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動いた山は氷山の一角に過ぎない
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しおりを挟む何にせよ、彼がいなくなってからもう2日。ケータイは奪われているとして。脱出できないでいるのか、脱出しても遠すぎて時間がかかっているとか。
考えたくもないけど、動けない状態にされているのか。もしくはもう……
「ナツメ、悪いことは深く考えてはいけない。晴明様もよく言っていた。ラファルガ君はよく頑張っている、俺達で助けに行こう」
最悪の事態を想像して顔が青くなっちゃってたのかしら。心配そうにマクベスがあたしの顔を覗き込む。
大丈夫よ。ラファルガ君は強いもの、きっと生きているわ。信じている。あたしもマクベスも、アキラさんも他の鬼死団の人達も。
「でも、どうやって助けに行くの?頼みの綱のラファルガ君と連絡が取れないんじゃあ意味ないじゃない」
「情報の専門家がいるだろう?複数の目を持った、頼もしい仲間が」
「あぁ、この街を四六時中監視している彼女ならそろそろ何か情報を仕入れているかもしれないな!よし、早速聞いて――」
「呼んだ?あーあぁぁー疲れたったー、眠った子供は重いねぇー。ボーナス30パーセントアップ、よろしく」
噂をすれば影。突然アキラさんの背後から顔を覗かせた彼女は「んーっ」と伸びをして、アキラさんの眼前に人差し指と中指と薬指を突き立ててニッコリ。
い、いつの間に。足音も気配も全くなかったわよ。それにタイミング良すぎ。って、彼女――ユエさんの白衣が血まみれ!
「待てユエ、その血はどうした!?あーもう、こんな時にまで情報料をせがむな!手を下ろせっ」
「ちぇっちぇっちぇー…………あんた達が探してる少年を見つけて、ここまで運んできてあげたのよ。右腕が肩から無かったからね、今は医療班に預けてる。じゃ、詳しいことは少年から聞いてね、ね、ねー」
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