16 / 126
第16話 いきなり大人気になりました
しおりを挟む
「彼方ーおっはよー!」
「えっ、つくし!?」
ダンジョン攻略から翌日。
バスから降りたら唐突につくしの襲撃を受けた。
なんで俺の通学路を知っているんだ!?
どうやら俺を待ちかまえていたらしく、しかもいきなり抱き着いてきたとか!?
う、嬉しいけど、すごい恥ずかしい!
あと胸! 胸が当たってる!? うわあああ!?
「ガッコ、いこっ!」
「あ、う、うん!」
しかも今度は手を繋いで引っ張ってくれた。
柔らかいし、温かい。あとすごい甘い香りがする。
なんだこの幸せ……!
ただ、世間はそんな幸せを噛み締める間を与えてはくれないらしい。
「あ、来たぞ彼だ!」
「ちょっと君、少し話を聞かせてください!」
なんか校門にマイクやカメラを持った人達が集まっている!?
それも俺を見つけるや否やこぞってやってきたとか!?
なんなんだこれぇ!?
「とぉーう! マスコミ回避の術ぅ~~~!」
「あ、ちょ!?」
「何だこの子!? 動きはやっ!?」
だがつくしの方が一枚上手だった。
俺を引っ張ったまま合間をすり抜けるようにして、一瞬で通り抜けてしまったのだ。
つくしもなんなの!? 手馴れてるの!?
朝から騒動が過ぎる。
もう理解も体力も追い付かないぞこれ……!
つくしのスタミナってどうなってるんだ?
「ふぃー! やっと教室着いたーっ!」
「「「お、間宮が来たぞー!」」」
「「「来たな有名人!」」」
「えっ……!?」
さらに今度は、教室に着くなり熱烈な視線を浴びる事になった。
それどころかいきなりクラスのみんなが俺の下に駆け寄ってきたぁ!?
「すげえよお前!」
「ビーストテイマーってなんなん!?」
「私感動しちゃった!」
「すっごい強かった!」
「カッコイイーっ!」
「え、え!?」
ふと背後を見れば他のクラスからも人が来ている。
なんだかもうわちゃわちゃしててよくわからない状況だ。
もう何、一体これ、どういう状況なの!?
「はいはーい! 彼方へのアポはあたしを通してもらおうかぁ!」
「「「お前はアイドルのマネージャーか!」」」
「おおむね間違い無い! なぜなら、あたしが彼方の才能を見出したのだからっ!」
つくしもつくしでパッツンパッツンな大胸を張ってなんか自慢げだし。
男子の視線がもう一気に彼女(の胸)へと引き寄せられている。
なんだかとっても悔しいぞ。
「何騒ぎにしてるんだお前らー。間宮が有名になったからって詰め寄ったらいかんだろう」
「あ、やべ! 席に戻るぞ!」
でもここで担任の先生が来てくれた。助かった!
このまま騒ぎの中で潰されてしまいそうだったし。
――それにしても。
ダンジョン攻略って本当にみんな知っているんだな。
まさか昨日今日の話でこんな騒ぎになるほどとは。
生徒だけでなく先生まで俺の事を認知しているみたいだし、ちょっと派手に暴れすぎたのかもしれない。
「間宮君、昨日はすごかったね。僕、感動しちゃったよ」
「え、あ、えーっと……」
「ひどいなぁ名前忘れちゃった? 緒方だよ、緒方ヒロ」
「ご、ごめん……」
席に着いたら今度は前の席のメガネ男子――緒方君が話し掛けてきた。
そういえば入学式の後にも話し掛けてくれたっけ。
あの時は話題が続かなくてすぐ会話が終わってしまったけど。
やはり彼もダンジョン攻略の動画を見ていたようだ。
こうなると俺も気になってくるんだが?
「動画編集やってみたんだけど、その確認作業だけでもうワクワクが止まらなかったよ。あんなヒーローが後ろにいるなんてなんか嬉しいな。これからもよろしくね」
「うん。よろしく、緒方君」
ともあれみんな好意的に俺に絡んでくれるようになった。
これだけでもダンジョンに行った甲斐があったってものだ。
下手な部活に入らず、つくしに誘われて行って本当に良かったと思う。
「えっ、つくし!?」
ダンジョン攻略から翌日。
バスから降りたら唐突につくしの襲撃を受けた。
なんで俺の通学路を知っているんだ!?
どうやら俺を待ちかまえていたらしく、しかもいきなり抱き着いてきたとか!?
う、嬉しいけど、すごい恥ずかしい!
あと胸! 胸が当たってる!? うわあああ!?
「ガッコ、いこっ!」
「あ、う、うん!」
しかも今度は手を繋いで引っ張ってくれた。
柔らかいし、温かい。あとすごい甘い香りがする。
なんだこの幸せ……!
ただ、世間はそんな幸せを噛み締める間を与えてはくれないらしい。
「あ、来たぞ彼だ!」
「ちょっと君、少し話を聞かせてください!」
なんか校門にマイクやカメラを持った人達が集まっている!?
それも俺を見つけるや否やこぞってやってきたとか!?
なんなんだこれぇ!?
「とぉーう! マスコミ回避の術ぅ~~~!」
「あ、ちょ!?」
「何だこの子!? 動きはやっ!?」
だがつくしの方が一枚上手だった。
俺を引っ張ったまま合間をすり抜けるようにして、一瞬で通り抜けてしまったのだ。
つくしもなんなの!? 手馴れてるの!?
