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光
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しおりを挟む俺は、シオンから受け取った俺の心を胸の奥に抱いて。目を開けた。ベッドの上に座っているらしい俺を抱きしめているシオンの背中が見えた。
ユルユルと両腕を上げて、その背中に触れる。ヌルッ。生温かいものに触れた。途端にズシッと、シオンが重くなった。思わず後ろに手を持って行って、倒れまいと支える。
「シ、オン……シオン……っ!?」
片腕でシオンの細い体を支え、腹筋に力を入れて起き上がれば。手を突いていたシーツに真っ赤な手形。その手の平もまた、真っ赤に濡れていた。
血!?シオンの血かっ!!?なっ、どうして!?俺、やっとシオンのおかげで心を取り戻せたのに。全ての感覚に「おかえり」を言う間もなく大混乱。
肩にかかるシオンの呼吸が荒く、苦しそう。瞬間、ドッゴォォォンッ!!と轟音が響いたのと部屋全体が激しく揺れたのが同時。
俺は見た。目の前で、赤いメスを手に口の端を釣り上げ笑っている千川原が、一瞬で壁に激突したのを。
まるでスローモーション。血の滴るメスを残して吹っ飛んだ千川原を蹴り飛ばしたのは、蹴り飛ばした足を下ろすと勢いで上がっていたパーカーのフードが首の後ろに落ち着いたのは。
俺が知らない男。だ、誰!?とりあえずわかるのは、ものすっごく怒っているということだな。
見えるんだよ。体全体が怒りの炎をまとっているのが。黒い瞳も黒い炎が燃え盛っていて、ブチキレ状態の彼は千川原を睨んでいる。
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