整しつつ、そんな感想を零す。
うん。それは俺も思った。あんなに垣根の低い人だとは想像していなかった。
と、いうか……。
「昔は……もう少し、厳しい方だったような気がする……。
それこそガイウスみたいに、融通がきかないというか…………。
まぁ、俺がここにいた頃は、領地を飛び回ってらっしゃったから、月に一度か二度、合間に半時間ほど見える程度しか、接していないのだけどな」
その時間とて……俺たちは距離を取り損ねたみたいに、当たり障りない会話しかしていなかったと思う。
俺は誓約に引っかかること、後に待つ兄上との時間に怯え……。
父上も、そんな俺に何を言って良いやら戸惑っていたのだろう。
今にして思えば、使用人や従者もジェスルの者らであったはずだから、父上も言葉や行動を考えていたと思う。
お互い雁字搦めの状態で、それでも父上は、俺と接する時間を捻出してくれていたのだ……。
幼かったとはいえ、思い返せばそこかしこに愛はあった。
今こうして、父上と接する時間を得れたからこそ実感できる。
こんなことに気付けたのも、全て、サヤのおかげ。
身体を張って、命まで賭けて、ここまで俺を導いてくれたのは、やはりサヤなのだ。
「そういえば、先程ユストから先触れがあったと報告がありました。医師らですが、本日夕刻、馬車一台で到着とのことです。
それと、胡桃らの行商団。
やはり到着は遅れる様子ですね。本日中は無理かと。……本当に、宜しかったのですか?」
火の調節を終えたハインが、そう言いつつ眉を寄せる。
その言葉に、心配性だなと、苦笑しつつ答えた。
「ああ、越冬だしな。村人と接する機会もそう多くないだろうから、気を付けていれば気付かれることもないと思うよ」
兼ねてから予定していたことなのだが。
拠点村の行商団用宿舎の運営を担う胡桃らが、本当は昨日辺り、到着する予定だった。
けれど、俺たちの方のゴチャゴチャがあったり、胡桃らの方でも動きにくい問題が発生したりで、到着が遅れていた。
病に罹患した者が出たのだ。
旅生活の彼らにとって病は大変な問題だ。
飛び火しないよう隔離しておくことも難しく、旅生活であるがゆえに、安静にしておくこともままならない。
この時期でなければ、しばらく移動を控えて野営するのだろうが、それをしていたら雪に埋まってしまいかねない。
本当は、備蓄庫として使用を許されている山城に行き、養生させるつもりであったようなのだが、飛び火した者が増え、移動が難しくなってしまった。
それを耳にし、彼女らの位置関係的に、こちらに来る方が早い様子であったので、拠点村の宿舎を使って構わないと伝えたのだ。
病を患った者には獣人の特徴が顕著である者もいるとのことであったが、どうせもう越冬間近だし、まだ人も少ないこの村だから、宿舎の部屋に入れてしまえば見られることもないだろう。万が一、山城に到着できず、雪が積もり出す……なんてことになるのも怖かったしな。
それから、到着する医師というのは、父上のために呼び寄せた者らのことだ。
ぶっちゃけると、父上の状態を管理してもらうための医師は、確保できなかった。
医師というのは地に根付く。
その地域を担当するといった形で、都や街に居を構えるのだ。
そして冬のこの時期は、医師を必要とする者が特に多い。
元から医師というものは不足がちということもあり、この忙しい時期に、担当の地域を離れることが可能な医師など、いはしなかったのだ。
だから当初は、父上がこの村に来ることも無理だという話になっていたのだけれど……。
「あのぅ、俺、心当たりあります。手隙の医師」
状況を聞いたユストが、そう言って俺を訪ねてきてくれて、状況は一変した。
「まぁその……身内なんですけどね。俺の上の兄弟で……俺、勘当された身だからちょっと連絡しづらいんですけど、領主様のためですし、それに多分……話を聞けば、断ってこないと思うんですよね」
腕は確かだが、性格と言動と格好に難がある。とのことであったけれど、聞いたマルは即答で話を受けた。
「ユストの実家でしょう? 領主様の問題が無くてもお近付きになりたいです!
