ユキ・シオン

那月

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奪う

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 下り坂が多くて楽だ。運転にも慣れてさらにスピードを上げてこいでいると、笑也が声をかけてきた。


「そういえば真藤さんって同じ苗字だけどさ、一緒に住んでるってことはあの2人は身内?」


「えっ?あっ…………あ、あぁ、うん。まぁ、身内っちゃあ身内、だな。たぶん、会えばわかる。そんで、あんたが知ってる市長のイメージ、ガラガラ崩れると思うから覚悟しとけよ」


「えっ、なにそれ。怖いような、楽しみなような……」


 その話か。うん、そうそう身内。緋桜さんと香さんは家族だな。笑也の大好物のやつ。なんて今言ったらテンションがバカになりそうだから、もれなく事故だから言わねぇよ。


 けど、何となく悟ったな。なぁーんか、ニヤニヤしてんのを背中で感じるぜ。はぁ、先が思いやられる。


 気を紛らわせるために、ちょっとだけ研究所と病院の話をしてみた。俺達だって擬人化種のことをまだよくわかっていなくて、必死に調べているんだって。普通の病院には行けないんだって。


 あぁ、ドクトルのことはもちろん、伏せた。あんな、性的変態が擬人化したようなやつの話なんかしたら、笑也の目の色が変わるだろ。


 笑也は、俺の話を静かに聞いてくれた。途中で口を挟んでくることもなく真剣で、話が終わってから「人間が支配するこの世界で、人間とも動物ともつかない生命が懸命に生きているなんてな」って。


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