異界娘に恋をしたら運命が変わった男の話〜不幸の吹き溜り、薄幸の美姫と言われていた俺が、英雄と呼ばれ、幸運の女神と結ばれて幸せを掴むまで〜

春紫苑

文字の大きさ
137 / 1,121

獣 1

しおりを挟む
 今日一日が滞りなく無事暮れようとする頃、新しい人足たちと、班長を乗せた馬車が列をなして帰ってきた。
 結局、追加の人員は三十二名。各班の欠けた人員と、新たに五人ずつを加える形となった様だ。

「は?   マル?」

 で、何故かマルが一緒に戻った。
 俺に差し向けられた兇手の雇われ先を突き止める為に、メバックで情報収集をすると言って出たのは二十三日の朝。たった二日前だ。
 一体どうした。
 執務室に監禁されていた俺は、帰還したマルに「いやぁ、助かりました。流石レイ様。持ってますよねぇ」と、言われ、首を傾げる。急に賛辞を送られても、意味が分かるわけない。

「…兇手の雇い先、もう分かったのか?」
「やだなぁ、レイ様が知らせた様なもんじゃないですか」

 はい?
 身に覚えがなくて首を傾げる俺に、エゴンですよと付け足す。

「エゴンの失踪を知らせてくださったでしょう?   おかげで前日の情報を集めるだけで済みましたから、手紙を受け取った後は、ものの数時間で突き止められましたよ。
 何年も昔からの街中の情報を掻き集めて、エゴンの交友関係から、違和感あるものを選別していくなんていう、手間のかかることを続ける必要が、なくなりましたからねぇ。とても助かりました」
「え……?   エゴンの追跡で犯人が分かるのか?」
「え?   エゴンを追跡すればすぐでしょ?   あの状況で行く先なんて黒幕の元しかないんですから」

 けろっと答えるマルには唖然とするばかりだ。
 人の追跡って、そんな簡単なもんじゃないと思うんだよ……。
 だって本当に黒幕の元に行くとは限らないし、生き死にだって予想出来ないし、堂々と大手を振って行き先告げて出ていくわけじゃないんだし。
 求めてる情報が当然の様にあるとも思えない。
 しかしマルにとってはそうでないらしい。

「あの街なら僕は情報提供者に事欠きません。調べられないことなんて無いくらいですよ。
 そもそもね、可能性なんてものは精査すればある程度絞り込めます。後は、残る中から更に特徴で絞り込みをかけるんですよ。
 時間帯、背格好、人数、地域。高確率に合致する情報なんて一握りです。後はその情報が連なる後を辿れば良いだけです。辿るうちに別の情報との繋がりが出てきます。それが複数確認できればもう当たりですから」

 ヘラヘラと気の抜けた笑顔でそう言うのだが、それって相当な手間の掛かる作業だと思うし、そんな簡単なことじゃないと思う。
 けどまぁ……マルが楽だったと言うならばそうなのだ。うん。それでいい。なんかもう考えるの面倒くさい。

「まあ、犯人が特定出来たというなら何よりだ。
 こちらでは、今別館に残る者の中に居ると睨んでるんだけど、当たってる?」
「ええ。残念なことに、手出しの難しい相手でしたよ」
「そうだろうね。まあ、そうなると踏んでたんだけどね……」

 やっぱりか……。
 ふぅ……。と、溜息を吐くしかない俺に、マルも「難儀ですよねぇ」と、同意を示す。
 まあ、そうであると思ったから、この先の提案を考えていたわけだ。なら、やることは変わらない。俺は気持ちを切り替えて、マルに視線を戻す。

「……エゴンは、無事か?」
「はい、まだ大丈夫みたいですけど?」

 そうか……良かった。
 けど、まだ大丈夫と表現された通り、ずっと大丈夫ではないわけだよな。

「それにともなってな。二通目の……今朝、班長に託した手紙。あれについて話をしたいんだけどね……」

 俺がそう切り出すと、マルはまた、楽しそうに笑った。

「ああ、こんな早々にバレる羽目になるとは思ってませんでしたよ」

 実は今朝、人足達を見送る際に、水髪紫眼の班長に、マル宛の手紙を託していた。
 マルの軍門に下った。という言葉と、その責任感を見込んで託したわけだが、無事きちんと届いた様子だ。
 にしても……一般的に、兇手きょうしゅと取引をすることは、あまり褒められたことではないって自覚はしてるんだね……。なのに悪びれもせずそう言うのだから、明らかに確信犯なわけだ……。
 脱力する俺に、けれどマルはもう一つ、言葉を付け足す。

