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商店街でお買い物

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 商店街に着いてまずは調味料探しを始めたミク。
「ミク、調味料と言ったら塩と胡椒、砂糖、ちょっとしたスパイスくらいですよ?」
「え? そうなの? ……でも、まぁ、探せばあるでしょ。レシピに載ってるって事はこの世界にあるはず!」
「ミクの作る料理早く食べたいな~」
「あぁ、その時は手伝う」
「ありがと~! ん? あのお店は?」
「あれはお肉屋さんだね。オークの肉とかたまに置いてるよ」
「小説で有名なオーク肉……!」
 ミクは早速お肉屋さんに向かった。
「あの、オーク肉は今日ありますか……!?」
「お、お客さん運良いな! オーク肉あるよ。但し、五kgまでだ」
 店主のオーク肉があると言う言葉に内心踊り狂いたくなりながら口を開く。
「じゃあ、五kgください。あと、鳥肉と牛肉でいいのありますか?」
「毎度! 鶏肉ならホロホロ鶏、牛肉ならあんま食う人いねぇけどタンがうめぇぞ、あとバラ肉は人気だな」
「それなら、ホロホロ鶏のムネとモモを五kgください。牛肉はタンはニ本丸々とバラ肉を五kgください」
「毎度! 今用意するから待っててくれ」
 五分程で用意出来たみたいだ。
「お客さん、待たせたな。一五〇〇〇ビデにまけとくな~」
「え、いいんですか……! ありがとうございます!」
「はい、毎度! また来てくれよな」
 店主はお金とお肉を交換した。ミクは次もここで買い物しようと決めた様だ。次に行ったお店は野菜と果物、スパイスを売っている所に行ったが珍しいものはなかった様だ。
「次は何処に行きますか?」
「ん~、次は……あ、あのお店は?」
「何かの実みたいだな」
 ミクは話の途中で一つのお店が気になった様だ。そのお店はお客さんが全然居なくて閑古鳥が鳴いてる様だ。
「あの~、ここは何を売ってるんですか?」
「……ハッ! は、はい、これはセユ醤油の実、ミション味噌の実、シュの実、ミリョン味醂の実、ゾーズソースの実、胡麻、アサビワサビガラシカラシ、コメになります」
 店主の言葉を聞いてミクはレシピに書いてあったやつだと思ったし、コメと聞いて踊り狂いたくなった。そんな事をお首にも出さず、全部買いたいがどれくらい買うかを考えていた。そして出した答えは。
「ここにあるだけ全部ください」
「はい……!? え? ぜ、全部ですか?」
 店主は一瞬聞き間違いかと疑ったがどうやら聞き間違いではなかった。
「あ、他の人の分がなくなるからダメですかね?」
「いえ、正直あまり売り物にならなくて……。本当にいいのでしょうか?」
「はい、全部買い取らせてください」
「あ、ありがとうございます……!」
 ミクは見つかって嬉しくて色をつけてお金を支払った。店主は泣いて喜んでミク達に何度も頭を下げていた。
「次は何処に行く?」
「食料品はもう買わなくて良いかな、雑貨とか見てみたいかも」
「じゃあ、あっちだ」
 ミク達は雑貨屋がある方向に歩き出した。少ししてお店についたので扉を開けるとドアベルが鳴った。
 お店の中は動物や魔物、植物などの小さい置物や木製の皿や可愛らしい小物入れなどがあった。
 ミクは色々な所にキラキラした目を向け子どもの様に喜んでいる。
「この小物入れ可愛い……こっちの動物の置物も可愛い……いっぱい可愛いのがある~」
「ミク、欲しいなら買ってあげるよ」
「わたし達からプレゼントさせてください」
「買い物でお金を出させてくれなかったからこれくらいは買わせてくれ」
「え、でも私が欲しいものだし自分で出すよ?」
 今まで彼氏がいた事がなかったミクは買ってもらう事に少し抵抗がある様だ。だがアベル達も譲らなかった、大事な番にいい所を見せたい男心だ。
「俺達にかっこつけさせてくれ」
 ジルにそう言われ折れるミク。アベル達にそれぞれ買ってもらう物を吟味する。
「……分かった。……じゃあアベルにはこの小物入れを買って欲しい」
「いいよ~」
 蔦や花が少し装飾された可愛らしい小物入れをアベルに買ってもらう。
「ルネにはこのハンカチを買って欲しい」
「分かりました」
 ハンカチには黄色の刺繡糸を使ったミクの頭文字Mがあしらわれ、この国の伝統模様が一部あしらわれていたものをルネに買ってもらう。
「ジルにはこの小さい梟の置物を買って欲しい」
「あぁ、分かった」
 アベル達は直ぐにミクに言われた物を買い綺麗にラッピングしてもらいそれを大事そうに抱え、お店から出て少し歩いた所でプレゼントした。
「大事に使え……」
「ありがとうアベル、ルネ、ジル! 大事に使わせてもらうね」
「喜んでもらえて嬉しいです」
「また何か欲しい時は遠慮せずに言ってね」
「分かった。でも私も三人に何か贈物したいからみんなも欲しいのがあったら言ってね?」
「あぁ、分かった」
「分かりました」
「その時は買ってもらうね」
 ミク達は微笑みを浮かべ自宅へ帰るべく歩き出した。
「今日の夜ご飯は何がいい?」
「んー、ミクの得意料理がいいな」
「この世界にはない料理がいいです」
「肉を使ったものがいい」
「ふむふむ、分かった。じゃあお楽しみだね」
 アベル達の言葉にミクは人差し指を自身の唇まで持っていき内緒のポーズをした。
「楽しみ~」
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