恋人以上、永遠の主人

永久の鬼追い

３P

「――あっ、マクベスさんナツメさんこっちです！いつもよりちょっと大きくて赤い餓鬼なんですが。炎の属性を持っているみたいで、火の玉を投げてきます」


「新手だね。わかった。戦える者だけ参戦して、俺達も狩るから巻き込まれないように。行くよナツメ」


「はいはい、言われなくてもついていくわよ。この前みたいに投げないでよ？」


「ごめんごめん。あれは俺も悪かったって反省してるけど、一応言い訳するなら事故だから。気を付けるよ。さて。まずはあそこの塊を一掃しよっか！」


　新種の鬼が発生したって騎士団からの報告があった現場に着いたわ。すぐに小柄な男の子が駆け寄ってきて、あたし達にペコッと一礼。


　彼はラファルガ君１０歳。灰色の短い髪に明るい灰色の目が可愛くて、顔はまだまだしっかり子供っぽくてあどけない。そんな彼の両手には長く先が曲がった刃が４本付いた鉤爪。


　鬼死団で最年少の団員。戦闘の天才と呼ばれる男の子。小柄だから小回りが利くし、とっても身軽で俊足なの。その分、どうしても攻撃が軽くてなかなかダメージが与えられないのが弱点だけど。


　鬼死団っていうのは人間達だけで構成された、鬼に死をもたらす精鋭団体の略称よ。鬼と戦うための特殊部隊。


　あたし達“永遠の鬼追い”が転生するたびに保護してくれて。生活面とか、医療とか全面的に手助けしてくれている。一緒に戦ってくれるし、鬼についての調査もしてくれる。


　だからあたし達も、鬼死団の手に負えない大型や新種の鬼が出れば助けに行ったりするわ。助け合いって大事よね。