「バレたんじゃなくて、彼がバラしたんですよね?
 随分早く、懐かれましたねぇ。まあ、レイ様ですから、そのうちこうなるだろうとは思ってましたよ」

 酷く、誤解されている様なことを言う。
 懐かれてあんな風に脅される訳がないじゃないか。俺は「誤解だよ」と言っておいた。
 俺の命が尽きるとマルとの取引が終わってしまう。それが彼は嫌だったらしいから、俺が懐かれたとかが理由ではない。

 現在俺の護衛はギル一人だ。ハインは新しい人足らへの挨拶と、名簿の確認の為に、集会場に出向いている。
 前回の様に、俺が挨拶に行くわけにはいかない為だ。
 新しい人足たちを、ハインはひどく警戒した。いや、正確には、新しい人足たちに、兇手が紛れ込んでいるかもしれない可能性を……か。
 なので今回、俺は留守番。こうしてマルを迎えている。
 まあ、マルと班長達が、メバックで人材を見極めた上で、班分けしているそうで、名簿もそこで改めて、作りかえられている。俺やマルが居なくとも、問題なく進められる手はずは整っているそうだ。
 因みに、サヤもハインと共に集会場。こちらは賄いを作る為だ。

「お前なぁ……何か一言くらい、あって良かったんじゃないのか?
 おかげでこっちは散々だったんだ」

 ギルが、マルに対し抗議の声を上げる。
 真正面からやりあったなら、ギルの腕だって引けを取らないと思うのだけど、人を害するということに制限が掛からない相手であるから、どうにもギルの分が悪い。
 ギルと兇手の彼とのやり取りを、マルはまだ知らないと思うのだけれど、ギルの表情から、何かあったんだなということは、察しがつく様だ。
「ギルとは土台が違うんですから、気にしないことですよ」と言い、ギルに「うるせぇ!」と、突っぱねられ、肩をすくめた。

「先に言えるわけないじゃないですか。
 兇手が人足に紛れてるなんて言ったら……僕、ハインに斬り殺されてますよ」
「当たり前だ!   お前は何考えてあんなもんと取引してやがるんだ!」
「あんなもんだなんて。彼らは別段、殺人狂でもなんでもないんですよ?   雇われたから仕事をしているだけです。雇う相手が悪いんですよ」

 しれっと答えるマルに、ぐぬぬと歯を食い縛るギル。
 そして、そんなギルを尻目に、マルは俺に向き直る。

「じゃ、時間もあまり無いことですし、早々に話を進めましょう。
 結論から申しますと、彼らの手を借りることは可能です。僕、あそこには結構貸しがあるので、今回はそれで対処しました」

 有難い。使わせてくれるのか。
 マルの語り出したことに、ギルが訝しげな顔をする。マルの貸しを俺が使う。それはつまり、マルが兇手を使うのではなく、俺が使うということだ。

「今夜、交渉役がここに出向いてくるので、レイ様はその方との交渉に付き合って下さい。
 ですが、間違わないでくださいね?
 今回は、僕の顔を立ててくれるというだけです。レイ様が信用を得られたわけではない。
 今後の付き合いの為に、それなりの覚悟と、知るべきことを知って頂かなくてはなりません。
 僕、彼らのことは結構気に入っているので、できればレイ様とも仲良くして欲しいと思ってるんですけどねぇ」

 今後の付き合い。
 マルの言葉に、黙って話を聞くだけだったギルが、焦った顔をした。
 俺を見て、俺がマルの言葉の意味を理解していることに慌てて、俺の肩を掴む。
 彼の心配はもっともなのだけど、俺はマルにこくりと頷いて返す。「おい!」と、声を荒げるギルに、俺はやんわりと拒否を示した。

「ギル。兇手の手を借りるということは、そういうことだよ。
 本来なら、昨日今日で話を受けてもらえるわけないんだ。俺は彼らの信用を得ていない。マルの信用で、仕事を受けてもらうんだ。一度、こちらの都合で動いてもらえるだけ、相当破格な待遇なんだよ。
 それに、彼らだって身の保証を求める権利がある。マルが俺に言っているのは、当然の要求だ。『きょ』は、存在しない者なんだよ?それを視界に入れるなら、覚悟を求められるのは分かっていたことだ。相手だって、それ以上の危険を負うんだからね」

 一度兇手を使うということは、彼らの存在を受け入れるということだ。
 兇手は裏切りを許さない。
 裏切りはそのまま彼らの破滅に直結するからだ。
 一度でも取引をするならば、彼らを裏切らないという約定が必要だ。マルの様に。

 俺が正しく、兇手との取引を理解していると、マルは納得てくれた様子だ。

「良かった。第一歩は合格ですよぅ」

 と、笑った。

「まったく。こっちは肝を冷やしたんだからな。
 まさかマルが、そんな大切な取引に、俺を引っ張り出してるとは思わなかったよ……」
「えー、そこまで聴き出してるんですか?   油断も隙もないなぁ……ほんとレイ様は人たらしなんですから……」
「それは誤解。俺ではなく、マルが信頼されている結果でしょ」

 マルとの取引を終えたくないが為に、約定の内容を教えてくれたんだから。
 そう言う俺に、マルはただ、にこりと笑った。肯定も否定もしない。その上で「貴方は何を、彼らに差し出せますか?」と、問うてくる。
「差し出すって、何だよ⁉︎」と、焦って口を挟んでくるギルを無視する形で、俺も話を進めた。彼らと取引をすることは、俺の意思で決めたことだ。ギルが何を言おうと、覆すつもりはない。

「マルと同じく。
 俺から人を殺めることは求めない。
 と、しようと思う」
「それをしちゃうと、兇手の使い道、ほぼ無いですよ?」

 分かっているだろうに、わざわざそんなことを聞いてくる。
 ワクワクと、期待に満ちた顔で、俺を見るマルに、苦笑するしかない。よく言うよ……そんな約定を、真っ先に兇手と交わしたのは、お前だよ?

「兇手として求めないから、良いんだよ」
「ふーん……まあいいです。
 ではレイ様は、彼らに何を求めるのですか?」

 人を殺めることを求めない。その代償に、俺が求めるもの。
 一度、深く深呼吸してから、それを口にする。

「彼らに、兇手という肩書きではなく……別のものを提案できればと、思ってる」
「?……どういうことです?   別の肩書きを与える……衛兵や使用人に取り立てるとかってことですか?
 生憎、彼らは変装も身分詐称も得意技ですし、縛られることを好みませんから、あまり魅力は感じてくれそうにないですけど?」

 マルの問いに、口元が緩んだ。
 不意に笑った俺に、マルが訝しげな顔をする。
 そうか。マルでもそんな風に考えるのかと思ったら、笑えてしまったのだ。
 いいや、俺は別に、彼らを配下にしたいわけじゃない。

「そうじゃなくてね。……これは俺の印象でしかないんだけど……彼らは、別段、兇手をしたくてしてるんじゃないと思うんだよ。
 だから、兇手と名乗らなくて良い、別の生き方を、提案できればと思ったんだ。マルがしたと、同じ様にね」

 損か、特か。はたまた金か。
 そこに拘りが見えたのは、それらにしか縋れないから。
 そして、ギルやサヤに見せた反応は、不快を感じつつも、それ以外を、求めているからではと思ったんだ。

『虚』とは『うつろ』だ。存在しない筈の者。それがいつしか、兇手を指す言葉となった。
 陽の光の下での生活は望めない。かつてのハインの様に、孤児だったり、人生を大きく踏み外したりした者の、行き着く先……成れの果てだ。
 望んでそうなる者がいることも知っているが、俺の印象では、彼は違った。
 藤髪の友に、虚であることを知られたくない様子を伺わせた。
 陽の光を浴びて生きるギルが、人を害する覚悟が足りないことに、不快を露わにしていた。
『俺ら』とか『身内』と表現される仲間に、強い執着を感じた。
 彼は、陽の光に、手を伸ばしたいと、焦がれているのではと、思ったのだ。

