恋人以上、永遠の主人

那月

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兄妹

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「え、あ、ありがと。じゃあ、いただきます。うまっ!お出汁うまっ!?シイタケも人参も飾り切りが職人レベルなんだけど、あれ?こっちの長ネギはつながってる……?」


「誰がどの食材を切ったのか、想像しながら食べると楽しいな。皆、一生懸命だった。主にナツメさんが仕切って、裏ではユエが色々と手を回していたみたいだったが」


「ふぅん。まぁ、あいつはマクベスによく手料理をふるまっていたみたいだしな。てことは、他の奴らに料理を教えていたのか。あいつ、変なところが不器用だし、指を切ったりやけどはしてなかった?」


「そんなに心配ならその目で直接見に行ったらいいだろう?」


「やだよ。僕がナツメのそばにいる役目はとうの昔に終わった、そばで守る役目は今はマクベスだ。鬼追いを守るっていう役目からやっと解放されたんだ」


「永遠の鬼追いは命を懸けてでもお守りしなければならない。だがセイ、お前はその役目から解放され自由になったから今好きに生きて遊んでいると?自由になったから、ナツメさんとは会わないと?」


「そうだよ。だから何?僕の大事な大事な幼少期、思春期、子供の時代は全てナツメに費やしたんだ。もうそばにいたくないね」


「そんな見え透いた大嘘が、親友の俺に通用するとでも?」


「はぁ?」


「お前は生粋のシスコンだろうが。忘れたとは言わせない。ナツメさんが生まれたとお前から聞いた時、お前の顔はデレデレで、まるで初孫を見たじいさんみたいだったぞ。手が小さくて可愛いだとか、足がムチムチでとか、つぶらな瞳がとか、フワフワの髪の毛がとか、些細なことで泣き出したり笑ったりがたまらなく可愛いと――」


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