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【6】聖女 服を買う

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 騒ぐジェイドは無視して、わたしはマネキンの服を強奪してきた店員さんに尋ねた。

「あの、魔術文様が付いてない物が欲しいんですけれど」

 店員さんはちょっと目を見開いたが、すぐに笑顔を作る。

 プロ店員だなぁ。

「ええ、ええ、もちろんございますよ! お嬢様のように冒険者に憧れるご令嬢の方も沢山いらっしゃいますから」

 そう言って倉庫に向かう店員さん。

 うーん、コスプレだと思われたな。

 モルガナさんが小首を傾げた

「いいの? ルチルちゃん。それだと本当にただの服だけれど」
「はい。 その~、魔術文様は自分で入れてみようと思って。やったことはないんですけれど、面白そうだから」

 答えればモルガナさんは「そう」と笑って、それ以上突っ込まなかった。

「ねぇ~、オレ腹減ったんスけどー」

 ぬいぐるみとの和解に成功したジェイドがぐずり始める。

 わたしとモルガナさんは顔を見合わせると、急いでお会計を済ませ、食事を取るためにカフェに向かった。
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