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この気持ちはなんだ。
なんでこんなにあいつの事ばかり気になるんだ。
初めは大人しそうで何も言って来なさそうと言う理由であいつを選んで、その予想通りこちらを煩わせること等無くて、やはり私の見る目は正しかったと思っていたのに。
あの日、あのロゼの雰囲気が急に変わったあの日から色んな事が変わり始めた。
父上と母上からは本当に良い婚約者を選んだと言われ、あの生意気な側近からは益々ロゼが素晴らしいと聞かされ、それを聞く私はイライラして。だが、ロゼとはそれ以降会う事がめっきり減って最低限の交流しか取らなくなった。
たまに会った時も、以前ならば話しかけてくるまでは無いにしても隣からチラチラとこちらを伺う視線を寄越していたのにあの日以降は隣に立っていてもこちらを伺う視線を一度も感じないようになった。
そして、学園に通い出してからは……。
初めのうちはとうとう本性を現したかと思った。今までは大人しい振りをしていたのだろうと。
この私に意見してくるなんて生意気なと、そう思ったら絶対に負けられないと持ち前の負けず嫌いが発揮されて今まで一度も自分の意思では口にした事が無い野菜を口にする事になって、次の日もやられたままではいられないとロゼの所に言ったらなんだかんだとまた野菜を食べさせられた。
いい加減大嫌いな野菜を食べたくは無かったが
、このままでは負けたみたいで嫌でそれからは毎日ロゼの所に向かう事になった。
すると最初は気に入らないという感情だけだったのが次第にどこか楽しいと思う自分がいて、それを受け入れられず何か企んでいると言い聞かせて側近にもロゼを調べさせたりしたが全てが無駄だった。
自分の意に反して一日中ロゼの事を考える日が続く。
そんな中突然ロゼからの婚約破棄宣言………。
正直ショックだった、何故、何故私がわざわざ選んでやった婚約者から私が婚約破棄して欲しいと言われているのか。
確かにこちらから打診した婚約では有るが、あの幼い日の婚約者を選ぶ茶会、あそこに来ていたと言うことは少なくとも選ばれる可能性が無くは無いと思って来ている訳で、選ばれたならそれは名誉な事である筈だ。それなのに………。
後に聞くとあの日、私がロゼを悪く言っていたあの幼い日の事をロゼは知っていて………。
それから何とかこの婚約破棄を卒業まで延ばす事には成功したが、ロゼの態度は日に日に私に冷たくなって行く。
別にロゼからどう思われようが関係無いはずなのに…。
いつも私の前ではしかめっ面しかしないのも気に入らなくて笑顔が見たくて、あんな事を言ってしまった。
本当にどうしたというのだ、自分の事なのに上手く感情がコントロール出来ないでいた。
そんなある日いつものように昼食を共に食べて喧嘩別れのようになってロゼが気になって暫くロゼが出てくるのを待っていたら私の側近がロゼに近付き二人人気のない廊下へと消えて行った。
そのまま暫く見ているとそこからロゼが一人で出て来て………。
別にあの二人に何かあるとは思っていない。
側近もロゼもそんな愚かなことはしない。そう思っているのに………二人並ぶ姿を見てモヤモヤとするこの気持ちは何なのだろう……。
私は今更ながらに初めて感じるこの気持ちを持て余していた。
なんでこんなにあいつの事ばかり気になるんだ。
初めは大人しそうで何も言って来なさそうと言う理由であいつを選んで、その予想通りこちらを煩わせること等無くて、やはり私の見る目は正しかったと思っていたのに。
あの日、あのロゼの雰囲気が急に変わったあの日から色んな事が変わり始めた。
父上と母上からは本当に良い婚約者を選んだと言われ、あの生意気な側近からは益々ロゼが素晴らしいと聞かされ、それを聞く私はイライラして。だが、ロゼとはそれ以降会う事がめっきり減って最低限の交流しか取らなくなった。
たまに会った時も、以前ならば話しかけてくるまでは無いにしても隣からチラチラとこちらを伺う視線を寄越していたのにあの日以降は隣に立っていてもこちらを伺う視線を一度も感じないようになった。
そして、学園に通い出してからは……。
初めのうちはとうとう本性を現したかと思った。今までは大人しい振りをしていたのだろうと。
この私に意見してくるなんて生意気なと、そう思ったら絶対に負けられないと持ち前の負けず嫌いが発揮されて今まで一度も自分の意思では口にした事が無い野菜を口にする事になって、次の日もやられたままではいられないとロゼの所に言ったらなんだかんだとまた野菜を食べさせられた。
いい加減大嫌いな野菜を食べたくは無かったが
、このままでは負けたみたいで嫌でそれからは毎日ロゼの所に向かう事になった。
すると最初は気に入らないという感情だけだったのが次第にどこか楽しいと思う自分がいて、それを受け入れられず何か企んでいると言い聞かせて側近にもロゼを調べさせたりしたが全てが無駄だった。
自分の意に反して一日中ロゼの事を考える日が続く。
そんな中突然ロゼからの婚約破棄宣言………。
正直ショックだった、何故、何故私がわざわざ選んでやった婚約者から私が婚約破棄して欲しいと言われているのか。
確かにこちらから打診した婚約では有るが、あの幼い日の婚約者を選ぶ茶会、あそこに来ていたと言うことは少なくとも選ばれる可能性が無くは無いと思って来ている訳で、選ばれたならそれは名誉な事である筈だ。それなのに………。
後に聞くとあの日、私がロゼを悪く言っていたあの幼い日の事をロゼは知っていて………。
それから何とかこの婚約破棄を卒業まで延ばす事には成功したが、ロゼの態度は日に日に私に冷たくなって行く。
別にロゼからどう思われようが関係無いはずなのに…。
いつも私の前ではしかめっ面しかしないのも気に入らなくて笑顔が見たくて、あんな事を言ってしまった。
本当にどうしたというのだ、自分の事なのに上手く感情がコントロール出来ないでいた。
そんなある日いつものように昼食を共に食べて喧嘩別れのようになってロゼが気になって暫くロゼが出てくるのを待っていたら私の側近がロゼに近付き二人人気のない廊下へと消えて行った。
そのまま暫く見ているとそこからロゼが一人で出て来て………。
別にあの二人に何かあるとは思っていない。
側近もロゼもそんな愚かなことはしない。そう思っているのに………二人並ぶ姿を見てモヤモヤとするこの気持ちは何なのだろう……。
私は今更ながらに初めて感じるこの気持ちを持て余していた。
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