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16 過去
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大神官様の質問は両陛下も聞きたいことだったのだろう
。
息を潜めつつ物凄く耳を立てているのが分かった。
私もお母様が何を思い暮らしていたのか知らない。
いつもニコニコと優しいがお父様が来ると部屋に閉じこもっていた。
「んー…とねぇ」
パーティで拐われた後、お母様は逃げようと画策していたらしい。
当時、あの別宅は厳重に見張りがいたらしい。
唯一手薄なのが森の方面だったので抜けられないかと魔物について調べたりしたのもこの時だそうだ。
「使用人たちはすごく優しかったけど侯爵様に逆らえないっていつも言ってたわ」
そして侯爵と晩御飯を共にするといつも必ず物凄い眠気に襲われていたらしい。
おかしいなと思っていると妊娠が発覚。
お父様はお母様を薬で眠らせ手籠めにしていたらしい。
「それから一緒に食事を取らなくなったの。あと侯爵が来るたびに鍵の着いてる倉庫に閉じこもっていたら誰かが部屋にしっかりした内鍵を付けてくれたのよ」
そして、私が産まれたから大不作はたったの一年と少々で終わったらしい。
「もーね~可愛くて可愛くて…悲しい気持ちとか吹き飛んじゃったのよね~」
やがて、子供を置いて逃げないと判断され庭までは出てよくなったそうだ。
万が一逃げだすと私がどうなるか…と脅されたりはしていたらしいが。
私達はお互いが人質だった。
「一族郎党全て残らず斬首にいたしますわ」
怒りに満ちた声でそう言ったのは王妃様だった。
「女性を何だと…寝てる間に関係を持ち孕ませるなど…!いえ、斬首では生温いですわね。拷問にかけ死ぬまで責め苦を負わせますわ!」
「それならばまず男娼として働かせるのはいかがでしょう?」
思わず王妃様に乗っかってしまった。
「これこれシェリー…一応父親…」
「そうね、客が付かないかしら」
私の返事に珍しくお母様が呆れたような顔をした。
「我が国としては助かりましたが…ロレアル国そのものを恨んでもおかしくない扱いに思えます。男娼はともかく拷問はかけましょう」
国王様、お父様の行動にかなり引いているご様子。
「お嬢様の話を聞いてまさかと思いましたがそんなに酷かったとは…よく悲観や怒りに囚われませんでしたね…」
大神官様、唖然としていらっしゃる。
「んー、使用人たちは優しかったしシェリーが可愛かったし…まーそのうち何とかなるかなって♪実際何とかなったわ!」
いや、何とかなったというか捨てられただけなんだけど…。
メンタル強いのかポジティブなのか…本人幸せそうだから良いんだろうけど…。
「てなわけで憎いのはこの子の父親だけなの。奥様が頑張って息子ちゃんを産んだおかげで、ついでに説得してくれたおかげで解放されたし、使用人たちは私達が森を抜けられるよう準備をしてくれたわ。ジャメリアの通貨ももしかしたら皆で出し合って用意してくれたのかもしれないのよ?」
「それは…侯爵以外の処罰は望まれない、と?」
「そうよ!だから一刻も早く帰って皆を助けて!侯爵は私の前にもう現れないなら何でもいいわ。処罰受けてるところとか見たくないもの」
「ではどの様に処理したかは追って書面にて送らせて頂きます!」
おそらく夜通し馬に乗って来たであろう両陛下に早く帰れは可哀想な気もする。
大神官様もそう思われたのか伝書鳩を両陛下に貸すと話しかけていた。
。
息を潜めつつ物凄く耳を立てているのが分かった。
私もお母様が何を思い暮らしていたのか知らない。
いつもニコニコと優しいがお父様が来ると部屋に閉じこもっていた。
「んー…とねぇ」
パーティで拐われた後、お母様は逃げようと画策していたらしい。
当時、あの別宅は厳重に見張りがいたらしい。
唯一手薄なのが森の方面だったので抜けられないかと魔物について調べたりしたのもこの時だそうだ。
「使用人たちはすごく優しかったけど侯爵様に逆らえないっていつも言ってたわ」
そして侯爵と晩御飯を共にするといつも必ず物凄い眠気に襲われていたらしい。
おかしいなと思っていると妊娠が発覚。
お父様はお母様を薬で眠らせ手籠めにしていたらしい。
「それから一緒に食事を取らなくなったの。あと侯爵が来るたびに鍵の着いてる倉庫に閉じこもっていたら誰かが部屋にしっかりした内鍵を付けてくれたのよ」
そして、私が産まれたから大不作はたったの一年と少々で終わったらしい。
「もーね~可愛くて可愛くて…悲しい気持ちとか吹き飛んじゃったのよね~」
やがて、子供を置いて逃げないと判断され庭までは出てよくなったそうだ。
万が一逃げだすと私がどうなるか…と脅されたりはしていたらしいが。
私達はお互いが人質だった。
「一族郎党全て残らず斬首にいたしますわ」
怒りに満ちた声でそう言ったのは王妃様だった。
「女性を何だと…寝てる間に関係を持ち孕ませるなど…!いえ、斬首では生温いですわね。拷問にかけ死ぬまで責め苦を負わせますわ!」
「それならばまず男娼として働かせるのはいかがでしょう?」
思わず王妃様に乗っかってしまった。
「これこれシェリー…一応父親…」
「そうね、客が付かないかしら」
私の返事に珍しくお母様が呆れたような顔をした。
「我が国としては助かりましたが…ロレアル国そのものを恨んでもおかしくない扱いに思えます。男娼はともかく拷問はかけましょう」
国王様、お父様の行動にかなり引いているご様子。
「お嬢様の話を聞いてまさかと思いましたがそんなに酷かったとは…よく悲観や怒りに囚われませんでしたね…」
大神官様、唖然としていらっしゃる。
「んー、使用人たちは優しかったしシェリーが可愛かったし…まーそのうち何とかなるかなって♪実際何とかなったわ!」
いや、何とかなったというか捨てられただけなんだけど…。
メンタル強いのかポジティブなのか…本人幸せそうだから良いんだろうけど…。
「てなわけで憎いのはこの子の父親だけなの。奥様が頑張って息子ちゃんを産んだおかげで、ついでに説得してくれたおかげで解放されたし、使用人たちは私達が森を抜けられるよう準備をしてくれたわ。ジャメリアの通貨ももしかしたら皆で出し合って用意してくれたのかもしれないのよ?」
「それは…侯爵以外の処罰は望まれない、と?」
「そうよ!だから一刻も早く帰って皆を助けて!侯爵は私の前にもう現れないなら何でもいいわ。処罰受けてるところとか見たくないもの」
「ではどの様に処理したかは追って書面にて送らせて頂きます!」
おそらく夜通し馬に乗って来たであろう両陛下に早く帰れは可哀想な気もする。
大神官様もそう思われたのか伝書鳩を両陛下に貸すと話しかけていた。
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