上 下
11 / 12

第十一話

しおりを挟む
 ベッドの上でうつ伏せになった俺の腰を、両手で優しく掴まれる。丹念にほぐされ、快感を覚えさせられてヒクヒクと疼く後孔にメイナードのモノの先端があてがわれた。

「……挿れるよ、シェリル」

 囁き声が吐息と共に耳朶に吹きかけられて、ゾクゾクする。

「――ッ、ぁ、あぅ、んッ……」

 ゆっくり、ゆっくりと入ってくるその指とは比べものにならないほどの質量に、俺はぶるりと背筋を震わせた。

(あ、は、入ってくる、メイナードの……ッ!!)

 繋がっていく。Ωの身体が、αのそれを受け入れようとしゃぶりつくように吸い付き、敏感な内壁が濡れていく。二人の身体が一つになっていくような感覚に幸福感を感じ、俺は恍惚とした。

 やがて、少しずつ奥へ、奥へと挿しこみを深くしながら抜き挿しを始められて、先ほど指で可愛がられ敏感になっている前立腺を太く熱い肉棒でゴリゴリとえぐられて、その腰全体に響くような強い快感の波に翻弄される。

「~~ッ!! あ、ぁう、ん、ん、んぇッ!! はぁ……ぁ、きも、ち……!! ぁ、そこ、んぁあッ!! ……だめぇッ」

「シェリル、好きだ……愛してる、シェリルッ……!!」

 ズンズンと奥を突かれながら、強く抱きしめられ囁かれて、何も考えられなくなる。だんだん激しくなるピストンで身体を揺すられるたびに、射精しすぎてふにゃふにゃになった前のモノがシーツに擦れて、いっそ辛いほどの快感をもよおす。

 メイナードが俺の耳元から離れ、うなじへと顔を埋めてきたとき、俺は本能的に歓喜に身を震わせた。

「ぁ、ぁっ……」

「僕の一生をかけて幸せにするよ、シェリル……」

 うなじの肌に、ぐっと歯を立てられる。痛いはずなのに、だんだんと噛む力を強められるほどに脳内を快楽物質が駆け巡り、意識がとろけていく。

 噛まれた場所から全身に広がっていく、“俺はメイナードのものなのだ”と細胞一つ一つに書き込まれていくようなその感覚。

「あ、あぁ、ぁッ……!!」

 ――次の瞬間、俺は激しく身を痙攣させてメスイキしていた。シーツで擦りすぎた前から潮を吹きながら、射精の伴わないその絶頂にガクガクと痙攣する。

「ッ、ンぅ、ぁ、アッ、んンーーーーッ!!!!」

 絶頂中できゅうきゅうと締まる中をメイナードの屹立で突かれ、甘イキが止まらない。

「あぁぁあッ、め、めいなーど、き、きしゅしたい……ッきす、ちゅうして、ぁッ!!」

 強烈すぎる快感が怖くなって、メイナードに口づけをねだれば、俺は繋がったままぐるりと仰向けにされ、唇を奪われた。

 ゆさゆさと揺さぶられ、ピストンされながら口づけに溺れる。両手を恋人繋ぎでシーツの上に縫い付けられて、堪らない。

(こ、こんな、らぶらぶなえっちしちゃったら、もうっ……)

 もう、戻れない。メイナードと共にある未来のことしか、考えられなくなる。

「んぅ、ん、ぁッ……め、めいな、どっ、すきッ」

「シェリルッ……僕も……」

 好き、好きと息継ぎのたびに言い合いながら、深い口づけを交わす。もはや、互いの身体の境界など分からなくなる位溶け合った結合部で、熱がはじけた。

 熱い子種を注がれて、多幸感に全身がとろける。メイナードの子を産みたい、今世こそ愛する人と、彼と幸せになりたい……そんな願いで胸を一杯にしながら、俺は彼の腕の中でゆっくりと眠りに落ちていったーー。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

成り行き番の溺愛生活

アオ
BL
タイトルそのままです 成り行きで番になってしまったら溺愛生活が待っていたというありきたりな話です 始めて投稿するので変なところが多々あると思いますがそこは勘弁してください オメガバースで独自の設定があるかもです 27歳×16歳のカップルです この小説の世界では法律上大丈夫です  オメガバの世界だからね それでもよければ読んでくださるとうれしいです

【完結】お嬢様の身代わりで冷酷公爵閣下とのお見合いに参加した僕だけど、公爵閣下は僕を離しません

八神紫音
BL
 やりたい放題のわがままお嬢様。そんなお嬢様の付き人……いや、下僕をしている僕は、毎日お嬢様に虐げられる日々。  そんなお嬢様のために、旦那様は王族である公爵閣下との縁談を持ってくるが、それは初めから叶わない縁談。それに気付いたプライドの高いお嬢様は、振られるくらいなら、と僕に女装をしてお嬢様の代わりを果たすよう命令を下す。

王と正妃~アルファの夫に恋がしてみたいと言われたので、初恋をやり直してみることにした~

仁茂田もに
BL
「恋がしてみたいんだが」 アルファの夫から突然そう告げられたオメガのアレクシスはただひたすら困惑していた。 政略結婚して三十年近く――夫夫として関係を持って二十年以上が経つ。 その間、自分たちは国王と正妃として正しく義務を果たしてきた。 しかし、そこに必要以上の感情は含まれなかったはずだ。 何も期待せず、ただ妃としての役割を全うしようと思っていたアレクシスだったが、国王エドワードはその発言以来急激に距離を詰めてきて――。 一度、決定的にすれ違ってしまったふたりが二十年以上経って初恋をやり直そうとする話です。 昔若気の至りでやらかした王様×王様の昔のやらかしを別に怒ってない正妃(男)

【完結】出会いは悪夢、甘い蜜

琉海
BL
憧れを追って入学した学園にいたのは運命の番だった。 アルファがオメガをガブガブしてます。

「俺の子を孕め。」とアルファ令息に強制的に妊娠させられ、番にならされました。

天災
BL
 「俺の子を孕め」  そう言われて、ご主人様のダニエル・ラーン(α)は執事の僕、アンドレ・ブール(Ω)を強制的に妊娠させ、二人は番となる。

conceive love

ゆきまる。
BL
運命の番を失い、政略結婚で結ばれた二人。 不満なんて一つもないしお互いに愛し合っている。 けど……………。 ※オメガバース設定作品となります。

そばかす糸目はのんびりしたい

楢山幕府
BL
由緒ある名家の末っ子として生まれたユージン。 母親が後妻で、眉目秀麗な直系の遺伝を受け継がなかったことから、一族からは空気として扱われていた。 ただ一人、溺愛してくる老いた父親を除いて。 ユージンは、のんびりするのが好きだった。 いつでも、のんびりしたいと思っている。 でも何故か忙しい。 ひとたび出張へ出れば、冒険者に囲まれる始末。 いつになったら、のんびりできるのか。もう開き直って、のんびりしていいのか。 果たして、そばかす糸目はのんびりできるのか。 懐かれ体質が好きな方向けです。今のところ主人公は、のんびり重視の恋愛未満です。 全17話、約6万文字。

恋のキューピットは歪な愛に招かれる

春於
BL
〈あらすじ〉 ベータの美坂秀斗は、アルファである両親と親友が運命の番に出会った瞬間を目の当たりにしたことで心に深い傷を負った。 それも親友の相手は自分を慕ってくれていた後輩だったこともあり、それからは二人から逃げ、自分の心の傷から目を逸らすように生きてきた。 そして三十路になった今、このまま誰とも恋をせずに死ぬのだろうと思っていたところにかつての親友と遭遇してしまう。 〈キャラクター設定〉 美坂(松雪) 秀斗 ・ベータ ・30歳 ・会社員(総合商社勤務) ・物静かで穏やか ・仲良くなるまで時間がかかるが、心を許すと依存気味になる ・自分に自信がなく、消極的 ・アルファ×アルファの政略結婚をした両親の元に生まれた一人っ子 ・両親が目の前で運命の番を見つけ、自分を捨てたことがトラウマになっている 養父と正式に養子縁組を結ぶまでは松雪姓だった ・行方をくらますために一時期留学していたのもあり、語学が堪能 二見 蒼 ・アルファ ・30歳 ・御曹司(二見不動産) ・明るくて面倒見が良い ・一途 ・独占欲が強い ・中学3年生のときに不登校気味で1人でいる秀斗を気遣って接しているうちに好きになっていく ・元々家業を継ぐために学んでいたために優秀だったが、秀斗を迎え入れるために誰からも文句を言われぬように会社を繁栄させようと邁進してる ・日向のことは家族としての好意を持っており、光希のこともちゃんと愛している ・運命の番(日向)に出会ったときは本能によって心が惹かれるのを感じたが、秀斗の姿がないのに気づくと同時に日向に向けていた熱はすぐさま消え去った 二見(筒井) 日向 ・オメガ ・28歳 ・フリーランスのSE(今は育児休業中) ・人懐っこくて甘え上手 ・猪突猛進なところがある ・感情豊かで少し気分の浮き沈みが激しい ・高校一年生のときに困っている自分に声をかけてくれた秀斗に一目惚れし、絶対に秀斗と結婚すると決めていた ・秀斗を迎え入れるために早めに子どもをつくろうと蒼と相談していたため、会社には勤めずにフリーランスとして仕事をしている ・蒼のことは家族としての好意を持っており、光希のこともちゃんと愛している ・運命の番(蒼)に出会ったときは本能によって心が惹かれるのを感じたが、秀斗の姿がないのに気づいた瞬間に絶望をして一時期病んでた ※他サイトにも掲載しています  ビーボーイ創作BL大賞3に応募していた作品です

処理中です...