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最強ヤンキーくんの初恋。③
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「ってぇな……っ」
人に殴られることなどいつぶりだろう。
長らく喧嘩から離れていた所為か昔よりもずっと痛みを強く感じる。
けれど殴られたのなら殴り返していいはずだ。
俺から喧嘩を吹っ掛けた訳ではない。
やられたからやり返す──それだけだ。
「倍以上で返してやるよっ!」
大声で叫んだ俺は片っ端から殴り始める。
1人目の腹を殴り、2人目の蹴りを避けつつ顎に一撃を食らわせ、3人目の背中を殴った後すぐに4人目にエルボーを食らわせた。
流れるような攻撃に相手チームは怯んだようだった。
「流石だな、お前」
「当たり前だろ。昔より鈍ったってお前らよりは強ぇから」
「多勢に無勢って言葉知ってるか?」
ニヤッと意地悪く笑った相手チームのリーダーがスマホを掲げる。
ザザッと人の足音が聞こえてくる。
1,2,3……10人以上は増えたはずだ。
ニヤニヤと笑いながら俺を囲む奴らは典型的な小物感を醸し出していた。
人数を増やせば俺が怯えるとでも思ったのかもしれない。
随分舐められたものだ。
だから逆に大きく笑ってやった。
「ははっ!いいねぇ、この感じ。懐かしいぜ」
笑い出した俺を不気味に思ったのだろう。
誰も彼も訝しげな視線を送ってくる。
「早く来いよ。1人でも全員同時でも構わねぇから」
「俺たちのこと舐めてんのか?」
「舐めてんのか舐めてねぇのかって聞かれたら舐めてる。完全に舐めてる」
「こいつ……っ!」
怒りで血管を浮き上がらせたリーダーが一歩前に踏み出す。
戦闘開始の合図だろう。そう判断した俺はやられるよりも先に片っ端から殴り始めると決めた。
当然1人を殴れば他の奴らに囲まれる。
そんなことは想定済みだ。
だから俺は狙いをつけた1人目を殴ろうとするフリをして背後に現れた2人に回し蹴りとエルボーを食らわせた。
意表を突くことが出来ればあとは簡単だ。
怯んだ奴らの急所を的確に捉えていく。
敵が大勢いる時はパワーよりもスピードを重視すればいい。
俺の企みは上手くいった。1分足らずで全員を地に伏せさせることが出来た。
「ふぅ。こんなもんか?」
尋ねるとリーダーは苦しそうに顔を歪めながら言った。
「なわけ……ねぇだろ!」
「じゃ、早くしてくれねぇ?俺、早く帰りてぇんだよ」
「舐めやがって!」
リーダーは突然立ち上がり、俺の腹を殴ろうと突撃してくる。
咄嗟に両手で防ぐ。だが思ったより威力が強く、防いだ手の上から衝撃を食らってしまった。
「くっ……!」
一瞬怯んだ俺をリーダーは見逃さなかった。
追い討ちを掛けるように手にしていた鉄の棒を振り回してくる。
「ぉらぁっ!!」
間一髪、直撃は避けられた。
だが頭に当たった所為でよろけてしまいそうになる。
「……くっそ!」
何とか気合で踏ん張り、倒れることはなかった。
もう一撃食らわせようとしてくるリーダーより早く動き、腹に蹴りをお見舞いする。
「ぐはっ!」
運良く直撃したらしい。血を吐いて倒れたリーダーは「はあはあ」と荒い息を繰り返したものの起き上がってくることはなかった。
「もう来るんじゃねぇぞ」
それだけ言って俺はその場を離れた。
そもそも今日は喧嘩するつもりなどなかったのだ。
休日にふらりと出掛けた先でたまたま過去の自分を知る人物に会ってしまったのは不運と言わざるを得ない。
連中とこれまでに戦った記憶はない。
俺の噂だけが未だに独り歩きしているのかもしれない。
(昔は喧嘩売られんの嬉しかったけど今は最悪だ)
喧嘩をほぼ辞めている今となってはいっそ迷惑だった。
自分が昔より弱くなったことは自覚している。
当たり前だ。実戦から離れているのだから劣化していくに決まっている。
それでも最強だった頃の自分のまま噂が出回り続けているのだろう。