「サヤがね、マルが人足に紛れ込ませていた彼みたいな者のことを、サヤの世界では『しのび』と呼ぶのだと、教えてくれたんだ。
 あの娘の世界では、どうやら兇手という職は、ひと種類ではないらしい。
 だから、彼らに試してみて欲しいんだよ。兇手の技で、兇手以外の生き方が出来るのかどうか。
 さしあたり、今回はお試しだ。俺の求める仕事を、忍として受けて欲しい」

 兇手は人を殺すのが生業だ。誰かの恨みや目的の為に。だがそんな、誰かに押し付けられた役割を、演じ続けなくても生きていけることが証明できれば、彼らはもう少し、明るい場所に立てるのではないか。
 人を殺めず生きていけるなら、彼らはもっと、笑顔でいられる……。その道を探すついでに、俺の手助けをしてほしい。

「人を殺めずに出来る生業なのですか?」
「その代わり、結構な技術を必要とするみたいだ。手練れでないと無理だろう。
 けど、人足に混じってた彼くらいの腕があれば、可能じゃないかなって、俺は思ってる。
 それに、この世界にはまだ無い役割だ。だから、俺たちが好む形で作ってしまって構わないと思うんだよな。俺たちの好きな形の忍を作るってどうだ?   楽しそうだと思わないか?」
「この世界には無い役割……興味ありますねそれ、詳しく教えていただけます?   内容によっては、協力することも吝かではありませんよぅ?」
「ああ、マルも楽しめると思うよ。だから、口添えをお願いしたいな」

 俺が兇手の彼らに求めるもの。
 それは、その卓越した技術を、人を殺めること以外に使うことだ。
 今回の場合は、セイバーンの者も、ジェスルの者も、誰も殺めず、エゴンたちだけをかっさらって来る事。

「お前……兇手の手を借りて、エゴンを掻っ攫って来るって話じゃなかったのかよ……」
「それはその通りだよ。だけど、一度兇手と取引をするなら、もう引き返せないんだよ。
 それなら俺は、彼らとだって仲良くやりたい。その為に必要だと思うことをしたいと思うんだ」
「ハインが……ブチ切れてた理由は、これか……」

 ごめん、ギル。ハインを止める為にとばっちりまで食らったのに黙ってた。
 けど……やれることをやると決めたから、俺はそう動くと決めたんだよ。

「じゃあまずは、『忍』について説明する。
 とはいえ、サヤに聞いたことそのままだから、詳しくは彼女に聞いて欲しいんだけどね……」
しおりを挟む
感想 192

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

私が死んで満足ですか?

マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。 ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。 全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。 書籍化にともない本編を引き下げいたしました

私が美女??美醜逆転世界に転移した私

恋愛
私の名前は如月美夕。 27才入浴剤のメーカーの商品開発室に勤める会社員。 私は都内で独り暮らし。 風邪を拗らせ自宅で寝ていたら異世界転移したらしい。 転移した世界は美醜逆転?? こんな地味な丸顔が絶世の美女。 私の好みど真ん中のイケメンが、醜男らしい。 このお話は転生した女性が優秀な宰相補佐官(醜男/イケメン)に囲い込まれるお話です。 ※ゆるゆるな設定です ※ご都合主義 ※感想欄はほとんど公開してます。

余命1年の侯爵夫人

悠木矢彩
恋愛
余命を宣告されたその日に、主人に離婚を言い渡されました

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

お父様、お母様、わたくしが妖精姫だとお忘れですか?

サイコちゃん
恋愛
リジューレ伯爵家のリリウムは養女を理由に家を追い出されることになった。姉リリウムの婚約者は妹ロサへ譲り、家督もロサが継ぐらしい。 「お父様も、お母様も、わたくしが妖精姫だとすっかりお忘れなのですね? 今まで莫大な幸運を与えてきたことに気づいていなかったのですね? それなら、もういいです。わたくしはわたくしで自由に生きますから」 リリウムは家を出て、新たな人生を歩む。一方、リジューレ伯爵家は幸運を失い、急速に傾いていった。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

処理中です...