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41.ただいま、ゼイン。
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「おいおい…!ルカ、体調回復したと思ったらまたかよ!目の下の隈が酷いって!」
教室に着くと、ライトが心配そうに僕に駆け寄ってきた。
「あ、おはよ…。ふふ、ごめんね、また心配かけちゃった。」
「わぁ…一体どうしたの、ルカ…!」
エドもミラ駆け寄ってきて、みんなに心配される。これは言うしか無い…。
「あのね…お医者さんから、これ以上ゼインと離れると良くないって言われたの。
魔力妨害症は一度発症すると、またなりやすくなるからって。だから、王宮で暮らすことになったんだ…。」
「良かったじゃん!ルカ、殿下と暮らすの夢だったんだろ?」
「でも、家族とはあまり過ごせないよね…。」
「あっ…そうか……」
ミラは直ぐに分かってくれて。
ゼインと暮らせるのは嬉しい。でも家族と会える時間は短くなる。
「で、でも、週末はゼインと家に帰れるからいいんだ!
みんな心配してくれてありがとう、ふふ。」
そう言って授業がはじまった。
ネローは表向き、急用が出来て留学を中止したことになってるみたいで、もうフースカに帰ったみたい。
少し前に手紙で、『フースカにいることが怖くなくなった』と来た。本当に、よかった…。
ミラは3日に1度フースカへ転移しているようだ。
勉強を教えてもらったり、研究内容を見せてもらったりするのが楽しいって言ってる。
来週には、家から出て、王宮暮らし。
まあ、楽しもう。今生の別れじゃないし、なんなら家にいるときより母様たちに会えるから。ただ家が変わるだけ。
少しずつ心の整理がついてきて、夕方になる頃にはいつも通りに戻っていた。
「じゃあ家に帰ったらちゃんと寝るんだよ?」
「殿下に見つかったら説明が面倒くさそうだしな!」
「もうライト!不敬だよ!でもルカ、ルカは僕達みたいに体が強いわけじゃないんだから。ね?」
皆にしっかりと念を押された僕は、わかったよと苦笑いしながら馬車に乗った。
「じゃあルイス、ルカのことを頼んだぞ。」
「は、この命に代えても。」
命は大切にして欲しい。ルイスは2人もいないんだから。
そう思いながら目の前の号泣している家族を見つめていた。
そう、今日が王宮への引っ越しの日だ。
僕の荷物は全て馬車に乗り、後は僕とルイスが乗るだけ。
でも父様たちに引き留められてなかなか出発出来ずにいた。
「うっ……子離れが早いよぉ…アレク……」
「も~…しっかりしなさい、会えないわけじゃないんだから!」
「そうですよ!父様!大体、後で僕に会えるじゃないですか!みーんな、僕との別れが寂しいからってお仕事休んで!」
「半日だけだもん…。」
「半日でも!団長さんと副団長さん、有能だって言われてる団員が休んだらだめでしょ!」
「でもね、ルカ。皆それくらいルカのことを送り出したかったんだよ。」
優しく母様がそう言って、ぎゅっと抱き締める。
「……ありがとうございます。」
「ふふ、まあいっか。さ、いってらっしゃい。殿下を待たせたら駄目だからね。またあとで。」
旋毛にそっとキスを落とされて、馬車へと背中を押された。その行動に、無性に親の愛を感じて。前世では、こんなに愛されたことは無かったから。
くるっと振り返った僕は、母様達にこう叫んだ。
「母様!父様!お兄様!まだ、完全にこの家から出るわけじゃないけど!長い間、お世話になりました!
メイドさんも!コックさんも!いつも、ありがとう!」
お屋敷全体に響くような大きな声でそう叫ぶと、生け垣のすき間からこちらを見ているメイド数名と、窓にへばりついているコック帽を被った人たちが目元を覆うのが見えた。
母様達は……やっぱり、泣いてて。
滅多に泣かない母様でさえ嗚咽をこらえて、父様の胸に顔を押し付けて。
父様は…あれ?泣き止んでる。それどころか、清々しい程ににっこりと微笑んでいた。
お兄様は、両手で顔を覆っていて、どんな表情なのかはわからなかったけど。
あ、手の隙間から水がぼたぼた落ちてるや。
「じゃ、いってきます!また後でね!母様達!」
そういって駆け足で馬車に乗り込んだ。
こんな顔、最後に見られたくなかったから。
「よく頑張りましたね、ルカ様。」
「う……るい、す……!ふ…うぅ……着いてきてくれて、ありがとうっ…!」
「いいえ、これが私の使命であり、願いでもありますから。」
馬車は動き始めた。これから暮らす家となる、王宮へと。
✿✿✿✿✿✿✿✿✿
「ルカ。おかえり。今日からずっと一緒だ!」
「ゼイン!ふふ、ただいま!」
馬車から降りると既に彼は待っていてくれて、一目散に駆け出した。
「……やっぱり、家から出るのは辛かったかい…?」
そっと目元をなぞられて、泣いたのがバレたのだと悟った。
「うん…。でもね、ゼインといられるのが楽しみでもあったから、そこまで辛いわけでもないんだよ?」
「そっか…。偉いね、ルカは。」
くりくりと頭を撫でられてそのまま抱っこされた僕は、ゼインの肩に顔を埋めて一筋の涙を零した。
この涙は、寂しさと歓喜の入り交じった、明日に向かうための涙である。
※※※※※※※※
あのっ…!
