【召喚魔法ドンナー】はゴミ魔法かと思ったが意外と使えるっぽい

れのひと

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運搬

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 さて、冒険者ギルドでの登録が済んだので早速何か仕事を受けようかな。手持ちは100リラ、このままでは多分宿代も足りない。宿代がいくらかわからないけど最低でもそれだけは稼がないといけないよね。

 掲示板に向かって貼られている紙を眺める。そういえば詳しいことが説明されていないけどどの仕事でも受けていいんだろうか? 上の方を見るとAとかBとか書いてある…さっき作ってもらったカードを眺めるとFと書かれていた。

「F…」

 掲示板を眺めながらFを探して横移動をする。

「わっ」
「お、すまん」

 周りを見ていなさすぎだった。反対側から向かって来ていた人とぶつかってしまった。横移動はやめた方がいいな。

「こっちこそよそ見してたので」
「ん? なんだお前新人か」

 俺が手に持っているカードが目に入ったのかぶつかった相手にそう言われた。それほど大きな文字じゃないのによくわかるもんだなとちょっと感心する。

「はい、さっき登録したばかりで」
「ほーん…だったらこっちのFとかEのやつがいいぞ。一応推奨ランクが書いてあるだけでどれ受けてもいいんだけどな~」

 それはありがたい情報だ。基本どの仕事をやってもいいらしい。

「そうなんだ…ありがとう」
「いいって。まあ確実に達成できるやつやっといた方がいいぞ」

 そういうと男はランクの高い方へと移動していった。そうだねまずは5つ確実にこなさないとな。俺はFと書かれている場所へと移動し、紙を眺めることにした。

「配達…掃除…採取…一応討伐もあるな。あまりやりたいと思わないが」

 危なかったら井之頭先輩を盾にして逃げるだけだけど。それに採取は集める対象がわからなさすぎる。カノ草ってどれのことだよって思うくらい。

「あー納品か」

 たしかどんな手段でも内容に間違いがなければいいって言ってたな。納品と書かれたものを眺めてみる。同じくさっきわからなかったカノ草とかもあったけど、自分で探してくる必要はないってことで…店で買った物でもいいってことなんだ。ただ依頼の回数はこなせるけどお金は稼げない。むしろ減る。まあ俺はどっちも今は欲しいところなので、確実に出来る仕事を選ばないとだめってことだな。

 うーん…FとEはだめだな。Dの方を見てみようか。

「ますますわからんな…」

 やっぱり物の名前を知らないというのは厳しい。大人しく配達でもやっておくか。あまり大きな物や重い物じゃないければ運べるだろう。

「えーと…港に届いた荷物の運搬?」

 普通こういいった物ってちゃんと配達員とかいるもんじゃないのか? それとも冒険者に仕事を回してるんだろうか。なんでもいいか。続きをちゃんと読もう。えーと…トーアル商会まで荷物の運搬…ってあの店かよ! 1箱100リラで運べた数だけ報酬…なるほど。

「ん?」

 依頼書を掴むと裏にも同じ内容の紙が。なるほどこの紙が無くならない限り何人でも受けられるってことなのかな。で、期限は本日中っと。今港に届いている荷物を本日中に運ぶ仕事ってことかな。受付で聞いてみるか。

「すみませんこれなんですけど」
「あートーアルさんのとこのね」
「これって運び方に決まりとかありますか?」
「ないわね~ 中身によるけど普通に考えて壊さないことが第一条件ね」
「わかりました。じゃあこれ受けます」

 俺が受けた依頼は港からトーアル商会までの荷物の運搬。1箱100リラの報酬だ。運び方は自由だが中身を壊さないことが条件。早速港に行くと目的の船へと近づいた。

「すみません運搬に来ました」
「はいよ~ どこのやつ?」
「トーアル商会ですね」
「じゃあついて来てくれ」

 船員の案内で船の中へと入っていく。元の世界でもそうだけど船の中って初めて入る。だからついついキョロキョロと見回してしまう。とりあえずよくわからないけど部屋数が多いことがわかった。

「トーアルさんの箱の部屋だな」

 なるほど…届け先で分けておかれてるんだな。

「箱に何が入っているのか書いてあるから運べるのを選んでくれ」

 中身は見えないけど書かれている内容である程度運び方を考える必要があるってことか。布と書かれた木箱が残り少ない。壊れることが無く一番安全に運べるからなんだろうね~ 逆に食器と書かれたものはたくさん残っている。

「よしっ ドンナー!!」

 俺は召喚魔法を使った。呼び出したのは…ジャーーーン! 台車っ まあね…うん。ちょっと一人で楽しんでみただけ。船員は俺のポーズに若干引き気味…気にしないでおこう。

「えーと…残りの布の箱2個と野菜の箱を4つにするか」

 台車にまずは野菜を4箱、2箱ずつ重ねて置き、その上に布の箱を置く。布が上なら野菜から水分とか出てきても被害はない。まあよほどじゃなければ大丈夫だと思うけど。後はこれを慌てず店まで運ぶだけだ。

「依頼書だして」
「あ、はい」

 依頼書の空欄に布2,野菜4と書かれた。なるほどね運んだ数がわかるように書くのか。

 町の中をゆっくりと台車を押しながら歩いてトーアル商会へ。道行く人たちにちらちらとみられるがまあ気にしても仕方がない。他にも箱を抱えている人もいるくらいだしおねじだと思うんだよ。後リヤカーで運んでいる人もいるし…でもあれは一人じゃ重くて数人で運んでいる。一度に数は運べるが人数で割ると微妙なところだ。
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