嬉しいような煩わしいような複雑な気分だった。
(ったく……今は怪我すると面倒くせぇのに)
自分の姿を見ていないが恐らく頭から流血していて顔面にも傷があるだろう。
拭う程度では隠せそうにない。
(何とかしねぇと)
このまま寮に帰るわけにはいかない。
学校側にバレたら退学を余儀なくされるだろうし、何より同室の怜愛に心配掛けたくなかった。
どうしようかと考えながら路地を出かけた時「ミケ!」と声を掛けられた。
顔を上げる前から分かっていた。その声が怜愛のものだと。
「怜愛!?何でここに!?」
正直に言えば今一番会いたくなかった。
大好きな人にこんな姿を見られたくなかったから。
それに怜愛は──絶対に怒る。
「紅蓮に聞いた。お前が喧嘩してるって」
「は?何で……?」
「練習試合の帰りにこの辺通ってお前とヤバそうな連中が裏路地入るの見たって」
紅蓮の判断は間違いじゃない。むしろ警察でなく怜愛に言ってくれたことは有難かった。
けれど今はどうにか言い訳を考えなければならない。
「そ、そっか。えーっと……」
痛みと突然のことで頭が働かず、何も言葉が出てこない。
怜愛の顔は間違いなくキレている時の顔だ。
何に対して怒っているのかなんて勿論分かっている。
「ミケ、言い訳探してんなら無駄だからな」
「あ、いや……まぁ、その」
「とにかく治療が先だな。寮戻るぞ」
「……うん」
怜愛は俺の手を掴み、歩き出した。
優しく掴む手もその温かさも怜愛らしいと思う。
怒っているくせに優しいのは──俺のことを本気で心配してくれているからだ。
もう怪我はしないと決めたのに。
喧嘩だって辞めると言ったのに。
切っ掛けがどうであれ喧嘩をしたことも怪我をしたことも事実だ。
俺が喧嘩することを快く思っていない怜愛が怒るのも頷ける。
(ごめん、怜愛)
喜ぶ場面ではないとわかっている。
けれどこんなに俺を心配してくれる人が居てくれることが嬉しくて──こっそり笑顔になってしまった。
「いってぇ!」
「殴られた時より痛くねぇだろ」
「どっちもどっちかも……」
寮の医務室へ連れて行かれた俺はすぐに治療を受けた。
19時過ぎの医務室には誰もおらず、怜愛が渋々治療してくれたのだが正直に言って下手くそだった。
消毒液は垂れ流す、絆創膏はサイズ違い、打ち身に誤って攻撃を加えてくる──器用な怜愛にしては珍しかった。
「怜愛にも苦手なことあるんだな」
「こんなこと滅多にやらねぇんだから仕方ねぇだろ。てかキレてる所為もあっから」
「うっ……ごめんな。本当にごめん」
一通り治療してもらい、ベッドに座った俺はしゅんと項垂れた。
弁解の余地もない。
謝ってどうにかなる話でもないが、謝る以外の選択肢が思いつかなかった。
「別に謝って欲しいわけじゃねぇから」
「……」
そう言われてしまうと何も言えなくなる。
怜愛はきっと先程のような顔をしているだろう。
折角俺のことを心配してくれる人に出会えたのに、折角好きになってくれたのに。
悪いのは確実に自分だと分かっているのにどうしていいか分からなかった。
黙っている俺に怜愛は溜息をついてから言った。
「怪我は?痛ぇ?」
「まぁ、それなりに。けど致命傷ってわけでもねぇから大丈夫」
「致命傷食らってたらもっとキレてた」
「ごめ……っ」
謝りかけて首を振る。
怜愛は謝って欲しいわけではないと言っていたのだからここで謝るのは間違っている。
伝えるべき言葉は──多分感謝の方が正しい。
「あ、ありがと。怜愛がマジで心配してくれて嬉しい。前にも言ったけど俺ずっと1人だったからさ、こうやって心配されるのに慣れてねぇっつーか照れるっつーか……とにかくすげぇ嬉しい」
笑顔と共に顔を上げるともう怜愛は怒っていなかった。ぐしゃっと俺の頭を撫でて言う。
「心配するのなんて当たり前だろ。多分この話したらゼロだって紅蓮だって心配するぜ」
「そう……かな」
「ミケは分かんねぇかもしれねぇけど、友達ってのはそういうもんだぜ。無条件で心配するしお節介なぐらい構うんだ」
