【完結】可愛い義妹のためならば 〜超絶シスコン兄貴の異世界無双〜

こすもすさんど(元:ムメイザクラ)

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ギャレット家再び

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 馬車の中で大人しくしてること、数日。
 ベルク村やエニケイ村に着いても、最低限以外に外へ出してもらえない。
 相変わらず俺は手を縛られてるし、常に誰かの監視がついている。
 飯はまぁ上等なものじゃないが、残飯処理よりは遥かにマシくらいだ。
 それもそうだろう、何せ俺を殺さずに確保する必要があるからな。

「なぁ、この馬車はどこに向かっているんだ?」

 俺の見張りをしている人にさりげ無くそう話し掛けるが、

「守秘義務がある」

 と、口すら聞いてもらえない。

「今回の依頼は誰から受けたんだ?」

「守秘義務がある」

「やっぱり、ガルシア・ギャレットからか?」

「守秘義務がある」

「となると、俺を連れ戻しに来たってことが?」

「守秘義務がある」

「お堅いなー、どうせ目的地についたら別れるんだし、話し相手くらいにはなってくれよ」

「ターゲットとの会話は控えろとの指示を受けている」

「そう言うなって。別に抵抗するとか逃げるとかしないんだからさ」

「ターゲットとの会話は控えろとの指示を受けている」

「……そっか」

 取り付く島もない。
 まるで訓練されたテロリストだな。
 いや、実際テロリストみたいなもんだろうけど。
 話し相手にもなってくれないなんて、ストレス溜まる一方だわ。

 ……今すぐこいつら全員焼き払ってやろうか。

 なんて一瞬考えたが、さすがに多勢に無勢だしな。
 やれなくはないが、物凄く大変だし、何よりこいつらを始末したところで、禍根を絶つことにはならない。

 なら、ここは慌てずにのんびり過ごすとしよう。



 サダルスウドを経ってから六日目。
 そろそろギャレット家に着く頃だろう。
 正直、身体が鈍りすぎて節々が痛い。
 だがその分と言うべきか、考えるための時間は無駄にあったおかげで、ここからどうするかのシミュレートは大体出来た。

 まずはこのままギャレット家に連行されるのを待とう。

 ふと馬車が止まると、見張りの人が「降りろ」と言った。
 着いたようだな。

 両脇を固められながら馬車を降ろされると、久々に見たギャレット家が見える。
 ただ、俺が燃やしたおかげで修繕工事をしているような場所が見受けられる。
 まぁそれはいいとして、迎えが来たらしい。

 この邸宅の衛兵と、そしてガルシア・ギャレットだ。

「この男が、アルフレッド・ギャレットで間違いありませんね?」

 シグルドが黒衣から顔を見せて、父上――ガルシアに確認を取る。

「あぁ。間違いない。ご苦労だった」

 ガルシアは抑揚の無い声でシグルドに礼を言って、次に俺に向き直った。

「随分と長い家出だったな、アルフレッド」

 それなりの皮肉を込めてそう言った。
 しかしだなガルシア、ブラック企業のストレスマッハで鍛えられた俺の心胆をなめるなよ。

「何か勘違いされているようですが……俺はアルフレッドではなく、サダルスウドのアルフですよ」

「あくまで白を切るつもりか。我が息子ながら随分と図太く育ったものだ」

 そうして、ガルシアは衛兵に「連れて行け」と命令すると、衛兵達は俺を左右から取り押さえ、歩かせる。
 歩かされながらも、俺は後ろ目でガルシアとシグルドのやり取りを見やる。

「では、契約通り報酬を払わせてもらう」

「ありがとうございます」

 うむうむ、ちゃんと正しく履行されているようだな。
 これで、奴らが自発的にガルシアに味方することは無くなったということだ。

 ……そう、それでいい。
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