朝から騒動が過ぎる。
もう理解も体力も追い付かないぞこれ……!
つくしのスタミナってどうなってるんだ?
「ふぃー! やっと教室着いたーっ!」
「「「お、間宮が来たぞー!」」」
「「「来たな有名人!」」」
「えっ……!?」
さらに今度は、教室に着くなり熱烈な視線を浴びる事になった。
それどころかいきなりクラスのみんなが俺の下に駆け寄ってきたぁ!?
「すげえよお前!」
「ビーストテイマーってなんなん!?」
「私感動しちゃった!」
「すっごい強かった!」
「カッコイイーっ!」
「え、え!?」
ふと背後を見れば他のクラスからも人が来ている。
なんだかもうわちゃわちゃしててよくわからない状況だ。
もう何、一体これ、どういう状況なの!?
「はいはーい! 彼方へのアポはあたしを通してもらおうかぁ!」
「「「お前はアイドルのマネージャーか!」」」
「おおむね間違い無い! なぜなら、あたしが彼方の才能を見出したのだからっ!」
つくしもつくしでパッツンパッツンな大胸を張ってなんか自慢げだし。
男子の視線がもう一気に彼女(の胸)へと引き寄せられている。
なんだかとっても悔しいぞ。
「何騒ぎにしてるんだお前らー。間宮が有名になったからって詰め寄ったらいかんだろう」
「あ、やべ! 席に戻るぞ!」
でもここで担任の先生が来てくれた。助かった!
このまま騒ぎの中で潰されてしまいそうだったし。
――それにしても。
ダンジョン攻略って本当にみんな知っているんだな。
まさか昨日今日の話でこんな騒ぎになるほどとは。
生徒だけでなく先生まで俺の事を認知しているみたいだし、ちょっと派手に暴れすぎたのかもしれない。
「間宮君、昨日はすごかったね。僕、感動しちゃったよ」
「え、あ、えーっと……」
「ひどいなぁ名前忘れちゃった? 緒方だよ、緒方ヒロ」
「ご、ごめん……」
席に着いたら今度は前の席のメガネ男子――緒方君が話し掛けてきた。
そういえば入学式の後にも話し掛けてくれたっけ。
あの時は話題が続かなくてすぐ会話が終わってしまったけど。
やはり彼もダンジョン攻略の動画を見ていたようだ。
こうなると俺も気になってくるんだが?
「動画編集やってみたんだけど、その確認作業だけでもうワクワクが止まらなかったよ。あんなヒーローが後ろにいるなんてなんか嬉しいな。これからもよろしくね」
「うん。よろしく、緒方君」
ともあれみんな好意的に俺に絡んでくれるようになった。
これだけでもダンジョンに行った甲斐があったってものだ。
下手な部活に入らず、つくしに誘われて行って本当に良かったと思う。
0
お気に入りに追加
456
あなたにおすすめの小説
城で侍女をしているマリアンネと申します。お給金の良いお仕事ありませんか?
甘寧
ファンタジー
「武闘家貴族」「脳筋貴族」と呼ばれていた元子爵令嬢のマリアンネ。
友人に騙され多額の借金を作った脳筋父のせいで、屋敷、領土を差し押さえられ事実上の没落となり、その借金を返済する為、城で侍女の仕事をしつつ得意な武力を活かし副業で「便利屋」を掛け持ちしながら借金返済の為、奮闘する毎日。
マリアンネに執着するオネエ王子やマリアンネを取り巻く人達と様々な試練を越えていく。借金返済の為に……
そんなある日、便利屋の上司ゴリさんからの指令で幽霊屋敷を調査する事になり……
武闘家令嬢と呼ばれいたマリアンネの、借金返済までを綴った物語
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
真☆中二病ハーレムブローカー、俺は異世界を駆け巡る
東導 号
ファンタジー
ラノベ作家志望の俺、トオル・ユウキ17歳。ある日、夢の中に謎の金髪の美少年神スパイラルが登場し、俺を強引に神の使徒とした。それどころか俺の顔が不細工で能力が低いと一方的に断言されて、昔のヒーローのように不完全な人体改造までされてしまったのだ。神の使徒となった俺に与えられた使命とは転生先の異世界において神スパイラルの信仰心を上げる事……しかし改造が中途半端な俺は、身体こそ丈夫だが飲み水を出したり、火を起こす生活魔法しか使えない。そんな無理ゲーの最中、俺はゴブリンに襲われている少女に出会う……これが竜神、悪魔、人間、エルフ……様々な種族の嫁を貰い、人間の国、古代魔法帝国の深き迷宮、謎めいた魔界、そして美男美女ばかりなエルフの国と異世界をまたにかけ、駆け巡る冒険の始まりであった。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
竜騎士の俺は勇者達によって無能者とされて王国から追放されました、俺にこんな事をしてきた勇者達はしっかりお返しをしてやります
しまうま弁当
ファンタジー
ホルキス王家に仕えていた竜騎士のジャンはある日大勇者クレシーと大賢者ラズバーによって追放を言い渡されたのだった。
納得できないジャンは必死に勇者クレシーに訴えたが、ジャンの意見は聞き入れられずにそのまま国外追放となってしまう。
ジャンは必ずクレシーとラズバーにこのお返しをすると誓ったのだった。
そしてジャンは国外にでるために国境の町カリーナに向かったのだが、国境の町カリーナが攻撃されてジャンも巻き込まれてしまったのだった。
竜騎士ジャンの無双活劇が今始まります。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。
かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる