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ディートフリート
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館に戻ってくると、ハインが持って帰った昼食をマルへ提供しに行く。作りたてだから、温め直す必要も無い。
マルは現在、肩の傷が熱を持ってしまい、床に伏せっている。
そして今日は午前のうちから食事処に赴いていたので、今からが日常業務となるのだ。
執務室に向かおうとすると、近衛の方に呼び止められた。
「交代が来るまで、護衛の任を続行させて頂きますが、同室は控えた方が良いでしょうか? それならば部屋の前で待機致します」
仕事内容を見ても良いのか、問題があるようなら外で任務にあたる。と、気を使ってくださった様子だ。今から行うのは日常の業務だし、見せられない書類は後回しにすれば良い。見られて困るものは無い筈だ。
「構いません。中へどうぞ。
それから、近衛の方に畏まった口調で接せられるのは居心地が悪い……私は成人前の若輩者ですし……貴方よりも年下だと思いますから」
丁寧な口調に尻込みしてしまうので、どうか普通に喋って欲しいと、お願いしてみたのだが。
「御子息殿はおいくつですか」
「十八です」
「ああ、では辛うじて、私の方が年上なのか」
近衛の偉丈夫はそう言って、微笑んだ。
改めて見ると、青紫色の髪に、茶褐色の瞳。凛々しく整った顔立ちの方だ。
近衛の方って……なんか総じて見目の良い方が多い気がしているのは、気のせいなのか?
「では、お言葉に甘えて。
俺は十九。一つじゃあ、大した差ではない。それに、御子息殿は数年領主代行を務めていると伺っている。敬うのは当然と思うが……居心地の悪さは、俺も日々感じることが多いことなので、気持ちは分かるから、お互い、口調は普段通りにするということで如何だろう。
ああ、俺はディートフリート・アウレール・ヴァイデンフェラー。貴殿と同じく男爵家の出だ。同格で、跡取りでもないから、それが一番自然と思うが、如何?」
そんな風に提案されてしまった。
まあ、俺としては別に、構わないが……。良いんだろうか。出身が同格だろうが、彼は近衛。その位だけで俺よりよほど敬われなきゃならないのだが……。
「ああ、三ヶ月後の成人までは、仮隊員だ。今回の抜擢は、貴殿と出自、年が近いから、貴殿の負担にならぬだろうと、抜擢された。一番下っ端の雑用要員だから、遠征に出られて感謝してるくらいだ、気にするな」
爽やかにそう言われてしまった。
クリスティーナ王女……なんて気配りの行き届いた方なんだ……普通、そんな細やかなことまで配慮しないと思う。たかだか男爵家の、しかも氾濫対策なんて瑣末ごとに。
「姫様は、素晴らしい方ですね。お会いしたこともない俺に、そんな細やかなことまで……」
「ああ、美しくて聡明で、素晴らしい方だ。少々跳ねっ返りだけどな」
片目を瞑って、そんな風に茶目っ気たっぷりで言われてしまった。ふ、不敬にならないのか? 俺には怖くて無理だ……。
「俺は姫に、貴殿の人となりを見てきてくれとも言われてる。
だから、うわべより、普段の貴殿を見たい」
「……承知しました。
じゃあ、普段通りさせてもらいます。俺のことは名で……レイと呼んで下さい」
「ああ、レイ殿、俺もディートで頼む」
なんか妙なことになったなぁ……。
内心そう思ったものの、近衛の中に、気さくに接して良いと言ってくれる人がいたことは嬉しい。正直に、人となりを見ると宣言した、裏表の無い態度にも好感が持てた。
どうせルオード様にも見られているのだから、今更何人増えたって構わない。そう思ったので、了承しておいた。
ついでに従者のサヤと、先程まで居たのがハインだと紹介しておく。
ぺこりとお辞儀をするサヤに、黒髪は初めて見たなと感心しきりに、ディート殿は言った。
「私の国では、珍しくもない色なのですが、この辺りにはあまりいらっしゃらない様ですね」
「異国の者か。先程の話も感心した。貴殿は商家の出か?」
「いえ。ごく普通の一般家庭です」
「……その割に、色々と、物知りなのだな」
「学友に、商家の者もおりましたし……」
言葉を濁し、微笑むサヤ。
学舎の様なものに通っていたのだということは、それなりの良家だろうと、ディート殿は見当をつけた様子だ。
「そうか。では貴殿も、俺のことはディートと呼んでくれ。俺もサヤと呼ばせてもらう」
「従者の私が? 良いのでしょうか……」
「良い。家名で呼ばれるのは好かんのだ。長いんでな」
そんな風に肩を竦めた。愛嬌のある方だな。サヤもくすくすと笑う。
「ではディート様。何かございましたら仰ってください」
「お。そうか、ならな……」
サヤは、用があれば言って下さいとか、そういった意味で発言したのだと思う。
だがディート殿は、それに気付かなかったか、あえて気付かないふりをしたのか、ズバリと切り込んできたのだ。
「その年で結構な手練れだ。
どういった修練を積めば、そんな風になる」
「……どう、いった……?」
サヤもびっくりして、言い淀んでしまった。
答えるのは簡単だ。同じことをルオード様にも問われている。ディート殿は、何かを勘ぐってる風ではなく、とてもあっさりとした雰囲気だったのだが、つい俺の方が、過剰反応をしてしまった。
「サヤは、幼い頃に無体を働かれたことがある! 身を守る為に身につけた武術だ、努力の賜物であって……」
「お。そうなのか。だが、そんな、気持ちだけの問題じゃない。
凄いよ。俺が凄いと思う相手はそういやしない。あの時……騎士らに剣を向けられてた時、お前、不思議なことをしたろう。どうやった。俺はあの時、背後からすら、お前を攻める手立てが浮かばなかった」
いつの、何を言っているのか。それでやっと分かった。二日前の、マルを背に庇い、本気を出すと、宣言した時のことだ。
確かにあの時、闘気が爆発的に広がって、まるで攻められる気がしなかった。
だがサヤは、意味が分からないといった風に、こてんと首を傾げてしまったのだ。
「私、何か特別なことを、やってましたか?」
………………え?
「やったろう⁉︎ 二日前の、あの時だぞ?」
「はい、いつの何について仰ってるのかは、理解したのですが……私があの時意識したことといえば、視野を、個を見ることから広を見ることに、切り替えたくらいで……別段何も」
心底不思議そうに、ディート殿を見上げて言うのだ。
「はぁ? 個から広? それはどういう……?」
「視野の切り替えです。人は普段、意識しない時は、注視したいもの一点を見ますよね?
あの時は多数を相手にしなければならなかったので、全体的な把握ができる様、視野全体に意識を散らせたんです。
でもこれは別段……特別なことでもないと思うのですが……」
「視野全体を?……こうか?」
「全体をぼんやり認識する感じです。ディート様なら、動くものがあれば、間合いや相手の動きは感覚で、身体が反応するのではないですか?」
「そうだな、確かに……手練れを相手にする場合特に、感覚だな」
「ええ。どうせ見て動いてないので、視界にあれば感覚で反応出来ます。慣れると、視界の少し外くらいは、雰囲気で察することが出来るというか」
「ああ、成る程」
何が成る程⁉︎
達人同士の会話なのだろうか、これは……。
凄く納得した雰囲気のディート殿が「有難う、練習してみる」「お役に立てたなら、良かったです」と、言葉を交わす。
