13 / 57
13
しおりを挟む
新たな決意を胸に、色んなPさんのSNSをフォローしていく。動画配信サイトもチェックだ。
「そうだ! 一緒に配信する?」
「え……いいの?」
「良いの良いの! どうせ毎日配信してるんだし、新しいネタ投入出来るしね!」
そう言って明里さんはパソコンの設定を始めた。
「……何をしているの?」
「……あっ」
何かに気が付いたように明里さんは頭を抱えて、ゆっくりと私の方へと視線を向けた。
「……智ちゃん、歌配信出来ないわ……」
「え!?」
「いやでも待てよ……アプリを使えば……それかカラオケ……」
明里さんは何やらブツブツ言っているけれど、歌配信が出来ないとしたら……何を配信するべきなのだろう? そういえば配信とか見た事もない。
ずっと勉強づくしだった私に、そんな知識もない。
「よし! カラオケとかアプリとかあるし、とりあえず今は一緒に配信しよう!」
一人で考えを完結した明里さんは私の事などそっちのけで、パソコンの準備をしていく。
……パソコン。
配信をするのにも必要なのだろうか。
マイクの準備もして、画像も準備をして……あと曲も準備をしている。
これで素人だなんて私から見たら到底思えない。最早プロのレベルだろう。
……それとも、私がそれだけ世間から置いていかれているのかもしれない。
――勉強が何だと言うのだろう……。
教科書に書かれている事以外にも沢山の事柄があるのに。
「智ちゃん! 配信したらSNSにあげちゃって~! 顔出しはしたくないだろうから、今回はこの画像を皆に見てもらっておくね!」
そこにはあるのは、明里さんに似ている可愛い女の子が描かれたイラスト。
明里さんのキャラクターなのだろう、グッズもこのイラストばかりだった事を思い出す。
イラスト……そういえばMVも自分で用意している人も居たな……。自分で作る? それとも作ってもらう?
歌をあげるだけでも色々と用意するものがあるんだなと、楽しみがある反面、お金の心配も出てきてしまう。
「ほらいくよ! マイクはここ! 今から私は明音で、智ちゃんはライだからね!」
色んな事が頭を駆け巡っていれば、準備を終えた明里さんが明るく声をかけてきた。
……今は……初めての配信を楽しもう。
配信とはどういったものなのか、学ぼう。考えるのは後だ。
SNSに投稿し、ライブボタンを押してスタートさせる。
「こんばんわ~! 今日はゲストに来てもらってます! ライで~す!」
「こ……こんばんわ……っ」
画面を見ながら二人だけで話すのに変な感じがする。
「そうだ! 一緒に配信する?」
「え……いいの?」
「良いの良いの! どうせ毎日配信してるんだし、新しいネタ投入出来るしね!」
そう言って明里さんはパソコンの設定を始めた。
「……何をしているの?」
「……あっ」
何かに気が付いたように明里さんは頭を抱えて、ゆっくりと私の方へと視線を向けた。
「……智ちゃん、歌配信出来ないわ……」
「え!?」
「いやでも待てよ……アプリを使えば……それかカラオケ……」
明里さんは何やらブツブツ言っているけれど、歌配信が出来ないとしたら……何を配信するべきなのだろう? そういえば配信とか見た事もない。
ずっと勉強づくしだった私に、そんな知識もない。
「よし! カラオケとかアプリとかあるし、とりあえず今は一緒に配信しよう!」
一人で考えを完結した明里さんは私の事などそっちのけで、パソコンの準備をしていく。
……パソコン。
配信をするのにも必要なのだろうか。
マイクの準備もして、画像も準備をして……あと曲も準備をしている。
これで素人だなんて私から見たら到底思えない。最早プロのレベルだろう。
……それとも、私がそれだけ世間から置いていかれているのかもしれない。
――勉強が何だと言うのだろう……。
教科書に書かれている事以外にも沢山の事柄があるのに。
「智ちゃん! 配信したらSNSにあげちゃって~! 顔出しはしたくないだろうから、今回はこの画像を皆に見てもらっておくね!」
そこにはあるのは、明里さんに似ている可愛い女の子が描かれたイラスト。
明里さんのキャラクターなのだろう、グッズもこのイラストばかりだった事を思い出す。
イラスト……そういえばMVも自分で用意している人も居たな……。自分で作る? それとも作ってもらう?
歌をあげるだけでも色々と用意するものがあるんだなと、楽しみがある反面、お金の心配も出てきてしまう。
「ほらいくよ! マイクはここ! 今から私は明音で、智ちゃんはライだからね!」
色んな事が頭を駆け巡っていれば、準備を終えた明里さんが明るく声をかけてきた。
……今は……初めての配信を楽しもう。
配信とはどういったものなのか、学ぼう。考えるのは後だ。
SNSに投稿し、ライブボタンを押してスタートさせる。
「こんばんわ~! 今日はゲストに来てもらってます! ライで~す!」
「こ……こんばんわ……っ」
画面を見ながら二人だけで話すのに変な感じがする。
15
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
ある辺境伯の後悔
だましだまし
恋愛
妻セディナを愛する辺境伯ルブラン・レイナーラ。
父親似だが目元が妻によく似た長女と
目元は自分譲りだが母親似の長男。
愛する妻と妻の容姿を受け継いだ可愛い子供たちに囲まれ彼は誰よりも幸せだと思っていた。
愛しい妻が次女を産んで亡くなるまでは…。
番を辞めますさようなら
京佳
恋愛
番である婚約者に冷遇され続けた私は彼の裏切りを目撃した。心が壊れた私は彼の番で居続ける事を放棄した。私ではなく別の人と幸せになって下さい。さようなら…
愛されなかった番
すれ違いエンド
ざまぁ
ゆるゆる設定
【完結】いてもいなくてもいい妻のようですので 妻の座を返上いたします!
ユユ
恋愛
夫とは卒業と同時に婚姻、
1年以内に妊娠そして出産。
跡継ぎを産んで女主人以上の
役割を果たしていたし、
円満だと思っていた。
夫の本音を聞くまでは。
そして息子が他人に思えた。
いてもいなくてもいい存在?萎んだ花?
分かりました。どうぞ若い妻をお迎えください。
* 作り話です
* 完結保証付き
* 暇つぶしにどうぞ
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
【完結】記憶を失くした旦那さま
山葵
恋愛
副騎士団長として働く旦那さまが部下を庇い頭を打ってしまう。
目が覚めた時には、私との結婚生活も全て忘れていた。
彼は愛しているのはリターナだと言った。
そんな時、離縁したリターナさんが戻って来たと知らせが来る…。
【完結】捨ててください
仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
ずっと貴方の側にいた。
でも、あの人と再会してから貴方は私ではなく、あの人を見つめるようになった。
分かっている。
貴方は私の事を愛していない。
私は貴方の側にいるだけで良かったのに。
貴方が、あの人の側へ行きたいと悩んでいる事が私に伝わってくる。
もういいの。
ありがとう貴方。
もう私の事は、、、
捨ててください。
続編投稿しました。
初回完結6月25日
第2回目完結7月18日
【完結】生贄になった婚約者と間に合わなかった王子
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
フィーは第二王子レイフの婚約者である。
しかし、仲が良かったのも今は昔。
レイフはフィーとのお茶会をすっぽかすようになり、夜会にエスコートしてくれたのはデビューの時だけだった。
いつしか、レイフはフィーに嫌われていると噂がながれるようになった。
それでも、フィーは信じていた。
レイフは魔法の研究に熱心なだけだと。
しかし、ある夜会で研究室の同僚をエスコートしている姿を見てこころが折れてしまう。
そして、フィーは国守樹の乙女になることを決意する。
国守樹の乙女、それは樹に喰らわれる生贄だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる