1 / 41
皇女シャーロット編
地獄のような日々の終わり
しおりを挟む
ゴーンゴーン
皇宮に鐘の音が響き渡る。
ライドーン帝国では皇族が亡くなると鐘が鳴る。
今の鐘は数日間床に臥していた皇帝陛下が崩御したという知らせだろう。
ようやくこの時が来たんだ。
長かった。
私は一人不敵な笑みを浮かべる。
ようやく、あいつらに復讐出来る時が来た―
私はシャーロット・ライドーン
ライドーン帝国の第一皇女だ。
私の母は今は亡き皇后陛下で父である皇帝陛下とは政略結婚だった。
父には元々相思相愛の恋人がいたという。
その恋人は身分が低く、皇后には出来なかったため仕方なく母を正妃に据えたそうだ。
父は母との間に子供を二人作ると用済みだと言わんばかりに母を放置し、元恋人を愛妾として皇宮に迎え入れた。
愛妾はすぐに懐妊し、第二皇女プリシラが生まれた。
父を心から愛していた母は次第に病んでいき、床に臥せてしまった。
父は母の最期にも立ち会わなかった。
娘の私から見てもろくでもない男だと思う。
後に聞いた話だが母の最期の時、父は愛妾と遊び呆けていたという。
私はその時復讐を誓った。
愛妾と、プリシラに。
お母様は優しい人だった。
死の間際まで私やお兄様を気遣ってくれた。
そんなお母様が何故こんな死に方をしたのか。
お母様はあんな風に死んでいい人ではなかった。
全てあの女のせいだ。
あのお父様の元恋人であり、寵愛を一身に受けていたキャサリンという愛妾。
あの女はハッキリ言って性格最悪だ。
使用人達にお母様を虐げるように指示し、自分は皇帝の寵愛を笠に着て贅沢三昧の日々を送っていた。
そんな両親のもとで甘やかされていたからかプリシラも我儘に育った。
思い通りにならないとすぐに癇癪を起こし周りに当たり散らし、礼儀やマナーも全くなっていない。
だけど皇帝があの二人を溺愛しているのは事実だから誰も逆らえない。
正妻の子供であり、皇女である私よりも皇宮内の地位が高いと言えるだろう。
皇帝の寵愛に勝るものなど無いのだ。
お父様はお母様亡き後愛妾のキャサリンを皇后にしようとしたが平民だったキャサリンを皇后にするのに貴族たちが猛反対し、結局それは叶わなかった。
この皇宮で私の居場所なんて無い。
キャサリンやプリシラは何故か昔から私を嫌っていた。
そうして私は皇宮内で冷遇されるようになった。
頼れる人なんて誰もいない。
お母様が亡くなってからはあいつらに対する復讐だけを糧に生きてきた。
キャサリンたちが権力を振りかざすことの出来る時がもう終わったのだ。
私はふと目を閉じて皇宮内での地獄の日々を思い出す。
皇宮に鐘の音が響き渡る。
ライドーン帝国では皇族が亡くなると鐘が鳴る。
今の鐘は数日間床に臥していた皇帝陛下が崩御したという知らせだろう。
ようやくこの時が来たんだ。
長かった。
私は一人不敵な笑みを浮かべる。
ようやく、あいつらに復讐出来る時が来た―
私はシャーロット・ライドーン
ライドーン帝国の第一皇女だ。
私の母は今は亡き皇后陛下で父である皇帝陛下とは政略結婚だった。
父には元々相思相愛の恋人がいたという。
その恋人は身分が低く、皇后には出来なかったため仕方なく母を正妃に据えたそうだ。
父は母との間に子供を二人作ると用済みだと言わんばかりに母を放置し、元恋人を愛妾として皇宮に迎え入れた。
愛妾はすぐに懐妊し、第二皇女プリシラが生まれた。
父を心から愛していた母は次第に病んでいき、床に臥せてしまった。
父は母の最期にも立ち会わなかった。
娘の私から見てもろくでもない男だと思う。
後に聞いた話だが母の最期の時、父は愛妾と遊び呆けていたという。
私はその時復讐を誓った。
愛妾と、プリシラに。
お母様は優しい人だった。
死の間際まで私やお兄様を気遣ってくれた。
そんなお母様が何故こんな死に方をしたのか。
お母様はあんな風に死んでいい人ではなかった。
全てあの女のせいだ。
あのお父様の元恋人であり、寵愛を一身に受けていたキャサリンという愛妾。
あの女はハッキリ言って性格最悪だ。
使用人達にお母様を虐げるように指示し、自分は皇帝の寵愛を笠に着て贅沢三昧の日々を送っていた。
