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第五章 疑惑 = 希望 + 変貌
55.ギシンアンキ
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こんなにウマイ飯は久しぶりだった。やっぱり猪の肉はカピバラよりはるかに上等で深い味わいをもたらしてくれる。これで後は寝転がっていつの間にか寝落ちするなんてのが最高である。しかし現実はそう優しくない。
「虹子はさ、一体何がしたいわけ?
この間言ったばっかりだよね?
別にウチは無理やり押し付けたくて言ってるわけじゃないの。
自分の為じゃなくて虹子のためにって考えてるんだけど迷惑なの?
それともウチの勘違いだって言うの?」
「いや、そんなことないけど……
ただできれば仲良くしてもらいたくて、同じパーティーだし」
「同じパーティー? それがすでに間違ってんの!
ただおにいが押し付けられた探索指導の学生でしょ?
絶対にうちのメンバーなんかじゃないんだからね!
おにいが引き受けて来て面子を潰すわけにいかないからウチは協力してるの。
ただそれだけで、今後もずっと面倒見るつもりなんてないんだから!」
「で、でも…… 本当にいい子なんだよ?
そりゃもしかしたらリクのこと好きなのかもしれないけどさ。
それはそれで仲間と言うか同類と言うか友達と言うか……」
「甘い! 虹子は甘すぎる!
おにいなんてまだ小さいガキだから不安に感じないかもだけどさ?
あと二、三年もしたら女の子の裸見て喜ぶようになるんだからね。
今だってあの女のおっぱいチラチラみてるってのにさ!」
まったくひどい言われようである。そりゃ俺だって男女の違いくらいわかってるし、虹子のことを可愛いって思ったことだってある。それに客観的に見て美菜実のほうがかわいいって言われるタイプなのも理解している。
「大丈夫だよ、紗由ちゃんが心配するようなことはないって。
もし私が選ばれなくても仕方ないとは思ってる。
でも私の代わりに外見だけで美菜実ちゃんが選ばれることだってないよ」
「そんなのわかんないでしょ?
今はそうかもしれないけど数年後はわからないって言ってるの。
虹子はそれでもいいわけ?」
「でもリクが見た目で私を選ぶなんてことないよ?
長い付き合いがあるからもしかしたらはあるかもだけど。
だから美菜実ちゃんが私に見た目を寄せた段階でリクの好みから外れたってこと。
リクの好みって言うのは――」
「おいおい! 俺の目の前でそういう恥ずかしい話しないでくれよ!
紗由ももうその辺でいいだろ?
虹子だって悪気はなかったんだしさ、な? そうだよな?」
「うん、私はただ仲良く、無くてもいいから一人だけ仲間外れはいやだなって。
せめて探索中の通信はしてあげて欲しいの。
一人だけ無言にされてるのちゃんとわかってるんだもん」
「じゃあ今度から探索指導の時はオペやらない。
ウチの代わりに大学の余ってる学生に頼んでよ。
それなら公平でしょ?」
「おい紗由、それは言いすぎだぞ。
別に何かされたわけじゃないのにそこまで毛嫌いすることはないだろ?
なにがそんなに気に入らないんだ?」
「だってあの女って嘘つきじゃん。
ウチらに本当の自分を隠して、自分自身のことも偽って外見作ってんだから。
そんなやつ、男女関係なく信用できないに決まってる。
信用できないやつとはウチ絶対喋らないからね」
確かにそれはもっともな意見だ。入学時に提出した写真が本来の美菜実だとしたら、今の姿は完全に作ってると言うことになる。だが、たとえば元々は野暮ったくて大学進学と共にイメチェンするってのは結構聞く話だから理解できる。
しかし彼女の場合はどちらかというと逆のことをしているわけだし、それも入学してから他人に似せたと言う気味悪さもあるのだ。それがたまたま虹子の外見を真似したかったからだ、なんてことは考えにくく、紗由が疑っているように俺自身や紗由の発明品に近づく目的かもしれないと思うのも無理はない。
「それなら明日にでも話し合ってみて、真相を明らかにしよう。
ちゃんと話してくれないようなら指導を断ることにするよ。
なんだかんだ言って俺もちょっと気味悪いと思ってるしな」
「それなら明日泊まりだから私が話をしてくるよ。
ちゃんと話してくれたら仲良くなれる気がするしね。
事前に高科先生へ話通しておいた方がいいよね?」
「そうだな、俺は明日探索は休んで大学の講義に行くからさ。
先生のところへは一緒に行って話をしよう。
紗由もそれでいいな?」
「内容次第だけどまずはそれでいい。
でも二人が納得してもウチが納得できなかったらオペはしないからね」
俺と虹子はもちろんだ、と頷いた。
「虹子はさ、一体何がしたいわけ?
この間言ったばっかりだよね?
別にウチは無理やり押し付けたくて言ってるわけじゃないの。
自分の為じゃなくて虹子のためにって考えてるんだけど迷惑なの?
それともウチの勘違いだって言うの?」
「いや、そんなことないけど……
ただできれば仲良くしてもらいたくて、同じパーティーだし」
「同じパーティー? それがすでに間違ってんの!
ただおにいが押し付けられた探索指導の学生でしょ?
絶対にうちのメンバーなんかじゃないんだからね!
おにいが引き受けて来て面子を潰すわけにいかないからウチは協力してるの。
ただそれだけで、今後もずっと面倒見るつもりなんてないんだから!」
「で、でも…… 本当にいい子なんだよ?
そりゃもしかしたらリクのこと好きなのかもしれないけどさ。
それはそれで仲間と言うか同類と言うか友達と言うか……」
「甘い! 虹子は甘すぎる!
おにいなんてまだ小さいガキだから不安に感じないかもだけどさ?
あと二、三年もしたら女の子の裸見て喜ぶようになるんだからね。
今だってあの女のおっぱいチラチラみてるってのにさ!」
まったくひどい言われようである。そりゃ俺だって男女の違いくらいわかってるし、虹子のことを可愛いって思ったことだってある。それに客観的に見て美菜実のほうがかわいいって言われるタイプなのも理解している。
「大丈夫だよ、紗由ちゃんが心配するようなことはないって。
もし私が選ばれなくても仕方ないとは思ってる。
でも私の代わりに外見だけで美菜実ちゃんが選ばれることだってないよ」
「そんなのわかんないでしょ?
今はそうかもしれないけど数年後はわからないって言ってるの。
虹子はそれでもいいわけ?」
「でもリクが見た目で私を選ぶなんてことないよ?
長い付き合いがあるからもしかしたらはあるかもだけど。
だから美菜実ちゃんが私に見た目を寄せた段階でリクの好みから外れたってこと。
リクの好みって言うのは――」
「おいおい! 俺の目の前でそういう恥ずかしい話しないでくれよ!
紗由ももうその辺でいいだろ?
虹子だって悪気はなかったんだしさ、な? そうだよな?」
「うん、私はただ仲良く、無くてもいいから一人だけ仲間外れはいやだなって。
せめて探索中の通信はしてあげて欲しいの。
一人だけ無言にされてるのちゃんとわかってるんだもん」
「じゃあ今度から探索指導の時はオペやらない。
ウチの代わりに大学の余ってる学生に頼んでよ。
それなら公平でしょ?」
「おい紗由、それは言いすぎだぞ。
別に何かされたわけじゃないのにそこまで毛嫌いすることはないだろ?
なにがそんなに気に入らないんだ?」
「だってあの女って嘘つきじゃん。
ウチらに本当の自分を隠して、自分自身のことも偽って外見作ってんだから。
そんなやつ、男女関係なく信用できないに決まってる。
信用できないやつとはウチ絶対喋らないからね」
確かにそれはもっともな意見だ。入学時に提出した写真が本来の美菜実だとしたら、今の姿は完全に作ってると言うことになる。だが、たとえば元々は野暮ったくて大学進学と共にイメチェンするってのは結構聞く話だから理解できる。
しかし彼女の場合はどちらかというと逆のことをしているわけだし、それも入学してから他人に似せたと言う気味悪さもあるのだ。それがたまたま虹子の外見を真似したかったからだ、なんてことは考えにくく、紗由が疑っているように俺自身や紗由の発明品に近づく目的かもしれないと思うのも無理はない。
「それなら明日にでも話し合ってみて、真相を明らかにしよう。
ちゃんと話してくれないようなら指導を断ることにするよ。
なんだかんだ言って俺もちょっと気味悪いと思ってるしな」
「それなら明日泊まりだから私が話をしてくるよ。
ちゃんと話してくれたら仲良くなれる気がするしね。
事前に高科先生へ話通しておいた方がいいよね?」
「そうだな、俺は明日探索は休んで大学の講義に行くからさ。
先生のところへは一緒に行って話をしよう。
紗由もそれでいいな?」
「内容次第だけどまずはそれでいい。
でも二人が納得してもウチが納得できなかったらオペはしないからね」
俺と虹子はもちろんだ、と頷いた。
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