宣伝をね?してるんですよ。この作品の。
Twitterで。でもね…フォロワーさん4人だけだからか、宣伝ツイ見てくれる方がほんとに少なくって!!
どうしたら見てくれる人増えますかね…?
どなたか、わかる方いらっしゃいます…?
それからこれから先も、この作品をどうぞご贔屓に~~~!!!!(必死)
教室に着くと、ライトが心配そうに僕に駆け寄ってきた。
「あ、おはよ…。ふふ、ごめんね、また心配かけちゃった。」
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「あのね…お医者さんから、これ以上ゼインと離れると良くないって言われたの。
魔力妨害症は一度発症すると、またなりやすくなるからって。だから、王宮で暮らすことになったんだ…。」
「良かったじゃん!ルカ、殿下と暮らすの夢だったんだろ?」
「でも、家族とはあまり過ごせないよね…。」
「あっ…そうか……」
ミラは直ぐに分かってくれて。
ゼインと暮らせるのは嬉しい。でも家族と会える時間は短くなる。
「で、でも、週末はゼインと家に帰れるからいいんだ!
みんな心配してくれてありがとう、ふふ。」
そう言って授業がはじまった。
ネローは表向き、急用が出来て留学を中止したことになってるみたいで、もうフースカに帰ったみたい。
少し前に手紙で、『フースカにいることが怖くなくなった』と来た。本当に、よかった…。
ミラは3日に1度フースカへ転移しているようだ。
勉強を教えてもらったり、研究内容を見せてもらったりするのが楽しいって言ってる。
来週には、家から出て、王宮暮らし。
まあ、楽しもう。今生の別れじゃないし、なんなら家にいるときより母様たちに会えるから。ただ家が変わるだけ。
少しずつ心の整理がついてきて、夕方になる頃にはいつも通りに戻っていた。
「じゃあ家に帰ったらちゃんと寝るんだよ?」
「殿下に見つかったら説明が面倒くさそうだしな!」
「もうライト!不敬だよ!でもルカ、ルカは僕達みたいに体が強いわけじゃないんだから。ね?」
皆にしっかりと念を押された僕は、わかったよと苦笑いしながら馬車に乗った。
「じゃあルイス、ルカのことを頼んだぞ。」
「は、この命に代えても。」
命は大切にして欲しい。ルイスは2人もいないんだから。
そう思いながら目の前の号泣している家族を見つめていた。
そう、今日が王宮への引っ越しの日だ。
僕の荷物は全て馬車に乗り、後は僕とルイスが乗るだけ。
でも父様たちに引き留められてなかなか出発出来ずにいた。
「うっ……子離れが早いよぉ…アレク……」
「も~…しっかりしなさい、会えないわけじゃないんだから!」
「そうですよ!父様!大体、後で僕に会えるじゃないですか!みーんな、僕との別れが寂しいからってお仕事休んで!」
「半日だけだもん…。」
「半日でも!団長さんと副団長さん、有能だって言われてる団員が休んだらだめでしょ!」
「でもね、ルカ。皆それくらいルカのことを送り出したかったんだよ。」
優しく母様がそう言って、ぎゅっと抱き締める。
「……ありがとうございます。」
「ふふ、まあいっか。さ、いってらっしゃい。殿下を待たせたら駄目だからね。またあとで。」
旋毛にそっとキスを落とされて、馬車へと背中を押された。その行動に、無性に親の愛を感じて。前世では、こんなに愛されたことは無かったから。
くるっと振り返った僕は、母様達にこう叫んだ。
「母様!父様!お兄様!まだ、完全にこの家から出るわけじゃないけど!長い間、お世話になりました!
メイドさんも!コックさんも!いつも、ありがとう!」
お屋敷全体に響くような大きな声でそう叫ぶと、生け垣のすき間からこちらを見ているメイド数名と、窓にへばりついているコック帽を被った人たちが目元を覆うのが見えた。
母様達は……やっぱり、泣いてて。
滅多に泣かない母様でさえ嗚咽をこらえて、父様の胸に顔を押し付けて。
父様は…あれ?泣き止んでる。それどころか、清々しい程ににっこりと微笑んでいた。
お兄様は、両手で顔を覆っていて、どんな表情なのかはわからなかったけど。
あ、手の隙間から水がぼたぼた落ちてるや。
「じゃ、いってきます!また後でね!母様達!」
そういって駆け足で馬車に乗り込んだ。
こんな顔、最後に見られたくなかったから。
「よく頑張りましたね、ルカ様。」
「う……るい、す……!ふ…うぅ……着いてきてくれて、ありがとうっ…!」
「いいえ、これが私の使命であり、願いでもありますから。」
馬車は動き始めた。これから暮らす家となる、王宮へと。
✿✿✿✿✿✿✿✿✿
「ルカ。おかえり。今日からずっと一緒だ!」
「ゼイン!ふふ、ただいま!」
馬車から降りると既に彼は待っていてくれて、一目散に駆け出した。
「……やっぱり、家から出るのは辛かったかい…?」
そっと目元をなぞられて、泣いたのがバレたのだと悟った。
「うん…。でもね、ゼインといられるのが楽しみでもあったから、そこまで辛いわけでもないんだよ?」
「そっか…。偉いね、ルカは。」
くりくりと頭を撫でられてそのまま抱っこされた僕は、ゼインの肩に顔を埋めて一筋の涙を零した。
この涙は、寂しさと歓喜の入り交じった、明日に向かうための涙である。
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