恋人以上、永遠の主人

那月

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永久の鬼追い

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「だめ。まずはあっちでしょ。ほら、さっさと行きなさい」


 ミイラみたいな子供の、腰にボロ布を巻きつけただけの鬼のことを餓鬼っていうの。引っかいたり噛みついたり、石を投げてきたり。普通の餓鬼は茶色なんだけど、ここにいる数十体の餓鬼は赤い。


 確かに炎の球を投げてるわね。それに、鋭い爪で引っかかれたところが火傷になってる。小さなアリと同じ。ザコの鬼だけど、束になってかかってきたら厄介。


 そこに10体くらいの団体様がいるんだけど、目を輝かせてそっちに行こうとしたマクベスを呼び止めた。反対側に鬼死団員1人対赤餓鬼7体よ?どう考えても、こっち優先でしょ。


 マクベスはしおらしく「ごめんなさい」って呟いて、地面を蹴った。


 身を低く、跳ぶように走って、壁際に追いつめられた鬼死団員の前に滑り込むと同時に左右の獲物を振り上げた。


 右の日本刀「鬼斬り丸」は飛びかかってきた3体の赤餓鬼を横真っ二つに、左の聖剣「エクスカリバー」は横から回り込もうとした2体の赤餓鬼を縦真っ二つ。


 残りの2体は、逃げようとしたところを左右それぞれで袈裟懸けに真っ二つにしてしまった。


 餓鬼7体を3振りで仕留めるのなんて、マクベスには朝飯前。強いわよ、プロだもの。ダテに千年も戦い続けてないわ。


 え、あたしは何をしているのかって?ちゃんと戦ってるわよ、マクベスと一緒に。


 姿が見えない?本当は逃げてるんじゃないか?失礼ね!!最前線にいるわよ!マクベスの大きな手に握られている鬼斬り丸、あれが今のあたしなんだから。


 言ったでしょ、あたしは人間じゃないって。いや、まぁ、転生して生まれてくる時は一応人間の体で生まれてくるんだけど。


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