【完結】私が奏でる不協和音

かずきりり

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「えー何~!?」
「何って……片桐さんの表情を見てたら分かるでしょ」
「えっ!?」

 まさかの言葉に、私が驚きの声をあげてしまう。
 私の表情って……そんな何かが顔に出ていたのかと、思わず顔をペタペタと触ってしまう。

「ぷっ」
「……っ」
「あはははは! 片桐さん面白い!」

 そんな私を見て、羽柴さんは吹き出し、つられそうになった紺野さんは耐えたけれど、東さんはお腹をかかえて笑い出した。
 ……恥ずかしい。
 そのまま顔を覆って俯いたのだけれど、いきなり手をひかれた。

「早く行かないと体育間に合わないよ!」
「美紀……だからあんたは人との距離感を考えなよ……絶対片桐さん困ってる」
「えー!?」

 パーソナルスペースとは……。
 いきなり触れられた手に、私は明里さんと出会った時の事を思い出した。温かい人の温もり。
 今や普通に友達として明里さんとはメッセージのやり取りをして、会ったりしている。
 ……カースト上位の三人組に友達とは烏滸がましいと思うのだけれど……一人で移動するより嬉しさが勝る。
 そして紺野さんの言葉。私の事なんか興味なさそうなのに、道端の石ころと同じだと思われていても可笑しくないと思っていたけれど、きちんと見て察してくれているのか。
 言葉に出さなくとも。

「無理しない方が良いよ」

 そっと気遣ってくれる羽柴さん。
 勝手に距離を取っていたのが、申し訳なく思えてくる。

「私も見学したいー!」
「美紀、それはサボリと言う」
「片桐さんは体調不良! ね?」
「あ……うん……。……疲労困憊を体調不良と言うなら……かな」

 更衣室まで歩きならが会話する。学校で人とこうやって会話をしたのも、どれくらいぶりだろう。

「朝の全力疾走で体力使いきったから、出たとしても動ける自信が皆無……」

 ポツリと愚痴のように吐き出せば、キョトンとした顔の三人がこちらを見ていた。
 何か変な事言ったかな!?
 思わず焦って、何か取り繕うべき言葉を探すけれど、失態しただろう言葉が分からなくて何も思い浮かばない。
 一人慌てていると、皆はまた笑い出した。

「全力疾走って! それで遅刻ギリギリとか、イメージ違う~」
「勝手なイメージで判断しないの。まぁ、親近感は湧くよね」
「だから動きがぎこちなかったのかぁ」

 根付いた優等生イメージなのか。
 それで遠巻きにされていたとしても悲しい。……まぁ私も種族が違う位に思っていたけれど。
 話ながら歩いていれば、色んな人が振り向いてこちらに視線を寄越してくる。
 ……周囲も、私がこの中に混じっているのが珍しいと思って見ているのだろう。
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