恋人以上、永遠の主人

那月

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兄妹

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「――なに?例の、鍋パーティーとかいうやつの残飯?」


「思いのほか、よく食べる者が多くてな、1人分を確保するのに焦ったぞ。ユエの作る飯はいつも旨いが、今回の鍋は皆の汗と涙の結晶……じゃなかった。努力と様々な想いが詰まった、格別に旨いものだ」


「今の素で間違えたな。しかもサラッとのろけたし。アッキーも作ったの?」


「いや、俺はマクベスさんと手合わせをしていた。む、魔法は使わなくていい。カセットコンロくらい、1人で火をつけられる。はず。ちょっと待て」


「えぇ、お腹すいたんだけど。待って待って、入らないからって力技でねじ込もうとしないで!?これ、ボンベ反対じゃない?ほらほらぁ」


「セイが逃げずに鍋パーティーに参加して一緒に食べていればこんなことをしなくても済んだのだ。そうだ、セイが悪い」


「僕のせい!?やーだって、若くて可愛い子と約束していたんだよ。先約先約。アッキーって、僕と2人きりの時だけは僕に意地悪だよな。部下の前ではピシっとしてんのに。あ、いい匂いがしてきた……」


「ん?」


「なんで?」


「ん?」


「ん?」


「今は、親友だろう?身分も何も関係ない。そんな時間が、あの鍋パーティーにはあった。お前は、実にもったいないことをしたんだ」


「っ!………………そう、か」


「別にお前を叱りに来たわけではない。ただ、本当に美味かったからお前にも食べてほしかった、それだけだ。そろそろいいんじゃないか?ほら、食え」


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