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020 企み
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土曜日までの数日間は、本当にただただ平穏な高校生活だった。
嵐の前の静けさと言わんばかりで、俺の心は穏やかではない日々だった。
美耶子さんは委員長の周辺についての調査、および土曜日には異能教側がいつでも仕掛けてきていいように準備を進めていた。
うまくいけば異能教の拠点も分かるかもしれない――が、そこまでうまくはいかないのは知っている。そういう話として書いたのだからね。
その他に……物見谷先輩はどう動いてくるか、気がかりだ。
ブギーの件も然り、設定の中にのみ存在する登場人物を勝手に出してくる可能性がある。しかしどう動いてきても、主人公として乗り越えなければならない――のかもしれない。
さてさて。
高校時代、休日に女の子と遊ぶというイベントは、先輩以外では初めての事だ。
昨日は中々寝付けず、もしかしたらあんな事やこんな事があったりして~と妄想を膨らませたりしていたおかげでやや寝不足気味。
買った覚えのない服がクローゼットの中に入っていたが、これは先輩が用意してくれたのではなくおそらく主人公・公人が着ているという設定のものであろう。
それらを着てはみたが、サイズは合っているもそれより重要なのは、俺がファッションに関しては疎いって事。
似合ってるかどうかも分からん。
灯花に見てもらったが「カジュアルって感じでいいね! 全身にボンバーを感じるよ!」との感想を頂いた。
ボンバーはよく分からんけど多分褒めてくれてたんだと思う。
カジュアルシャツというのはこういう服の事を言うのかな。
どうであれ、妹からの高評価も頂いた事だし自信を持とうじゃないか。
それはさておき、登場人物達の私服姿を見るのは初めてだ。
純粋に楽しみである――が、浮かれちゃあいけない。念のために小型ではあるが強力殺虫剤はポケットに忍ばせておくとしよう。
外に出るのならば常々ラトタタへの警戒も怠らないようにせねば。
――時にこの広場。
以前は鬱蒼として寂れた広場だったが、これも物語の影響か……管理の行き届いた芝生や遊具もある立派な広場ができてしまっていた。
物語に登場する場所だからとはいえ、学校のみならずこういうのも反映されるのだな。
後方の時計台も石版にただ時計をはめ込んだ安っぽいものから純白で木の枝の模様が描かれている円柱となっており、このあたりの床はレンガで敷き詰められていてもはや一つのアートだ。
この広場のみならず北側から抜けてすぐの街もどうやら変化があるようだ。
遠くから見ても分かる、いつもより活気があって人通りも明らかに多くなっているのだ。
時々怖くなる。
この物語が現実となって、どれほど現実に影響を与えてしまったのかと。
今はいいとこばかりしか見えていないがもしかすれば誰かが不幸になっている可能性も……あるかもしれない。
……規模が大きすぎて、考えたくもない。
「お待たせいたしました~」
手を振ってやってきたのは委員長。
治世の姿はない、おや……? 遅刻かな?