「……うん」
きっと「友達」というのはそういうものなのだろう。
怜愛に出会って少しずつそれを知れた気がする。
例えば俺も怜愛がなかなか帰ってこない日は心配になるし、軽く怪我をしただけで焦ったりしてしまう。
それはきっと大切だからに他ならない。
「まぁ俺はもうミケのこと友達だと思ってねぇけど」
「え?」
驚いて怜愛を見て──言いたいことに気付く。
怜愛はニイッと口の端を上げていた。
「……えーっと、そういうこと?」
「そういうこと」
怜愛の気持ちは分かっている。
そして俺の気持ちなんて恐らくとっくに知られている。
俺も怜愛も言葉にしていないけれどきっと同じ気持ちだ。
けれど言葉にするべきだと思う。
こういうことはハッキリ言わなければ。
「あのさ、俺……」
「だから付き合おうぜ。俺、ミケのこと好きだしミケも好きでいてくれてるみたいだし」
「あ、うん!」
俺の言葉より早く言い切った怜愛の言葉に頷く。
自分から告白するつもりだったが俺の方が大分遅かった。
恋愛経験豊富な怜愛からすれば些細なことだったのかもしれない。
俺にとっては一大事だったのだけれど。
そう思っていたのが顔に出ていたらしい。
怜愛は少しムッとした表情で言った。
「俺だって少しは緊張したぜ。いくらチャラくたって自分から告ることなんて少ねぇから」
「あー、確かにそっか。怜愛は沢山告られてそうだな」
「そりゃもう沢山な。って言いてぇとこだけどお前が思ってるよりは少ないと思う」
「そう言えばゼロが言ってたな。怜愛はそういうことで苦労してるって」
「ゼロの奴、余計なこといっぱい言ってそうだな」
チッと舌打ちをする怜愛はゼロに対する苛立ちを露にしていたが実際はあまり怒っていないようだった。
親友である2人らしい関係だと思う。
怜愛は俺の隣に座って「はあ」と大きく息を吐いた。
「本当はずっとお前が言ってくれんの待ってた」
「マジ?だとしたらあと2年ぐらい掛かったかも」
「途中からそんな気がしてきたからやべぇなって思って。こんなことならさっさと言えば良かったんだけど自分から告るってなるとなかなか言えなくてな」
「怜愛らしくなくてすげぇ嬉しい」
「何だそりゃ」
ははっと笑う怜愛に視線を向けるとドキッとしてしまった。
友達ではなく恋人になったのだと実感して──途端に恥ずかしくなる。
だが元々人と絡むこと自体が少なかった俺にとって「恋人」など更に有り得ない存在だ。
ドキッとするけれど何となく現実味がない。
「なんか……恋人って感じするようなしねぇような」
「まぁ、そんなもんだろ。付き合うってのは」
「そっか」
「あー、成程。ミケは期待してたわけだ」
「え?何を?」
ぽかんと問い掛けると怜愛は口の端を上げてから俺の顎を掴んだ。
「こういうの」
唇に唇を重ねられ、一瞬何が起きたのか分からなかった。
驚きで目を見開く俺に対して怜愛は綺麗に目を閉じていた。
永遠にも思える数秒が経過して唇が離される。
「……違ぇの?」
「いや!違ぇから!こんなん!想像してなかったし!」
俺の顔は真っ赤になっていただろう。
恥ずかしさと嬉しさと照れと苛立ちと──様々な感情が混ざりあって上手く喋れなくなる。
「だから!すげぇビックリした!てか今も心臓バクバクしてる!」
「それって嬉しかったからじゃねぇの?」
ニッコリ笑う怜愛は余裕綽々で悔しくなる。
ドキドキしているのは俺だけのようで。
「……そうかもしんねぇけどさ」
「なら何でそんなに不貞腐れてんだよ」
「俺ばっかりこうじゃん。怜愛はこういうの慣れてるから当たり前なんだけど悔しい」
「ミケ、俺のこと分かってねぇなぁ。顔に出てねぇだけで俺もかなりドキドキしてるぜ」
そう言われても全く信じられなかった。
ジト目を向けると怜愛は苦笑した。
「何だその顔。信じてねぇな?」
「だって信じらんねぇじゃん。余裕っぽい雰囲気だし」
「ミケほど素直じゃねぇだけだって」
訝しんだ俺はガバッと怜愛に抱き着いた。
胸元に耳をくっつけて初めて納得する。
「あ、マジだった」
「……お前って本当突然大胆になるよな」
怜愛は呆れるように言ってから抱き締め返してきた。
その力強さに驚く。
軽く痛いと感じるぐらいだったけれど、誰かに強く抱き締められることは初めてでその心地良さに浸りたくなった。
怜愛がこのままずっと抱き締めてくれていたらいいのになんて「恋人」のような願いが浮かんで心の中で笑ってしまう。
(あー、やっぱりちゃんと「恋人」って実感湧いてるや)
友達の時はこんなに願わなかった。
ただ一緒にいられれば良くて、話せれば良くて。
でも今はもうそれだけでは物足りないと思ってしまう。
キスしてくれた、抱き締めてくれた──それがすごく幸せで。
友達の時よりももっと幸せに対して貪欲になってしまったのかもしれない。
黙ったまま怜愛の体温を感じていると怜愛が口を開いた。
「怪我、大丈夫か?」
「治療してもらったしすぐ治るだろ」
「恋人になったから今まで以上に心配するし今まで以上にキレると思う」
「うん。俺もちゃんと喧嘩辞める。今日の件は……本当にごめんな。いつもなら見つかっても回避すんだけど囲まれちまって」
「分かってる。お前からやったとは思ってねぇよ」
「ありがと。怜愛は俺のことよくわかってるよなぁ」
なでなでと頭を撫でられ嬉しくなる。
甘えるように顔を埋めると怜愛はククッと笑った。
「ミケって付き合うと変わるタイプじゃねぇ?」
「え、分かんねぇけど。そうか?」
「可愛いからいいけどな」
顔を上げてジーッと見つめる。
ちゅ、と額にキスが落とされた。二度、三度と。
変わったのは怜愛もだと思うのだが黙っておいた。
ドキドキして言えなかったというのが本音だけれど。
「怜愛……」
言葉を続けようとした瞬間、ガラッとドアが開く音がした。
「あ、ごめん。邪魔だった?」
「ゼロ!?」
バッと怜愛から身体を離す。
慌てる俺に反して怜愛は冷静だった。
「ゼロ……何か用か?」
「ここに用があるなんて治療道具取りに来たに決まってるじゃん」
「怪我したのか?」
「紅蓮がね。まさかレアちゃんたちがいるとは思わなかったけど」
「そうは思えねぇけどなぁ」
訝しむ怜愛にゼロは意味深な笑みを返して医務室の棚から救急箱を取り出した。
「邪魔者は退散するね」
「じゃ、邪魔者って。別にそんなことねぇから!」
ワタワタと焦りながら言う俺は明らかに挙動不審だった。
ゼロは整った顔に綺麗な笑みを浮かべる。
「ミケちゃんも良かったねぇ。今度改めてお祝いさせてね。それじゃ、ごゆっくり」
救急箱を持ったゼロは医務室を出て律儀にドアをピッタリと閉めて行った。
何となく気まずくなって目を逸らす。
そんな俺を見て怜愛はフッと笑った。
「露骨だな」
「だってさ……何か照れるだろ。こういうの見られるのって」
「あー……まぁ、そうか?」
「怜愛に同意を求めた俺が馬鹿だった」
根本的に怜愛と俺の考え方は違うのだ。
同じ気持ちになる方が難しい。
はあ、と息を吐いた俺を怜愛は笑って抱き締める。
「ゼロに言う手間省けたって思えばいいんじゃね?」
「うー……まぁな。その辺はもう全部怜愛に任せる」
「おう、任せとけ。ミケの苦手なモンは全部引き受けっから。代わりに俺の苦手なモン引き受けてくれ」
「怜愛に苦手なモンなんてねぇだろ」
思わずジト目で見てしまう。怜愛は肩を竦めた。
「んなことねぇって。一緒にいるようになったら見えてくるんじゃねぇ?」
「だったらいいけど。今のとこ治療が下手ぐらいじゃん」
「まぁな。でも多分もっとあるって。探してみな」
ククッと笑う怜愛に頷く。折角付き合ったのだから見つけてみたい。
そして怜愛の苦手な部分を補うことが出来たらいい。
「分かった。覚悟しとけよ」
「覚悟なのかよ。面白ぇの」
今までも楽しかったけれど、これから先はもっと楽しくなる予感がする。
未来に思いを馳せたら顔がニヤけてしまって。
「ミケって本当に分かりやすいよな」
そんな言葉と共にキスをされ──戸惑う俺に怜愛は嬉しそうに笑って。
(あぁ、これが幸せなんだ)
初めて手に入れた本当の幸せを絶対に離さないと誓った。
人に殴られることなどいつぶりだろう。
長らく喧嘩から離れていた所為か昔よりもずっと痛みを強く感じる。
けれど殴られたのなら殴り返していいはずだ。
俺から喧嘩を吹っ掛けた訳ではない。
やられたからやり返す──それだけだ。
「倍以上で返してやるよっ!」
大声で叫んだ俺は片っ端から殴り始める。
1人目の腹を殴り、2人目の蹴りを避けつつ顎に一撃を食らわせ、3人目の背中を殴った後すぐに4人目にエルボーを食らわせた。
流れるような攻撃に相手チームは怯んだようだった。
「流石だな、お前」
「当たり前だろ。昔より鈍ったってお前らよりは強ぇから」
「多勢に無勢って言葉知ってるか?」
ニヤッと意地悪く笑った相手チームのリーダーがスマホを掲げる。
ザザッと人の足音が聞こえてくる。
1,2,3……10人以上は増えたはずだ。
ニヤニヤと笑いながら俺を囲む奴らは典型的な小物感を醸し出していた。
人数を増やせば俺が怯えるとでも思ったのかもしれない。
随分舐められたものだ。
だから逆に大きく笑ってやった。
「ははっ!いいねぇ、この感じ。懐かしいぜ」
笑い出した俺を不気味に思ったのだろう。
誰も彼も訝しげな視線を送ってくる。
「早く来いよ。1人でも全員同時でも構わねぇから」
「俺たちのこと舐めてんのか?」
「舐めてんのか舐めてねぇのかって聞かれたら舐めてる。完全に舐めてる」
「こいつ……っ!」
怒りで血管を浮き上がらせたリーダーが一歩前に踏み出す。
戦闘開始の合図だろう。そう判断した俺はやられるよりも先に片っ端から殴り始めると決めた。
当然1人を殴れば他の奴らに囲まれる。
そんなことは想定済みだ。
だから俺は狙いをつけた1人目を殴ろうとするフリをして背後に現れた2人に回し蹴りとエルボーを食らわせた。
意表を突くことが出来ればあとは簡単だ。
怯んだ奴らの急所を的確に捉えていく。
敵が大勢いる時はパワーよりもスピードを重視すればいい。
俺の企みは上手くいった。1分足らずで全員を地に伏せさせることが出来た。
「ふぅ。こんなもんか?」
尋ねるとリーダーは苦しそうに顔を歪めながら言った。
「なわけ……ねぇだろ!」
「じゃ、早くしてくれねぇ?俺、早く帰りてぇんだよ」
「舐めやがって!」
リーダーは突然立ち上がり、俺の腹を殴ろうと突撃してくる。
咄嗟に両手で防ぐ。だが思ったより威力が強く、防いだ手の上から衝撃を食らってしまった。
「くっ……!」
一瞬怯んだ俺をリーダーは見逃さなかった。
追い討ちを掛けるように手にしていた鉄の棒を振り回してくる。
「ぉらぁっ!!」
間一髪、直撃は避けられた。
だが頭に当たった所為でよろけてしまいそうになる。
「……くっそ!」
何とか気合で踏ん張り、倒れることはなかった。
もう一撃食らわせようとしてくるリーダーより早く動き、腹に蹴りをお見舞いする。
「ぐはっ!」
運良く直撃したらしい。血を吐いて倒れたリーダーは「はあはあ」と荒い息を繰り返したものの起き上がってくることはなかった。
「もう来るんじゃねぇぞ」
それだけ言って俺はその場を離れた。
そもそも今日は喧嘩するつもりなどなかったのだ。
休日にふらりと出掛けた先でたまたま過去の自分を知る人物に会ってしまったのは不運と言わざるを得ない。
連中とこれまでに戦った記憶はない。
俺の噂だけが未だに独り歩きしているのかもしれない。
(昔は喧嘩売られんの嬉しかったけど今は最悪だ)
喧嘩をほぼ辞めている今となってはいっそ迷惑だった。
自分が昔より弱くなったことは自覚している。
当たり前だ。実戦から離れているのだから劣化していくに決まっている。
それでも最強だった頃の自分のまま噂が出回り続けているのだろう。
嬉しいような煩わしいような複雑な気分だった。
(ったく……今は怪我すると面倒くせぇのに)
自分の姿を見ていないが恐らく頭から流血していて顔面にも傷があるだろう。
拭う程度では隠せそうにない。
(何とかしねぇと)
このまま寮に帰るわけにはいかない。
学校側にバレたら退学を余儀なくされるだろうし、何より同室の怜愛に心配掛けたくなかった。
どうしようかと考えながら路地を出かけた時「ミケ!」と声を掛けられた。
顔を上げる前から分かっていた。その声が怜愛のものだと。
「怜愛!?何でここに!?」
正直に言えば今一番会いたくなかった。
大好きな人にこんな姿を見られたくなかったから。
それに怜愛は──絶対に怒る。
「紅蓮に聞いた。お前が喧嘩してるって」
「は?何で……?」
「練習試合の帰りにこの辺通ってお前とヤバそうな連中が裏路地入るの見たって」
紅蓮の判断は間違いじゃない。むしろ警察でなく怜愛に言ってくれたことは有難かった。
けれど今はどうにか言い訳を考えなければならない。
「そ、そっか。えーっと……」
痛みと突然のことで頭が働かず、何も言葉が出てこない。
怜愛の顔は間違いなくキレている時の顔だ。
何に対して怒っているのかなんて勿論分かっている。
「ミケ、言い訳探してんなら無駄だからな」
「あ、いや……まぁ、その」
「とにかく治療が先だな。寮戻るぞ」
「……うん」
怜愛は俺の手を掴み、歩き出した。
優しく掴む手もその温かさも怜愛らしいと思う。
怒っているくせに優しいのは──俺のことを本気で心配してくれているからだ。
もう怪我はしないと決めたのに。
喧嘩だって辞めると言ったのに。
切っ掛けがどうであれ喧嘩をしたことも怪我をしたことも事実だ。
俺が喧嘩することを快く思っていない怜愛が怒るのも頷ける。
(ごめん、怜愛)
喜ぶ場面ではないとわかっている。
けれどこんなに俺を心配してくれる人が居てくれることが嬉しくて──こっそり笑顔になってしまった。
「いってぇ!」
「殴られた時より痛くねぇだろ」
「どっちもどっちかも……」
寮の医務室へ連れて行かれた俺はすぐに治療を受けた。
19時過ぎの医務室には誰もおらず、怜愛が渋々治療してくれたのだが正直に言って下手くそだった。
消毒液は垂れ流す、絆創膏はサイズ違い、打ち身に誤って攻撃を加えてくる──器用な怜愛にしては珍しかった。
「怜愛にも苦手なことあるんだな」
「こんなこと滅多にやらねぇんだから仕方ねぇだろ。てかキレてる所為もあっから」
「うっ……ごめんな。本当にごめん」
一通り治療してもらい、ベッドに座った俺はしゅんと項垂れた。
弁解の余地もない。
謝ってどうにかなる話でもないが、謝る以外の選択肢が思いつかなかった。
「別に謝って欲しいわけじゃねぇから」
「……」
そう言われてしまうと何も言えなくなる。
怜愛はきっと先程のような顔をしているだろう。
折角俺のことを心配してくれる人に出会えたのに、折角好きになってくれたのに。
悪いのは確実に自分だと分かっているのにどうしていいか分からなかった。
黙っている俺に怜愛は溜息をついてから言った。
「怪我は?痛ぇ?」
「まぁ、それなりに。けど致命傷ってわけでもねぇから大丈夫」
「致命傷食らってたらもっとキレてた」
「ごめ……っ」
謝りかけて首を振る。
怜愛は謝って欲しいわけではないと言っていたのだからここで謝るのは間違っている。
伝えるべき言葉は──多分感謝の方が正しい。
「あ、ありがと。怜愛がマジで心配してくれて嬉しい。前にも言ったけど俺ずっと1人だったからさ、こうやって心配されるのに慣れてねぇっつーか照れるっつーか……とにかくすげぇ嬉しい」
笑顔と共に顔を上げるともう怜愛は怒っていなかった。ぐしゃっと俺の頭を撫でて言う。
「心配するのなんて当たり前だろ。多分この話したらゼロだって紅蓮だって心配するぜ」
「そう……かな」
「ミケは分かんねぇかもしれねぇけど、友達ってのはそういうもんだぜ。無条件で心配するしお節介なぐらい構うんだ」
「……うん」
きっと「友達」というのはそういうものなのだろう。
怜愛に出会って少しずつそれを知れた気がする。
例えば俺も怜愛がなかなか帰ってこない日は心配になるし、軽く怪我をしただけで焦ったりしてしまう。