…………納得してくれたなら良いか。
「あ、申し訳ありません。業務に取り掛かります」
「ああ、俺も邪魔立てしてすまなかった」
そこからは、交代の近衛が来るまで、終始無言だった。
ディート殿は護衛ついでに練習をしているのか、たまにゆらりと、気配が動く。しかし本人は扉横に直立したままなのだ。なんか、気持ち悪いなぁ……意識だけが動き回ってるみたいで。
サヤはそんなディート殿を気にするでもなく、作業をしている。彼女の場合、あんな風に気配が動くことも、日常茶飯事なのだろうか……。
交代の近衛がやって来る頃には、俺の精神は結構消耗していた。
動く気配が、気になって仕方がなかったんだ……。
「うーん……結構難しいな。
ちょっと意識し忘れると、すぐに普段の視野になってしまう」
「慣れの問題です。
短時間出来るだけでも、結構価値はあると思いますよ」
「ふーん……まあ、良いことが聞けた。また良かったら教えてくれ」
「私でお役に立つことがあれば」
にこやかに笑ったディート殿は、俺に視線を向ける。
「レイ殿も、素養はあると思う。俺の気配に結構反応していた」
俺が、帯剣していないことを、言っているのだなとすぐに気付く。
だがこればっかりはね。今更だ。
「俺は、右手が少し不自由なんです。剣を握って振ることが、出来ませんから……」
「それも伺っている。だが、剣を振ることに拘るのは貴族だけだ。
俺は、なんであれ、自身を磨くことに意味はあると思う。実際、何かやってるんだろう? 剣を捨てたにしては、こなれている」
驚いてしまった。
貴族出身の方に、そんなことを言われたのは初めてだったのだ。
まさか近衛の方の口から、剣に拘るのは貴族だけだなんて発言が出て来るとは……。
俺の表情に、だいたい察してくれた様子で、ディート殿は肩を竦める。
「だってな。立ち位置に高低差が出来ただけで、剣はあっという間に不利になる。
剣しか出来ないんじゃ、不利だろ」
ルオード様には、あまり良い顔をされないがな。と、そんな風に笑うのだ。
「俺は、努力すること自体の価値を知ってる。
レイ殿が、もう少し上を目指したいと言うなら、ここにいる間は付き合える。よければ声を掛けてくれ」
そう言って、手を振って部屋を後にした。交代に来た近衛の方が、苦笑している。あの方の発言が破天荒なのは、今に始まった事ではないらしい。
成人前で、本音を隠しもせず、それでも近衛になることを約束されている、男爵家出身者。
異色だ……。あんな人も、居るんだなぁ……。
マルは現在、肩の傷が熱を持ってしまい、床に伏せっている。
そして今日は午前のうちから食事処に赴いていたので、今からが日常業務となるのだ。
執務室に向かおうとすると、近衛の方に呼び止められた。
「交代が来るまで、護衛の任を続行させて頂きますが、同室は控えた方が良いでしょうか? それならば部屋の前で待機致します」
仕事内容を見ても良いのか、問題があるようなら外で任務にあたる。と、気を使ってくださった様子だ。今から行うのは日常の業務だし、見せられない書類は後回しにすれば良い。見られて困るものは無い筈だ。
「構いません。中へどうぞ。
それから、近衛の方に畏まった口調で接せられるのは居心地が悪い……私は成人前の若輩者ですし……貴方よりも年下だと思いますから」
丁寧な口調に尻込みしてしまうので、どうか普通に喋って欲しいと、お願いしてみたのだが。
「御子息殿はおいくつですか」
「十八です」
「ああ、では辛うじて、私の方が年上なのか」
近衛の偉丈夫はそう言って、微笑んだ。
改めて見ると、青紫色の髪に、茶褐色の瞳。凛々しく整った顔立ちの方だ。
近衛の方って……なんか総じて見目の良い方が多い気がしているのは、気のせいなのか?
「では、お言葉に甘えて。
俺は十九。一つじゃあ、大した差ではない。それに、御子息殿は数年領主代行を務めていると伺っている。敬うのは当然と思うが……居心地の悪さは、俺も日々感じることが多いことなので、気持ちは分かるから、お互い、口調は普段通りにするということで如何だろう。
ああ、俺はディートフリート・アウレール・ヴァイデンフェラー。貴殿と同じく男爵家の出だ。同格で、跡取りでもないから、それが一番自然と思うが、如何?」
そんな風に提案されてしまった。
まあ、俺としては別に、構わないが……。良いんだろうか。出身が同格だろうが、彼は近衛。その位だけで俺よりよほど敬われなきゃならないのだが……。
「ああ、三ヶ月後の成人までは、仮隊員だ。今回の抜擢は、貴殿と出自、年が近いから、貴殿の負担にならぬだろうと、抜擢された。一番下っ端の雑用要員だから、遠征に出られて感謝してるくらいだ、気にするな」
爽やかにそう言われてしまった。
クリスティーナ王女……なんて気配りの行き届いた方なんだ……普通、そんな細やかなことまで配慮しないと思う。たかだか男爵家の、しかも氾濫対策なんて瑣末ごとに。
「姫様は、素晴らしい方ですね。お会いしたこともない俺に、そんな細やかなことまで……」
「ああ、美しくて聡明で、素晴らしい方だ。少々跳ねっ返りだけどな」
片目を瞑って、そんな風に茶目っ気たっぷりで言われてしまった。ふ、不敬にならないのか? 俺には怖くて無理だ……。
「俺は姫に、貴殿の人となりを見てきてくれとも言われてる。
だから、うわべより、普段の貴殿を見たい」
「……承知しました。
じゃあ、普段通りさせてもらいます。俺のことは名で……レイと呼んで下さい」
「ああ、レイ殿、俺もディートで頼む」
なんか妙なことになったなぁ……。
内心そう思ったものの、近衛の中に、気さくに接して良いと言ってくれる人がいたことは嬉しい。正直に、人となりを見ると宣言した、裏表の無い態度にも好感が持てた。
どうせルオード様にも見られているのだから、今更何人増えたって構わない。そう思ったので、了承しておいた。
ついでに従者のサヤと、先程まで居たのがハインだと紹介しておく。
ぺこりとお辞儀をするサヤに、黒髪は初めて見たなと感心しきりに、ディート殿は言った。
「私の国では、珍しくもない色なのですが、この辺りにはあまりいらっしゃらない様ですね」
「異国の者か。先程の話も感心した。貴殿は商家の出か?」
「いえ。ごく普通の一般家庭です」
「……その割に、色々と、物知りなのだな」
「学友に、商家の者もおりましたし……」
言葉を濁し、微笑むサヤ。
学舎の様なものに通っていたのだということは、それなりの良家だろうと、ディート殿は見当をつけた様子だ。
「そうか。では貴殿も、俺のことはディートと呼んでくれ。俺もサヤと呼ばせてもらう」
「従者の私が? 良いのでしょうか……」
「良い。家名で呼ばれるのは好かんのだ。長いんでな」
そんな風に肩を竦めた。愛嬌のある方だな。サヤもくすくすと笑う。
「ではディート様。何かございましたら仰ってください」
「お。そうか、ならな……」
サヤは、用があれば言って下さいとか、そういった意味で発言したのだと思う。
だがディート殿は、それに気付かなかったか、あえて気付かないふりをしたのか、ズバリと切り込んできたのだ。
「その年で結構な手練れだ。
どういった修練を積めば、そんな風になる」
「……どう、いった……?」
サヤもびっくりして、言い淀んでしまった。
答えるのは簡単だ。同じことをルオード様にも問われている。ディート殿は、何かを勘ぐってる風ではなく、とてもあっさりとした雰囲気だったのだが、つい俺の方が、過剰反応をしてしまった。
「サヤは、幼い頃に無体を働かれたことがある! 身を守る為に身につけた武術だ、努力の賜物であって……」
「お。そうなのか。だが、そんな、気持ちだけの問題じゃない。
凄いよ。俺が凄いと思う相手はそういやしない。あの時……騎士らに剣を向けられてた時、お前、不思議なことをしたろう。どうやった。俺はあの時、背後からすら、お前を攻める手立てが浮かばなかった」
いつの、何を言っているのか。それでやっと分かった。二日前の、マルを背に庇い、本気を出すと、宣言した時のことだ。
確かにあの時、闘気が爆発的に広がって、まるで攻められる気がしなかった。
だがサヤは、意味が分からないといった風に、こてんと首を傾げてしまったのだ。
「私、何か特別なことを、やってましたか?」
………………え?