言い値で払いますからなんとしても確保してください!」
そんな感じで、名も聞かぬまま、その医師の派遣が決まった。
医師らはその助手と合わせて三人であるそうだ。なので、館の一室を利用してもらうつもりで整えている。
あと、同じく見つからなかった薬師は、吠狼の伝手を頼った。父上奪還の際にも、手を貸してくれた薬師だ。
「どんな人が来るんだろうな……」
腕は確かだが、性格と言動と格好に難がある……か。ユストの実家は医師の家系で貴族嫌いだというのはこの前聞いた。それなのに、今回要請は拒否されなかった。
引く手数多であろう医師なのに、この時期に手隙……。飛びついたマルは何か知ってそうだけど、忙しそうにしていてなかなか声をかけづらい。
まあ、考えていたってどうせ何も分からないのだし、とりあえず、暇にしている時間は無いので、後回しにしていた書類仕事を再開することにした。
そして、一時間ばかりした頃。
「医師の方々がご到着です」
サヤがそう、知らせてきた。
「分かった。応接室にお通ししてくれ」
「私が向かいます。サヤはレイシール様の身支度を」
間髪入れずハインがそう言い、サヤが何か言う前に俺を放り出し、行ってしまった……。
あいつなりの気遣いなんだろうけど……。場の雰囲気を考慮して欲しかった。
「着替える」
「はい……」
少し見た目を整えるため、上着と腰帯を変更する。
二人して無言で、淡々と。
着替えたら髪を括る飾り紐も色が合わないとなったらしい。サヤが飾り紐をまとめてある小箱を持ってきた。
「お髪も、整え直しましょう」
言われるまま長椅子に座って、髪をサヤの手に委ねる。
一旦解かれた髪は櫛付けられ、また編み込まれていく。丁寧に、ゆっくりと。まるでこの時を噛みしめるように……。
「終わりました」
そう言って立ち上がったサヤの腕を。
「待って」
捕まえた。
「離してくださ……」
「昨日のこと、考え直してくれないか」
そう言うと、腕に力がこもる。彼女の緊張が、直に伝わってきた。
その反応に、心が揺さぶられる。けれど俺には、言葉を続けるしか、手段が無い。
「俺は、サヤ以外は考えられないよ」
「私は……相応しくないですよ。他の皆さんだって、そうおっしゃってるじゃないですか」
困った顔で、そんな風に言い、視線を逸らす。
昨日は関係ないって言ったのに……。今度はガイウスらの言葉を、盾に取るのか……。
「なら、彼らが納得してくれたら、受けてくれるの」
「……そういう、問題じゃ、ないんです……」
ただ拒否のためだけに利用したらしい。
その頑なさが、昨日皆で話したことを裏付けている気がして、胸が苦しくなる。
「俺はっ……!」
「お客様をお待たせしています。今、そんな話、しなくていいじゃないですか」
そう言ったかと思うと、サヤは俺の腕をするりと振り払った。
絶対に離すまいと力を入れていたのに、どうやったのか、簡単に外されてしまい、途方にくれる。
力では敵わない。それも承知していたけれど、それでも諦めたくなかった。
「もう一度、話をする時間をくれ」
「私からお伝えすることはもうありませんし、何度時間を作っても無駄ですよ」
食い下がる俺に苛立ちを滲ませて。
けれど、その裏に隠された苦しさや哀しみが見えるから、ほんのひとすくいの縋りたい気持ちも感じるから、それがただ頑ななだけじゃないと分かるから、俺が折れたら終わりなのだと思う。
「諦めないから」
それだけ言って、扉に向かった。折角来てくれた医師らを待たせるのは、確かにいけないと思うから。
サヤは、一瞬だけ足を止めていたけれど、いつもより少しだけ距離を空けて、ついてきた。
ジェイドもまたふらりと何処かへ消える。館の警備に戻ったのだろう。
ついでだからとシザーにも休憩を言い渡し、部屋に帰すことにした。
「領主様は、思いの外、積極的なお方なのですね……」
ハインだけが俺の部屋についてきたのだが、暖炉の火を調整しつつ、そんな感想を零す。
うん。それは俺も思った。あんなに垣根の低い人だとは想像していなかった。