「すみません、遅れてしまって」
「いや俺も今来たところだから。治世はまだ来てないみたいだね」
「治世さんなら、途中まで一緒でしたよ。用事ができたとか言って、合流する時は連絡すると仰ってました」
「え、ほんと?」
本来の展開とはやや違っている。
泳がせ方を変えてみるのはどうかと言っていたし、これは委員長が敵だと既に分かっているために物語に変化が訪れたのだろう。
「じゃあ、行こうか」
「そうですね、行きましょう~。っと、その前に、どうでしょう、これ」
軽く委員長は体を翻して見せてくる。
薄い桃色のプリーツスカートとネルシャツ。俺を魅了するために気合入れてきたのだろう、靴も最近買ったようで新品そのものの艶やかさがある。
「似合ってるよ、うん、すごく似合ってる」
「わあ、よかったです!」
仄かにフルーティな香水の香りもする。
落ち着くよ、委員長といると。
……これで、君が敵じゃなければ、最高だったんだがねえ。
「お勧めの喫茶店があるのですが、どうでしょうか?」
「おっ、いいね。行こうか」
「治世さんにも連絡しておきます、どれくらいで合流できるのでしょうかねえ~」
二人きりとなると、少し緊張する。
楽しみ半分、不安が半分。心臓の鼓動は、暫く落ち着く事はなさそうだ。
喫茶店は街に入ってすぐのところにあった。街を歩くのもいつ以来か。
十年前はこんな喫茶店はあったかなと思ったが、これも物語による影響で出現したのかもしれない。
店内に流れるクラシック音楽、鼻腔をくすぐるコーヒーの香り、外の喧騒さを切り離した静かな店内――素敵な空間が広がっていた。
しかしどうしようか。
委員長を泳がせて監視するつもりだったのに、治世も離脱しちゃったし……俺一人だと若干心細い。
「どうです? ここのコーヒー、美味しいでしょう? ケーキもおすすめですよ」
「ケーキか、いいね」
「店員さーん、ガトーショコラ二つくださーい」
彼女はここの常連らしい。
メニューも然程見ずに、慣れた様子で注文をしている。
店内でも一番奥の静かな席を選んでいた。
こういう設定は正直書いた覚えはないが漠然としている記憶の中に、もしかしたらそういう想像をした事があって反映されたのかもしれない。
「そういえば文弥君、最近なんだか雰囲気変わったような気がします」
「えっ、そうかな?」
ぎくりと、内心思う。
「とはいっても、同じクラスになってまだ一か月ほど、私の知らない文弥君を少しずつ見れているという感じでしょうか」
「そうかもねっ」
「文弥君が心を開いてありのままの自分を見せてくれているのだとしたら、委員長としても嬉しい限りです」
「うんそう、ありのままの自分を見せてるんだよ」
当の本人は、タイムリープによる第二の高校生活を楽しみつつ、自分の書いた物語を体験するという奇妙な状況を、よく考えた末にとりあえず楽しもうと決めた結果である。
楽しまなきゃ損だぜ、ほんと。
「何か心境の変化でもあったのです?」
「心境の変化か……いや、特にはないかなあ。なんとなくだよ」
「それと小耳に挟んだのですが、昔使われていた文芸部に足を運んでいたとか」
「ああ、文芸部をどうにか再建したくてね。こう見えて本好きなんだ」
「そうでしたか! 私も本は好きですよぉ~。文芸部再建、いいですねえ、部員を募集するのであれば是非とも私を!」
「本当!? 嬉しいなあ、まだあの放置された部室の掃除とか部員集めとかもこれからだけど、そのうち本格的に再建をする事になったら声を掛けるよ」
「はいなっ。その時はよろしくお願いいたします」
ぺこりと律儀に頭を下げる委員長。本当にいい子だ。
ケーキもきたので受け取って早速口へと運んだ。
「……すっげえ美味しいね」
「でしょう~!?」
「うーん、しっとりとした食感に口の中に広がる濃厚な甘み、ほろ苦さも丁度いいバランスでほっぺたが落っこちそうになるってやつだね」
「素晴らしい食レポです! ここのガトーショコラは最高ですよ本当に~」
こうしてケーキを味わっているも、彼女の思考は目まぐるしく回転しているはずだ。
望月月子とは、そういう人物だ。
この後はたしか……そうだ、ボウリングをしようって誘ってくるんだったかな。三人分の割引チケットを持っているはずだ。
その他に映画のチケット、水族館のチケットなど、選択肢を多く用意している。
乗り気じゃなければ別の案――粘り強く誘ってくるはず。
いよいよってとこだな。
委員長がラトタタと連絡が取れた時点で俺が特異の所持者だと知られる。
たとえそれを阻止しようとしても先延ばしにするだけで意味がない、無駄な足掻きだ。
――ならば、こちらから打ち明けてみるか?
そうすれば委員長とははっきりと敵同士という区切りがつき、彼女も大きく動きを見せるかもしれない。やや強引な手ではあるけど。
予定よりも展開は少し早くなる、街に潜伏して攻める準備をしているラトタタを準備不足のまま終盤戦に突入できる可能性だってある。
……とりあえず、彼女に付き合うとしよう。
どれを選んでも展開に影響はないと思うが、ボウリングでいいか。
「時に文弥君、このままここで時間を潰して解散というのも味気ないですし、どこか行きませんか?」
「そうだねえ、君の行きたいところはないの?」
「ボウリングはどうです? 実は割引チケットがございまして」
ほらきた。
「ボウリングかあ、あんまりやった事ないけど、チケットが無駄になるのももったいないし行こうか」
「ふふっ、そうしましょう」
「嬉しそうだね」
「ええ、こうして二人きりでこの後の予定とか考えてるの、デート……みたいで」
頬を赤らめて、彼女は嬉々としながらそう言う。
勿論これも演技、演技なのだ……が、可愛い事には変わりない。
やってくれるぜ望月月子。俺の心臓は正直なもので、どくんと脈動していた。
「デ、デートねえ……?」
「すみません、変な事言ってしまって。文弥くんには治世さんという彼女がおりますものね」
「治世は……彼女じゃあないよ。昔から、今も幼馴染ってだけの関係さ」
昔からと言っても、数日前の話なんですけどね。
それはいいとして。
「あら、そうなのですか。てっきりお付き合いをされているのかと思っていたのですが」
なんて言うけど君、調べはついてるんだろう?
分かった上で巧みに心の隅を摘まんでくるような言い回しと仕草を仕掛けてくる。
「ふふっ、それなら私にもチャンスが……」
「えっ? 何?」
「いえいえ、なんでもございません。では行きましょ~」
「そうだね、そうしよ~」
ケーキも平らげたし、食後の運動がてらボウリング場へ。
街の少し端あたりに位置するボウリング場への道のりは彼女に任せる。
ラトタタがいそうな場所も君は探っていかなくちゃあならないだろう? 少しは君の、本当にやりたい事をやらせてあげようじゃないか。
嵐の前の静けさと言わんばかりで、俺の心は穏やかではない日々だった。
美耶子さんは委員長の周辺についての調査、および土曜日には異能教側がいつでも仕掛けてきていいように準備を進めていた。
うまくいけば異能教の拠点も分かるかもしれない――が、そこまでうまくはいかないのは知っている。そういう話として書いたのだからね。
その他に……物見谷先輩はどう動いてくるか、気がかりだ。
ブギーの件も然り、設定の中にのみ存在する登場人物を勝手に出してくる可能性がある。しかしどう動いてきても、主人公として乗り越えなければならない――のかもしれない。
さてさて。
高校時代、休日に女の子と遊ぶというイベントは、先輩以外では初めての事だ。
昨日は中々寝付けず、もしかしたらあんな事やこんな事があったりして~と妄想を膨らませたりしていたおかげでやや寝不足気味。
買った覚えのない服がクローゼットの中に入っていたが、これは先輩が用意してくれたのではなくおそらく主人公・公人が着ているという設定のものであろう。
それらを着てはみたが、サイズは合っているもそれより重要なのは、俺がファッションに関しては疎いって事。
似合ってるかどうかも分からん。
灯花に見てもらったが「カジュアルって感じでいいね! 全身にボンバーを感じるよ!」との感想を頂いた。
ボンバーはよく分からんけど多分褒めてくれてたんだと思う。
カジュアルシャツというのはこういう服の事を言うのかな。
どうであれ、妹からの高評価も頂いた事だし自信を持とうじゃないか。
それはさておき、登場人物達の私服姿を見るのは初めてだ。
純粋に楽しみである――が、浮かれちゃあいけない。念のために小型ではあるが強力殺虫剤はポケットに忍ばせておくとしよう。
外に出るのならば常々ラトタタへの警戒も怠らないようにせねば。
――時にこの広場。
以前は鬱蒼として寂れた広場だったが、これも物語の影響か……管理の行き届いた芝生や遊具もある立派な広場ができてしまっていた。
物語に登場する場所だからとはいえ、学校のみならずこういうのも反映されるのだな。
後方の時計台も石版にただ時計をはめ込んだ安っぽいものから純白で木の枝の模様が描かれている円柱となっており、このあたりの床はレンガで敷き詰められていてもはや一つのアートだ。
この広場のみならず北側から抜けてすぐの街もどうやら変化があるようだ。
遠くから見ても分かる、いつもより活気があって人通りも明らかに多くなっているのだ。
時々怖くなる。
この物語が現実となって、どれほど現実に影響を与えてしまったのかと。
今はいいとこばかりしか見えていないがもしかすれば誰かが不幸になっている可能性も……あるかもしれない。
……規模が大きすぎて、考えたくもない。
「お待たせいたしました~」
手を振ってやってきたのは委員長。
治世の姿はない、おや……? 遅刻かな?