そんな両親のもとで甘やかされていたからかプリシラも我儘に育った。
思い通りにならないとすぐに癇癪を起こし周りに当たり散らし、礼儀やマナーも全くなっていない。
だけど皇帝があの二人を溺愛しているのは事実だから誰も逆らえない。
正妻の子供であり、皇女である私よりも皇宮内の地位が高いと言えるだろう。
皇帝の寵愛に勝るものなど無いのだ。
お父様はお母様亡き後愛妾のキャサリンを皇后にしようとしたが平民だったキャサリンを皇后にするのに貴族たちが猛反対し、結局それは叶わなかった。
この皇宮で私の居場所なんて無い。
キャサリンやプリシラは何故か昔から私を嫌っていた。
そうして私は皇宮内で冷遇されるようになった。
頼れる人なんて誰もいない。
お母様が亡くなってからはあいつらに対する復讐だけを糧に生きてきた。
キャサリンたちが権力を振りかざすことの出来る時がもう終わったのだ。
私はふと目を閉じて皇宮内での地獄の日々を思い出す。
286
あなたにおすすめの小説
溺愛されている妹の高慢な態度を注意したら、冷血と評判な辺境伯の元に嫁がされることになりました。
木山楽斗
恋愛
侯爵令嬢であるラナフィリアは、妹であるレフーナに辟易としていた。
両親に溺愛されて育ってきた彼女は、他者を見下すわがままな娘に育っており、その相手にラナフィリアは疲れ果てていたのだ。
ある時、レフーナは晩餐会にてとある令嬢のことを罵倒した。
そんな妹の高慢なる態度に限界を感じたラナフィリアは、レフーナを諫めることにした。
だが、レフーナはそれに激昂した。
彼女にとって、自分に従うだけだった姉からの反抗は許せないことだったのだ。
その結果、ラナフィリアは冷血と評判な辺境伯の元に嫁がされることになった。
姉が不幸になるように、レフーナが両親に提言したからである。
しかし、ラナフィリアが嫁ぐことになった辺境伯ガルラントは、噂とは異なる人物だった。
戦士であるため、敵に対して冷血ではあるが、それ以外の人物に対して紳士的で誠実な人物だったのだ。
こうして、レフーナの目論見は外れ、ラナフェリアは辺境で穏やかな生活を送るのだった。
婚約者に突き飛ばされて前世を思い出しました
天宮有
恋愛
伯爵令嬢のミレナは、双子の妹キサラより劣っていると思われていた。
婚約者のルドノスも同じ考えのようで、ミレナよりキサラと婚約したくなったらしい。
排除しようとルドノスが突き飛ばした時に、ミレナは前世の記憶を思い出し危機を回避した。
今までミレナが支えていたから、妹の方が優秀と思われている。
前世の記憶を思い出したミレナは、キサラのために何かすることはなかった。
【完結】『妹の結婚の邪魔になる』と家族に殺されかけた妖精の愛し子の令嬢は、森の奥で引きこもり魔術師と出会いました。
夏灯みかん
恋愛
メリルはアジュール王国侯爵家の長女。幼いころから妖精の声が聞こえるということで、家族から気味悪がられ、屋敷から出ずにひっそりと暮らしていた。しかし、花の妖精の異名を持つ美しい妹アネッサが王太子と婚約したことで、両親はメリルを一族の恥と思い、人知れず殺そうとした。
妖精たちの助けで屋敷を出たメリルは、時間の止まったような不思議な森の奥の一軒家で暮らす魔術師のアルヴィンと出会い、一緒に暮らすことになった。
自分こそは妹だと言い張る、私の姉
ゆきな
恋愛
地味で大人しいカトリーヌと、可愛らしく社交的なレイラは、見た目も性格も対照的な姉妹。
本当はレイラの方が姉なのだが、『妹の方が甘えられるから』という、どうでも良い理由で、幼い頃からレイラが妹を自称していたのである。
誰も否定しないせいで、いつしか、友人知人はもちろん、両親やカトリーヌ自身でさえも、レイラが妹だと思い込むようになっていた。
そんなある日のこと、『妹の方を花嫁として迎えたい』と、スチュアートから申し出を受ける。
しかしこの男、無愛想な乱暴者と評判が悪い。
レイラはもちろん
「こんな人のところにお嫁に行くのなんて、ごめんだわ!」
と駄々をこね、何年かぶりに
「だって本当の『妹』はカトリーヌのほうでしょう!
