ユキ・シオン

那月

文字の大きさ
635 / 756

3P

しおりを挟む

 ――キッチンでグズグズ泣いていたシオンに声をかけたら。思わず吹き出して大爆笑してしまった。


 直也の言った通り、傷ついて泣いているんだと心配したんだが。「んえ?」と振り向いたシオンの目は真っ赤で泣いていた。だが、それよりも。鼻にティッシュを2つ突っ込んでいて。


 玉ねぎを切っていて、いつもよりもかなり染みるからって。大好きな可愛い顔が台無しというか、インパクトがすごすぎてな。


 崩れ落ちて腹を抱えて泣くほど笑っていたら「もーっもーっ!」と、背中を何度も蹴られた。


 お前は牛の擬人化種なんかじゃないだろう?ヒィヒィ言いながら目元を拭い立ち上がった俺に、切った玉ねぎを投げてきたシオン。


「こら、食べ物を粗末にするんじゃない。うわっ!これは確かに、目にくるな」


「驚きの超刺激だぜ。ったく…………で、直也は?」


「晩飯は食わないとさ。俺達からの施しを一切受けないつもりらしい。我慢大会の始まりだな」


「負けないし。信じてるし。意地張ってても、匂いにつられて出てくるって。あ、悠一、洗濯物やっといてよ。また適当にたたんだらやり直しさせるからな」


 俺の恋人は日に日に料理スキルがアップしている。本当は俺だけ食べたい、独り占めしたいんだが。シオンは友達づくりのための餌付けが大好きだ。


 新しく見つけた友達に、ほぼ毎回会うたびに手料理を手土産にするなんて。俺の気にもなってほしい。しかも今回は、直也が家族に加わった。あぁ、嘆き。


 洗濯物、たたむのは苦手なんだよなぁ。俺は何でも力任せにするし、ライガーだからその力も並外れているんだし。たたみ方がきたないならまだしも、たまに破いてしまう。



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

男の娘と暮らす

守 秀斗
BL
ある日、会社から帰ると男の娘がアパートの前に寝てた。そして、そのまま、一緒に暮らすことになってしまう。でも、俺はその趣味はないし、あっても関係ないんだよなあ。

  【完結】 男達の性宴

蔵屋
BL
  僕が通う高校の学校医望月先生に  今夜8時に来るよう、青山のホテルに  誘われた。  ホテルに来れば会場に案内すると  言われ、会場案内図を渡された。  高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を  早くも社会人扱いする両親。  僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、  東京へ飛ばして行った。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...