「すみません、遅れてしまって」
「いや俺も今来たところだから。治世はまだ来てないみたいだね」
「治世さんなら、途中まで一緒でしたよ。用事ができたとか言って、合流する時は連絡すると仰ってました」
「え、ほんと?」
本来の展開とはやや違っている。
泳がせ方を変えてみるのはどうかと言っていたし、これは委員長が敵だと既に分かっているために物語に変化が訪れたのだろう。
「じゃあ、行こうか」
「そうですね、行きましょう~。っと、その前に、どうでしょう、これ」
軽く委員長は体を翻して見せてくる。
薄い桃色のプリーツスカートとネルシャツ。俺を魅了するために気合入れてきたのだろう、靴も最近買ったようで新品そのものの艶やかさがある。
「似合ってるよ、うん、すごく似合ってる」
「わあ、よかったです!」
仄かにフルーティな香水の香りもする。
落ち着くよ、委員長といると。
……これで、君が敵じゃなければ、最高だったんだがねえ。
「お勧めの喫茶店があるのですが、どうでしょうか?」
「おっ、いいね。行こうか」
「治世さんにも連絡しておきます、どれくらいで合流できるのでしょうかねえ~」
二人きりとなると、少し緊張する。
楽しみ半分、不安が半分。心臓の鼓動は、暫く落ち着く事はなさそうだ。
喫茶店は街に入ってすぐのところにあった。街を歩くのもいつ以来か。
十年前はこんな喫茶店はあったかなと思ったが、これも物語による影響で出現したのかもしれない。
店内に流れるクラシック音楽、鼻腔をくすぐるコーヒーの香り、外の喧騒さを切り離した静かな店内――素敵な空間が広がっていた。
しかしどうしようか。
委員長を泳がせて監視するつもりだったのに、治世も離脱しちゃったし……俺一人だと若干心細い。
「どうです? ここのコーヒー、美味しいでしょう? ケーキもおすすめですよ」
「ケーキか、いいね」
「店員さーん、ガトーショコラ二つくださーい」
彼女はここの常連らしい。
メニューも然程見ずに、慣れた様子で注文をしている。
店内でも一番奥の静かな席を選んでいた。
こういう設定は正直書いた覚えはないが漠然としている記憶の中に、もしかしたらそういう想像をした事があって反映されたのかもしれない。
「そういえば文弥君、最近なんだか雰囲気変わったような気がします」
「えっ、そうかな?」
ぎくりと、内心思う。
「とはいっても、同じクラスになってまだ一か月ほど、私の知らない文弥君を少しずつ見れているという感じでしょうか」
「そうかもねっ」
「文弥君が心を開いてありのままの自分を見せてくれているのだとしたら、委員長としても嬉しい限りです」
「うんそう、ありのままの自分を見せてるんだよ」
当の本人は、タイムリープによる第二の高校生活を楽しみつつ、自分の書いた物語を体験するという奇妙な状況を、よく考えた末にとりあえず楽しもうと決めた結果である。
楽しまなきゃ損だぜ、ほんと。
「何か心境の変化でもあったのです?」
「心境の変化か……いや、特にはないかなあ。なんとなくだよ」
「それと小耳に挟んだのですが、昔使われていた文芸部に足を運んでいたとか」
「ああ、文芸部をどうにか再建したくてね。こう見えて本好きなんだ」
「そうでしたか! 私も本は好きですよぉ~。文芸部再建、いいですねえ、部員を募集するのであれば是非とも私を!」
「本当!? 嬉しいなあ、まだあの放置された部室の掃除とか部員集めとかもこれからだけど、そのうち本格的に再建をする事になったら声を掛けるよ」