だったらカトリーヌがお嫁に行くべきだわ!」
と言い放ったのである。
スチュアートが求めているのは明らかに可愛いレイラの方だろう、とカトリーヌは思ったが、
「実は求婚してくれている男性がいるの。
私も結婚するつもりでいるのよ」
と泣き出すレイラを見て、自分が嫁に行くことを決意する。
しかし思った通り、スチュアートが求めていたのはレイラの方だったらしい。
カトリーヌを一目見るなり、みるみる険しい顔になり、思い切り壁を殴りつけたのである。
これではとても幸せな結婚など望めそうにない。
しかし、自分が行くと言ってしまった以上、もう実家には戻れない。
カトリーヌは底なし沼に沈んでいくような気分だったが、時が経つにつれ、少しずつスチュアートとの距離が縮まり始めて……?
【完結済み】妹の婚約者に、恋をした
鈴蘭
恋愛
妹を溺愛する母親と、仕事ばかりしている父親。
刺繍やレース編みが好きなマーガレットは、両親にプレゼントしようとするが、何時も妹に横取りされてしまう。
可愛がって貰えず、愛情に飢えていたマーガレットは、気遣ってくれた妹の婚約者に恋をしてしまった。
無事完結しました。
【完結】あなたに従う必要がないのに、命令なんて聞くわけないでしょう。当然でしょう?
チカフジ ユキ
恋愛
伯爵令嬢のアメルは、公爵令嬢である従姉のリディアに使用人のように扱われていた。
そんなアメルは、様々な理由から十五の頃に海を挟んだ大国アーバント帝国へ留学する。
約一年後、リディアから離れ友人にも恵まれ日々を暮らしていたそこに、従姉が留学してくると知る。
しかし、アメルは以前とは違いリディアに対して毅然と立ち向かう。
もう、リディアに従う必要がどこにもなかったから。
リディアは知らなかった。
自分の立場が自国でどうなっているのかを。
妹と王子殿下は両想いのようなので、私は身を引かせてもらいます。
木山楽斗
恋愛
侯爵令嬢であるラナシアは、第三王子との婚約を喜んでいた。
民を重んじるというラナシアの考えに彼は同調しており、良き夫婦になれると彼女は考えていたのだ。
しかしその期待は、呆気なく裏切られることになった。
第三王子は心の中では民を見下しており、ラナシアの妹と結託して侯爵家を手に入れようとしていたのである。
婚約者の本性を知ったラナシアは、二人の計画を止めるべく行動を開始した。
そこで彼女は、公爵と平民との間にできた妾の子の公爵令息ジオルトと出会う。
その出自故に第三王子と対立している彼は、ラナシアに協力を申し出てきた。
半ば強引なその申し出をラナシアが受け入れたことで、二人は協力関係となる。
二人は王家や公爵家、侯爵家の協力を取り付けながら、着々と準備を進めた。
その結果、妹と第三王子が計画を実行するよりも前に、ラナシアとジオルトの作戦が始まったのだった。
えっ「可愛いだけの無能な妹」って私のことですか?~自業自得で追放されたお姉様が戻ってきました。この人ぜんぜん反省してないんですけど~
村咲
恋愛
ずっと、国のために尽くしてきた。聖女として、王太子の婚約者として、ただ一人でこの国にはびこる瘴気を浄化してきた。
だけど国の人々も婚約者も、私ではなく妹を選んだ。瘴気を浄化する力もない、可愛いだけの無能な妹を。
私がいなくなればこの国は瘴気に覆いつくされ、荒れ果てた不毛の地となるとも知らず。
……と思い込む、国外追放されたお姉様が戻ってきた。
しかも、なにを血迷ったか隣国の皇子なんてものまで引き連れて。
えっ、私が王太子殿下や国の人たちを誘惑した? 嘘でお姉様の悪評を立てた?
いやいや、悪評が立ったのも追放されたのも、全部あなたの自業自得ですからね?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる