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第86話 理詰め攻略作戦、トップス版
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「なっ!?〝泡滑浄化術〟やて!?」
今回の高難易度ダンジョンを攻略するためにも、仲間達の協力は必須。
だからこそ俺はそのカギとなる魔法の名を挙げた。
その名も空間清浄化魔法バブリッシャー。
俺やコンが軒下でよく使う魔法だ。
どうやらおあつらえ向きに、ダンジョンにもしっかり実装されているらしい。
「それってあの環境改善魔法の事か?」
「たしかフィールド内の全効果を打ち消す魔法だったよな」
「でもあれ、味方の強化も消しちゃうからゴミ魔法って扱いよね……」
「おまけにマナもそこそこ使うし、でもレジストされると敵の強化だけ残ったりするから使えねー」
なるほど、ダンジョンではそういう認識なのか。
通りで使っている人を見た事がない訳だよ。
おそらくごり押しが一般的な今では不要と判断されたんだろうな。
けど実はこの魔法はとても便利だ。
その性質を使いこなせばどんな魔法よりも使い勝手がいいのだから。
「でもなんでバブリッシャーなんだ? もしかして水フィールドを打ち消そうとか言わないよな?」
「それだと無駄ね。フィールド効果は永続的だから、一瞬だけ消してもすぐ戻っちゃうし」
「いや、その一瞬だけで充分なんだよ」
「「「えっ……?」」」
「それにみんな知らないと思うけど、バブリッシャーの効果には結構便利な要素が隠されているんだ。それをこれからみんなに教える。そしてその有効利用方法も」
おそらく、今回の戦いの要はこの魔法にある。
バブリッシャーを多用する事で強敵との戦いを円滑に進める事ができるだろう。
だからこそ、俺はその魔法の本質を全員に教えた。
その有効性、正しい使い方や有用性の高さなどをすべて。
たしかに一般認識ではゴミ魔法かもしれない。
しかしそこは日本トップクラス集団だからこそ、本質を理解するのは早かった。
おかげで一時間後、俺達は自信をもってダンジョンの前に立つ事ができたんだ。
「間宮君、みんな、どうかがんばって! 助けにはなれないけど応援している!」
「ありがとうすえつぐ。他のみなさんも。どうか成功する事を祈っていて欲しい」
不安が無い訳じゃない。
もしかしたらまだ失敗するかもしれない。
だけどずっと悩んでいたって仕方がないから、実践する事で切り拓く。
示すんだ! 俺達が!
だからこそ俺達、宝春学園ダンジョン部が先頭を切って進む。
装備を確保し、確実に準備を整えて。
焦る必要は無い、時間はたっぷりあるのだから。
「バブリッシャー習得者は手を上げてくれ! ――よし八人か。上等だ」
「あたしが先陣を切るよ! みんな、あたしの真似をして続いてね!」
「「「了解!」」」
それに見本はすでにいる。
つくしがもうバブリッシャーの有用性を軒下魔宮で把握しているからな。
ゆえにもう心配はいらない。
ダンジョン部のみんなが俺の教えた事を一番理解してくれている。
彼女達が呼び水になれば、それだけで戦いを思う通りに動かせるはずだ。
そう信じ、仲間達と共に第一の部屋へと乗り込む。
サハギンと速度遅延フィールドが待つ最初の難関へと。
そして到達したと同時に俺は構えるのだ。
左腕を、二指を立てつつ正面――迫りくる敵へと向けて。
「セットォ! シュートォッ!」
「はあああ! バブリッシャーーー!」
さぁ盛大に狼煙をあげようか!
高難易度ダンジョンをパーフェクト攻略する徹底戦略開始のな!
今回の高難易度ダンジョンを攻略するためにも、仲間達の協力は必須。
だからこそ俺はそのカギとなる魔法の名を挙げた。
その名も空間清浄化魔法バブリッシャー。
俺やコンが軒下でよく使う魔法だ。
どうやらおあつらえ向きに、ダンジョンにもしっかり実装されているらしい。
「それってあの環境改善魔法の事か?」
「たしかフィールド内の全効果を打ち消す魔法だったよな」
「でもあれ、味方の強化も消しちゃうからゴミ魔法って扱いよね……」
「おまけにマナもそこそこ使うし、でもレジストされると敵の強化だけ残ったりするから使えねー」
なるほど、ダンジョンではそういう認識なのか。
通りで使っている人を見た事がない訳だよ。
おそらくごり押しが一般的な今では不要と判断されたんだろうな。
けど実はこの魔法はとても便利だ。
その性質を使いこなせばどんな魔法よりも使い勝手がいいのだから。
「でもなんでバブリッシャーなんだ? もしかして水フィールドを打ち消そうとか言わないよな?」
「それだと無駄ね。フィールド効果は永続的だから、一瞬だけ消してもすぐ戻っちゃうし」
「いや、その一瞬だけで充分なんだよ」
「「「えっ……?」」」
「それにみんな知らないと思うけど、バブリッシャーの効果には結構便利な要素が隠されているんだ。それをこれからみんなに教える。そしてその有効利用方法も」
おそらく、今回の戦いの要はこの魔法にある。
バブリッシャーを多用する事で強敵との戦いを円滑に進める事ができるだろう。
だからこそ、俺はその魔法の本質を全員に教えた。
その有効性、正しい使い方や有用性の高さなどをすべて。
たしかに一般認識ではゴミ魔法かもしれない。
しかしそこは日本トップクラス集団だからこそ、本質を理解するのは早かった。
おかげで一時間後、俺達は自信をもってダンジョンの前に立つ事ができたんだ。
「間宮君、みんな、どうかがんばって! 助けにはなれないけど応援している!」
「ありがとうすえつぐ。他のみなさんも。どうか成功する事を祈っていて欲しい」
不安が無い訳じゃない。
もしかしたらまだ失敗するかもしれない。
だけどずっと悩んでいたって仕方がないから、実践する事で切り拓く。
示すんだ! 俺達が!
だからこそ俺達、宝春学園ダンジョン部が先頭を切って進む。
装備を確保し、確実に準備を整えて。
焦る必要は無い、時間はたっぷりあるのだから。
「バブリッシャー習得者は手を上げてくれ! ――よし八人か。上等だ」
「あたしが先陣を切るよ! みんな、あたしの真似をして続いてね!」
「「「了解!」」」
それに見本はすでにいる。
つくしがもうバブリッシャーの有用性を軒下魔宮で把握しているからな。
ゆえにもう心配はいらない。
ダンジョン部のみんなが俺の教えた事を一番理解してくれている。
彼女達が呼び水になれば、それだけで戦いを思う通りに動かせるはずだ。
そう信じ、仲間達と共に第一の部屋へと乗り込む。
サハギンと速度遅延フィールドが待つ最初の難関へと。
そして到達したと同時に俺は構えるのだ。
左腕を、二指を立てつつ正面――迫りくる敵へと向けて。
「セットォ! シュートォッ!」
「はあああ! バブリッシャーーー!」
さぁ盛大に狼煙をあげようか!
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