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【おまけ番外編】キミに感謝を
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しおりを挟むカレーは焦げ付いて、ところどころ黒いコゲが混じっている。
火は消したとは言え、油に入れっぱなしだったトンカツは、なんだかガチガチ。
最悪な出来栄えの晩ご飯なのに、裕文さんは「美味しい」と微笑んだ。
「あなたは少し、僕を甘やかし過ぎですよ。裕文さん」
僕の台詞に顔を上げた裕文さんが、首を傾げるようにしてフワリと笑み零す。
僕が見惚れているのにも気付かずに、のんびりと答えた。
「まぁ、焦げたのは俺の所為でもあるしね。――それはそれとして」
言いながら、向かいに座っている僕の頬に、指先で触れる。
「仕方ないよ。俺、惚れた相手には弱いもの」
自分の顔が、赤くなったのが判る。
「さっきは妬いてくれて、嬉しかったよ。――それと。『裕文さん』って呼ぶ時のキミはとても可愛い」
「………………」
もう、顔が熱を持つどころじゃない。
声に出して誓ってくれたさっきの言葉のお礼も、伝えられないくらい。
僕は照れてしまって、もうどうしようもなかった――。
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