と、いうか……。
「昔は……もう少し、厳しい方だったような気がする……。
それこそガイウスみたいに、融通がきかないというか…………。
まぁ、俺がここにいた頃は、領地を飛び回ってらっしゃったから、月に一度か二度、合間に半時間ほど見える程度しか、接していないのだけどな」
その時間とて……俺たちは距離を取り損ねたみたいに、当たり障りない会話しかしていなかったと思う。
俺は誓約に引っかかること、後に待つ兄上との時間に怯え……。
父上も、そんな俺に何を言って良いやら戸惑っていたのだろう。
今にして思えば、使用人や従者もジェスルの者らであったはずだから、父上も言葉や行動を考えていたと思う。
お互い雁字搦めの状態で、それでも父上は、俺と接する時間を捻出してくれていたのだ……。
幼かったとはいえ、思い返せばそこかしこに愛はあった。
今こうして、父上と接する時間を得れたからこそ実感できる。
こんなことに気付けたのも、全て、サヤのおかげ。
身体を張って、命まで賭けて、ここまで俺を導いてくれたのは、やはりサヤなのだ。
「そういえば、先程ユストから先触れがあったと報告がありました。医師らですが、本日夕刻、馬車一台で到着とのことです。
それと、胡桃らの行商団。
やはり到着は遅れる様子ですね。本日中は無理かと。……本当に、宜しかったのですか?」
火の調節を終えたハインが、そう言いつつ眉を寄せる。
その言葉に、心配性だなと、苦笑しつつ答えた。
「ああ、越冬だしな。村人と接する機会もそう多くないだろうから、気を付けていれば気付かれることもないと思うよ」
兼ねてから予定していたことなのだが。
拠点村の行商団用宿舎の運営を担う胡桃らが、本当は昨日辺り、到着する予定だった。
けれど、俺たちの方のゴチャゴチャがあったり、胡桃らの方でも動きにくい問題が発生したりで、到着が遅れていた。
病に罹患した者が出たのだ。
旅生活の彼らにとって病は大変な問題だ。
飛び火しないよう隔離しておくことも難しく、旅生活であるがゆえに、安静にしておくこともままならない。
この時期でなければ、しばらく移動を控えて野営するのだろうが、それをしていたら雪に埋まってしまいかねない。
本当は、備蓄庫として使用を許されている山城に行き、養生させるつもりであったようなのだが、飛び火した者が増え、移動が難しくなってしまった。
それを耳にし、彼女らの位置関係的に、こちらに来る方が早い様子であったので、拠点村の宿舎を使って構わないと伝えたのだ。
病を患った者には獣人の特徴が顕著である者もいるとのことであったが、どうせもう越冬間近だし、まだ人も少ないこの村だから、宿舎の部屋に入れてしまえば見られることもないだろう。万が一、山城に到着できず、雪が積もり出す……なんてことになるのも怖かったしな。
それから、到着する医師というのは、父上のために呼び寄せた者らのことだ。
ぶっちゃけると、父上の状態を管理してもらうための医師は、確保できなかった。
医師というのは地に根付く。
その地域を担当するといった形で、都や街に居を構えるのだ。
そして冬のこの時期は、医師を必要とする者が特に多い。
元から医師というものは不足がちということもあり、この忙しい時期に、担当の地域を離れることが可能な医師など、いはしなかったのだ。
だから当初は、父上がこの村に来ることも無理だという話になっていたのだけれど……。
「あのぅ、俺、心当たりあります。手隙の医師」
状況を聞いたユストが、そう言って俺を訪ねてきてくれて、状況は一変した。
「まぁその……身内なんですけどね。俺の上の兄弟で……俺、勘当された身だからちょっと連絡しづらいんですけど、領主様のためですし、それに多分……話を聞けば、断ってこないと思うんですよね」
腕は確かだが、性格と言動と格好に難がある。とのことであったけれど、聞いたマルは即答で話を受けた。
「ユストの実家でしょう? 領主様の問題が無くてもお近付きになりたいです!
