烙印を背負う少女を『救』うたった一つの方法

朝我桜(あさがおー)

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第二章 思わぬ『ライバル』登場で、いよいよ二人の間は急接近!? 浮かび上がる彼女のホントのキモチ!!

第二十九話 比べてみてください。『お嬢様』の器の大きさと『悪党』の本性!?

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 それから僕はリュシアンくんと話を進めることにしたんだ。

 彼はすごいんだ。

 自分より年下なのに、すごくしっかりしていてさ。

 多分、あの姉にふりまわされた結果なんだろうってことは想像はついたけど。

「聞くところによると、〈グラトニー・プリン〉は軟体のモンスターで、銃はほとんど効きません」

「そうらしいね」

「なのでぼくらとしては、精霊術の使えるリリーさんがいるあなた方と手を組みたいと考えているんですが……」

「僕らとしても、ぜひかの有名なあなた方と組めれば、なんとありがた――」

「イヤ!」

「イヤですわ!」

 これだもんなぁ……。

 なんか知らないけど、この二人はいがみ合ってる。

「ウィン? とはいってもね。私たちだけじゃムリよ」

「そうだぞ。ウィン、姉ちゃんのいうことは聞くもんだ。うんうん」

「うぅ~わかったよぉ~……だけど、レヴィン兄ぃはそのゆるみきった顔なんとかしてくれる? すごくキモチワルイ」

「お嬢様、ここはおぼっちゃまの言う通り、手を組むのが得策かと」

「アリサ! あなたいっつもリュシアンにあまいのですわ! いっつもいっつも目の前でイチャイチャと!」

「お、お嬢様! そ、そんな、みなさんの前でハズカシイですぅ……」

 もだえている目の前のメイドのアリサさん。

 ほほのウロコといい、しっぽといい、竜人ナダーツァなんだね。

 初めて見たよ。

 でも、なんだろう。

 ほんとはウィンとジェニファーさん、結構気が合うんじゃないのかな?

 そんな気がする。

「ハァ……仕方がありませんわね。新米のために、ベテランのわたくしたちが特別に組んで差し上げますわ」

「何いってんの!? リリー姉ぇがいなきゃ何もできないのはアンタたたちでしょ! 組んであげるのはむしろアタシらのほう!」

「まぁまぁ、お二人とも、おたがいメリットがあることなんだし、交流をかねて食事にしようよ」

「……フィルがそういうのなら」

「フッ……恋人の賢明さに感謝するのですわ」

「恋人!? フィ、フィルとはそんなんじゃ!?」

「あら? そうですの? なら、わたくしが頂いてしまおうかしら? 見ればなかなかカワイイではありませんこと? わたくし好みですわ……」

「ちょ、ちょっと、ジェ、ジェニファーさん!?」

「どうかジェーンとお呼びくださいまし、ミスターフィル」

 ゆ、指先ですっとほほをなでてきて!

 うっとりとした目が、や、やばい、めちゃくちゃドキドキする!

 でも、なんでジェーンなんだろう……?

「だめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」

 ウィンが割って入ってきた!

「……フィルは、フィルは、アタシの、その……/////////////」

「ウィン?」

「~~~~~~~~………………っ!!」

 顔を真っ赤にしてどうしたんだ?

「プっ……あはは! ジョークですわよ。ジョーク。なに本気になさってるの?」

「ふぇ?」

「にしても意外とカワイイところがあるんですのね? 少し素直になった方がミスターフィルも喜ぶと思いますわよ? ねぇ?」

「……ははは」

 ハァ~……笑ってごまかすことにした。

「なんにせよ、共同戦線を張る以上、おたがいのこともっと知る必要はありますわね」

 パンッとジェニファーさんが手を合わせる。

「さぁ! 食事にいたしましょう? ここは先パイであるわたくしたちがおごらせていただきますわ」

「うぅ……」

 なんというか。

 最後に器の大きさを見せたジェニファーさんが勝ったっていうことでいいのかな。

 ジェニファー?

 あ、そうだ。

 さっきちょっと気になったことがあったんだ。

「ジェニファーさん? ちょっとお聞きしたいことがあるんですが……」

「なんですの? 先ほどジェーンとお呼びくださいと言ったではありませんか?」

「それはまた追々、でもなんでジェニファーで〈ジェーン〉なんです? フツー、愛称ニックネームって、ジェニファーなら〈ジェン〉か〈ジェニー〉じゃないですか?」

「ぁ…………」

 ジェニファーさんが目を丸くしている。

 あれ? 自分、おかしなこと言っちゃったかな?

「~~~~~……………っ!」

 うっ……。

 顔真っ赤にして涙目でにらまれてるんですけど、どうして!?





――ユークレースタウン 路地裏 ウォラック興産一行――

「クソジジイ! どういうつもりだっ!」

「なんのことですかな」

 こ、こいつ!

 すっとぼけやがって!

「オレらに盗みの片棒をかつがせやがったな!」

「はて? 私は盗まれたものを取り返していただきたいとお願いしたまでですが?」

「なにをっ!」

「それをあたかも自分のもののように言っているのは、あやつの方でしょう?」

「よくもぬけぬけと……」

「そんなことよりも例のものは?」

「チッ……あるぜ」

 オレは盗んだ黒い宝石をジジイに見せる。

「おぉ……これです。我が【トラペソヘドロン】……!!」

「おっと! まずは金が先だ!」

「フッ……用心深いですね。まぁいいでしょう」

 よし――あるな。

 しっかり確認しねぇとな。

 くく……5万ノル大金がオレの手元に――これで。

「ところで二人のお仲間はどうしました?」

「やつらは別のところにかくれている」

「そうですか。ここから北北東に坑道があります」

「なんだと?」

「そこは警戒がうすい。そこからならうまくにげられるでしょう」

「あんた……」

「……アフターサービスですよ」

「はっ! そうかよ。感謝するぜ!」

 とにかくこれで追手が届かないところまでにげれば――。



 オレは二人が待つボロ小屋へ。

「……おう、もどった……ぜ……?」

 だれもいねぇ……どういうことだ?

 カベになんか刻んである。

 何だ?

『リーダーへ――もう、付き合ってらんねぇ! あとはアンタ一人でやれ! オレらはオレらで勝手にやらせてもらう! じゃあな! ――エディより』

「あ、あいつらぁぁぁっ!」

 くそっ! 

「エリオット=ウォラック! 出てこい! いるのはわかっている! キサマは完全に包囲されている!」

 あぁっ!? なんだっ!?

 窓の向こうから無数の光!?

 まさかっ!!

「あいつらぁ! オレを売りやがったなっ!」

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