それはきっと大切だからに他ならない。
「まぁ俺はもうミケのこと友達だと思ってねぇけど」
「え?」
驚いて怜愛を見て──言いたいことに気付く。
怜愛はニイッと口の端を上げていた。
「……えーっと、そういうこと?」
「そういうこと」
怜愛の気持ちは分かっている。
そして俺の気持ちなんて恐らくとっくに知られている。
俺も怜愛も言葉にしていないけれどきっと同じ気持ちだ。
けれど言葉にするべきだと思う。
こういうことはハッキリ言わなければ。
「あのさ、俺……」
「だから付き合おうぜ。俺、ミケのこと好きだしミケも好きでいてくれてるみたいだし」
「あ、うん!」
俺の言葉より早く言い切った怜愛の言葉に頷く。
自分から告白するつもりだったが俺の方が大分遅かった。
恋愛経験豊富な怜愛からすれば些細なことだったのかもしれない。
俺にとっては一大事だったのだけれど。
そう思っていたのが顔に出ていたらしい。
怜愛は少しムッとした表情で言った。
「俺だって少しは緊張したぜ。いくらチャラくたって自分から告ることなんて少ねぇから」
「あー、確かにそっか。怜愛は沢山告られてそうだな」
「そりゃもう沢山な。って言いてぇとこだけどお前が思ってるよりは少ないと思う」
「そう言えばゼロが言ってたな。怜愛はそういうことで苦労してるって」
「ゼロの奴、余計なこといっぱい言ってそうだな」
チッと舌打ちをする怜愛はゼロに対する苛立ちを露にしていたが実際はあまり怒っていないようだった。
親友である2人らしい関係だと思う。
怜愛は俺の隣に座って「はあ」と大きく息を吐いた。
「本当はずっとお前が言ってくれんの待ってた」
「マジ?だとしたらあと2年ぐらい掛かったかも」
「途中からそんな気がしてきたからやべぇなって思って。こんなことならさっさと言えば良かったんだけど自分から告るってなるとなかなか言えなくてな」
「怜愛らしくなくてすげぇ嬉しい」
「何だそりゃ」
ははっと笑う怜愛に視線を向けるとドキッとしてしまった。
友達ではなく恋人になったのだと実感して──途端に恥ずかしくなる。
だが元々人と絡むこと自体が少なかった俺にとって「恋人」など更に有り得ない存在だ。
ドキッとするけれど何となく現実味がない。
「なんか……恋人って感じするようなしねぇような」
「まぁ、そんなもんだろ。付き合うってのは」
「そっか」
「あー、成程。ミケは期待してたわけだ」
「え?何を?」
ぽかんと問い掛けると怜愛は口の端を上げてから俺の顎を掴んだ。
「こういうの」
唇に唇を重ねられ、一瞬何が起きたのか分からなかった。
驚きで目を見開く俺に対して怜愛は綺麗に目を閉じていた。
永遠にも思える数秒が経過して唇が離される。
「……違ぇの?」
「いや!違ぇから!こんなん!想像してなかったし!」
俺の顔は真っ赤になっていただろう。
恥ずかしさと嬉しさと照れと苛立ちと──様々な感情が混ざりあって上手く喋れなくなる。
「だから!すげぇビックリした!てか今も心臓バクバクしてる!」
「それって嬉しかったからじゃねぇの?」
ニッコリ笑う怜愛は余裕綽々で悔しくなる。
ドキドキしているのは俺だけのようで。
「……そうかもしんねぇけどさ」
「なら何でそんなに不貞腐れてんだよ」
「俺ばっかりこうじゃん。怜愛はこういうの慣れてるから当たり前なんだけど悔しい」
「ミケ、俺のこと分かってねぇなぁ。顔に出てねぇだけで俺もかなりドキドキしてるぜ」
そう言われても全く信じられなかった。
ジト目を向けると怜愛は苦笑した。
「何だその顔。信じてねぇな?」
「だって信じらんねぇじゃん。余裕っぽい雰囲気だし」
「ミケほど素直じゃねぇだけだって」
訝しんだ俺はガバッと怜愛に抱き着いた。
胸元に耳をくっつけて初めて納得する。
「あ、マジだった」
「……お前って本当突然大胆になるよな」
怜愛は呆れるように言ってから抱き締め返してきた。
その力強さに驚く。