言い値で払いますからなんとしても確保してください!」
そんな感じで、名も聞かぬまま、その医師の派遣が決まった。
医師らはその助手と合わせて三人であるそうだ。なので、館の一室を利用してもらうつもりで整えている。
あと、同じく見つからなかった薬師は、吠狼の伝手を頼った。父上奪還の際にも、手を貸してくれた薬師だ。
「どんな人が来るんだろうな……」
腕は確かだが、性格と言動と格好に難がある……か。ユストの実家は医師の家系で貴族嫌いだというのはこの前聞いた。それなのに、今回要請は拒否されなかった。
引く手数多であろう医師なのに、この時期に手隙……。飛びついたマルは何か知ってそうだけど、忙しそうにしていてなかなか声をかけづらい。
まあ、考えていたってどうせ何も分からないのだし、とりあえず、暇にしている時間は無いので、後回しにしていた書類仕事を再開することにした。
そして、一時間ばかりした頃。
「医師の方々がご到着です」
サヤがそう、知らせてきた。
「分かった。応接室にお通ししてくれ」
「私が向かいます。サヤはレイシール様の身支度を」
間髪入れずハインがそう言い、サヤが何か言う前に俺を放り出し、行ってしまった……。
あいつなりの気遣いなんだろうけど……。場の雰囲気を考慮して欲しかった。
「着替える」
「はい……」
少し見た目を整えるため、上着と腰帯を変更する。
二人して無言で、淡々と。
着替えたら髪を括る飾り紐も色が合わないとなったらしい。サヤが飾り紐をまとめてある小箱を持ってきた。
「お髪も、整え直しましょう」
言われるまま長椅子に座って、髪をサヤの手に委ねる。
一旦解かれた髪は櫛付けられ、また編み込まれていく。丁寧に、ゆっくりと。まるでこの時を噛みしめるように……。
「終わりました」
そう言って立ち上がったサヤの腕を。
「待って」
捕まえた。
「離してくださ……」
「昨日のこと、考え直してくれないか」
そう言うと、腕に力がこもる。彼女の緊張が、直に伝わってきた。
その反応に、心が揺さぶられる。けれど俺には、言葉を続けるしか、手段が無い。
「俺は、サヤ以外は考えられないよ」
「私は……相応しくないですよ。他の皆さんだって、そうおっしゃってるじゃないですか」
困った顔で、そんな風に言い、視線を逸らす。
昨日は関係ないって言ったのに……。今度はガイウスらの言葉を、盾に取るのか……。
「なら、彼らが納得してくれたら、受けてくれるの」
「……そういう、問題じゃ、ないんです……」
ただ拒否のためだけに利用したらしい。
その頑なさが、昨日皆で話したことを裏付けている気がして、胸が苦しくなる。
「俺はっ……!」
「お客様をお待たせしています。今、そんな話、しなくていいじゃないですか」
そう言ったかと思うと、サヤは俺の腕をするりと振り払った。
絶対に離すまいと力を入れていたのに、どうやったのか、簡単に外されてしまい、途方にくれる。
力では敵わない。それも承知していたけれど、それでも諦めたくなかった。
「もう一度、話をする時間をくれ」
「私からお伝えすることはもうありませんし、何度時間を作っても無駄ですよ」
食い下がる俺に苛立ちを滲ませて。
けれど、その裏に隠された苦しさや哀しみが見えるから、ほんのひとすくいの縋りたい気持ちも感じるから、それがただ頑ななだけじゃないと分かるから、俺が折れたら終わりなのだと思う。
「諦めないから」
それだけ言って、扉に向かった。折角来てくれた医師らを待たせるのは、確かにいけないと思うから。
サヤは、一瞬だけ足を止めていたけれど、いつもより少しだけ距離を空けて、ついてきた。
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