「はいなっ。その時はよろしくお願いいたします」
ぺこりと律儀に頭を下げる委員長。本当にいい子だ。
ケーキもきたので受け取って早速口へと運んだ。
「……すっげえ美味しいね」
「でしょう~!?」
「うーん、しっとりとした食感に口の中に広がる濃厚な甘み、ほろ苦さも丁度いいバランスでほっぺたが落っこちそうになるってやつだね」
「素晴らしい食レポです! ここのガトーショコラは最高ですよ本当に~」
こうしてケーキを味わっているも、彼女の思考は目まぐるしく回転しているはずだ。
望月月子とは、そういう人物だ。
この後はたしか……そうだ、ボウリングをしようって誘ってくるんだったかな。三人分の割引チケットを持っているはずだ。
その他に映画のチケット、水族館のチケットなど、選択肢を多く用意している。
乗り気じゃなければ別の案――粘り強く誘ってくるはず。
いよいよってとこだな。
委員長がラトタタと連絡が取れた時点で俺が特異の所持者だと知られる。
たとえそれを阻止しようとしても先延ばしにするだけで意味がない、無駄な足掻きだ。
――ならば、こちらから打ち明けてみるか?
そうすれば委員長とははっきりと敵同士という区切りがつき、彼女も大きく動きを見せるかもしれない。やや強引な手ではあるけど。
予定よりも展開は少し早くなる、街に潜伏して攻める準備をしているラトタタを準備不足のまま終盤戦に突入できる可能性だってある。
……とりあえず、彼女に付き合うとしよう。
どれを選んでも展開に影響はないと思うが、ボウリングでいいか。
「時に文弥君、このままここで時間を潰して解散というのも味気ないですし、どこか行きませんか?」
「そうだねえ、君の行きたいところはないの?」
「ボウリングはどうです? 実は割引チケットがございまして」
ほらきた。
「ボウリングかあ、あんまりやった事ないけど、チケットが無駄になるのももったいないし行こうか」
「ふふっ、そうしましょう」
「嬉しそうだね」
「ええ、こうして二人きりでこの後の予定とか考えてるの、デート……みたいで」
頬を赤らめて、彼女は嬉々としながらそう言う。
勿論これも演技、演技なのだ……が、可愛い事には変わりない。
やってくれるぜ望月月子。俺の心臓は正直なもので、どくんと脈動していた。
「デ、デートねえ……?」
「すみません、変な事言ってしまって。文弥くんには治世さんという彼女がおりますものね」
「治世は……彼女じゃあないよ。昔から、今も幼馴染ってだけの関係さ」
昔からと言っても、数日前の話なんですけどね。
それはいいとして。
「あら、そうなのですか。てっきりお付き合いをされているのかと思っていたのですが」
なんて言うけど君、調べはついてるんだろう?
分かった上で巧みに心の隅を摘まんでくるような言い回しと仕草を仕掛けてくる。
「ふふっ、それなら私にもチャンスが……」
「えっ? 何?」
「いえいえ、なんでもございません。では行きましょ~」
「そうだね、そうしよ~」
ケーキも平らげたし、食後の運動がてらボウリング場へ。
街の少し端あたりに位置するボウリング場への道のりは彼女に任せる。
ラトタタがいそうな場所も君は探っていかなくちゃあならないだろう? 少しは君の、本当にやりたい事をやらせてあげようじゃないか。
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