軽く痛いと感じるぐらいだったけれど、誰かに強く抱き締められることは初めてでその心地良さに浸りたくなった。
怜愛がこのままずっと抱き締めてくれていたらいいのになんて「恋人」のような願いが浮かんで心の中で笑ってしまう。
(あー、やっぱりちゃんと「恋人」って実感湧いてるや)
友達の時はこんなに願わなかった。
ただ一緒にいられれば良くて、話せれば良くて。
でも今はもうそれだけでは物足りないと思ってしまう。
キスしてくれた、抱き締めてくれた──それがすごく幸せで。
友達の時よりももっと幸せに対して貪欲になってしまったのかもしれない。
黙ったまま怜愛の体温を感じていると怜愛が口を開いた。
「怪我、大丈夫か?」
「治療してもらったしすぐ治るだろ」
「恋人になったから今まで以上に心配するし今まで以上にキレると思う」
「うん。俺もちゃんと喧嘩辞める。今日の件は……本当にごめんな。いつもなら見つかっても回避すんだけど囲まれちまって」
「分かってる。お前からやったとは思ってねぇよ」
「ありがと。怜愛は俺のことよくわかってるよなぁ」
なでなでと頭を撫でられ嬉しくなる。
甘えるように顔を埋めると怜愛はククッと笑った。
「ミケって付き合うと変わるタイプじゃねぇ?」
「え、分かんねぇけど。そうか?」
「可愛いからいいけどな」
顔を上げてジーッと見つめる。
ちゅ、と額にキスが落とされた。二度、三度と。
変わったのは怜愛もだと思うのだが黙っておいた。
ドキドキして言えなかったというのが本音だけれど。
「怜愛……」
言葉を続けようとした瞬間、ガラッとドアが開く音がした。
「あ、ごめん。邪魔だった?」
「ゼロ!?」
バッと怜愛から身体を離す。
慌てる俺に反して怜愛は冷静だった。
「ゼロ……何か用か?」
「ここに用があるなんて治療道具取りに来たに決まってるじゃん」
「怪我したのか?」
「紅蓮がね。まさかレアちゃんたちがいるとは思わなかったけど」
「そうは思えねぇけどなぁ」
訝しむ怜愛にゼロは意味深な笑みを返して医務室の棚から救急箱を取り出した。
「邪魔者は退散するね」
「じゃ、邪魔者って。別にそんなことねぇから!」
ワタワタと焦りながら言う俺は明らかに挙動不審だった。
ゼロは整った顔に綺麗な笑みを浮かべる。
「ミケちゃんも良かったねぇ。今度改めてお祝いさせてね。それじゃ、ごゆっくり」
救急箱を持ったゼロは医務室を出て律儀にドアをピッタリと閉めて行った。
何となく気まずくなって目を逸らす。
そんな俺を見て怜愛はフッと笑った。
「露骨だな」
「だってさ……何か照れるだろ。こういうの見られるのって」
「あー……まぁ、そうか?」
「怜愛に同意を求めた俺が馬鹿だった」
根本的に怜愛と俺の考え方は違うのだ。
同じ気持ちになる方が難しい。
はあ、と息を吐いた俺を怜愛は笑って抱き締める。
「ゼロに言う手間省けたって思えばいいんじゃね?」
「うー……まぁな。その辺はもう全部怜愛に任せる」
「おう、任せとけ。ミケの苦手なモンは全部引き受けっから。代わりに俺の苦手なモン引き受けてくれ」
「怜愛に苦手なモンなんてねぇだろ」
思わずジト目で見てしまう。怜愛は肩を竦めた。
「んなことねぇって。一緒にいるようになったら見えてくるんじゃねぇ?」
「だったらいいけど。今のとこ治療が下手ぐらいじゃん」
「まぁな。でも多分もっとあるって。探してみな」
ククッと笑う怜愛に頷く。折角付き合ったのだから見つけてみたい。
そして怜愛の苦手な部分を補うことが出来たらいい。
「分かった。覚悟しとけよ」
「覚悟なのかよ。面白ぇの」
今までも楽しかったけれど、これから先はもっと楽しくなる予感がする。
未来に思いを馳せたら顔がニヤけてしまって。
「ミケって本当に分かりやすいよな」
そんな言葉と共にキスをされ──戸惑う俺に怜愛は嬉しそうに笑って。
(あぁ、これが幸せなんだ)
初めて手に入れた本当の幸せを絶対に離さないと誓った。
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