「やったろう⁉︎ 二日前の、あの時だぞ?」
「はい、いつの何について仰ってるのかは、理解したのですが……私があの時意識したことといえば、視野を、個を見ることから広を見ることに、切り替えたくらいで……別段何も」
心底不思議そうに、ディート殿を見上げて言うのだ。
「はぁ? 個から広? それはどういう……?」
「視野の切り替えです。人は普段、意識しない時は、注視したいもの一点を見ますよね?
あの時は多数を相手にしなければならなかったので、全体的な把握ができる様、視野全体に意識を散らせたんです。
でもこれは別段……特別なことでもないと思うのですが……」
「視野全体を?……こうか?」
「全体をぼんやり認識する感じです。ディート様なら、動くものがあれば、間合いや相手の動きは感覚で、身体が反応するのではないですか?」
「そうだな、確かに……手練れを相手にする場合特に、感覚だな」
「ええ。どうせ見て動いてないので、視界にあれば感覚で反応出来ます。慣れると、視界の少し外くらいは、雰囲気で察することが出来るというか」
「ああ、成る程」
何が成る程⁉︎
達人同士の会話なのだろうか、これは……。
凄く納得した雰囲気のディート殿が「有難う、練習してみる」「お役に立てたなら、良かったです」と、言葉を交わす。
…………納得してくれたなら良いか。
「あ、申し訳ありません。業務に取り掛かります」
「ああ、俺も邪魔立てしてすまなかった」
そこからは、交代の近衛が来るまで、終始無言だった。
ディート殿は護衛ついでに練習をしているのか、たまにゆらりと、気配が動く。しかし本人は扉横に直立したままなのだ。なんか、気持ち悪いなぁ……意識だけが動き回ってるみたいで。
サヤはそんなディート殿を気にするでもなく、作業をしている。彼女の場合、あんな風に気配が動くことも、日常茶飯事なのだろうか……。
交代の近衛がやって来る頃には、俺の精神は結構消耗していた。
動く気配が、気になって仕方がなかったんだ……。
「うーん……結構難しいな。
ちょっと意識し忘れると、すぐに普段の視野になってしまう」
「慣れの問題です。
短時間出来るだけでも、結構価値はあると思いますよ」
「ふーん……まあ、良いことが聞けた。また良かったら教えてくれ」
「私でお役に立つことがあれば」
にこやかに笑ったディート殿は、俺に視線を向ける。
「レイ殿も、素養はあると思う。俺の気配に結構反応していた」
俺が、帯剣していないことを、言っているのだなとすぐに気付く。
だがこればっかりはね。今更だ。
「俺は、右手が少し不自由なんです。剣を握って振ることが、出来ませんから……」
「それも伺っている。だが、剣を振ることに拘るのは貴族だけだ。
俺は、なんであれ、自身を磨くことに意味はあると思う。実際、何かやってるんだろう? 剣を捨てたにしては、こなれている」
驚いてしまった。
貴族出身の方に、そんなことを言われたのは初めてだったのだ。
まさか近衛の方の口から、剣に拘るのは貴族だけだなんて発言が出て来るとは……。
俺の表情に、だいたい察してくれた様子で、ディート殿は肩を竦める。
「だってな。立ち位置に高低差が出来ただけで、剣はあっという間に不利になる。
剣しか出来ないんじゃ、不利だろ」
ルオード様には、あまり良い顔をされないがな。と、そんな風に笑うのだ。
「俺は、努力すること自体の価値を知ってる。
レイ殿が、もう少し上を目指したいと言うなら、ここにいる間は付き合える。よければ声を掛けてくれ」
そう言って、手を振って部屋を後にした。交代に来た近衛の方が、苦笑している。あの方の発言が破天荒なのは、今に始まった事ではないらしい。
成人前で、本音を隠しもせず、それでも近衛になることを約束されている、男爵家出身者。
異色だ……。あんな人も、居るんだなぁ……。
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