29 / 102
29 崖下での発見
しおりを挟む
「落下ダメージは防御力で軽減できない固定ダメージが高さごとにあるのだ。で、鞄が重いと落ちたときにダメージが上乗せされる仕様なのだ。そっちの子はかなり重かったのではと思うのだ」
考えていると、パヴロヴァが解説した。
「おお、なるほど」
たしかに、この中で一番ものを詰め込んでいるのはイリネイカだろう。俺たちが遊びで戦っている間も採集していたから、素材を詰め込んでいてかなり重いはずだ。
「重量オーバーにならないように気を使っていたのに、そんな落とし穴もあるんですね」
イリネイカは頭をかいた。
「この世界は、このゲームを管理するAIが作った独自の物理システムが働いているのだ」
「ほう?」
補助だけでなく管理もAIなのか。
そして独自の物理学というのは、代替物理学の一種だろうか。
AIによって設定された変数に基づいてゲーム内の物理演算を行っているということだろう。魔法やスキルといったゲーム特有の要素も、その独自の物理学の中に組み込まれているはずだ。
「アイテムにはそれぞれ重量が設定されていて、それによって重さが決まっているのだ。重いほど、落ちたときのダメージがでかくなるのだ。詳しくは公式wiki見るのだ」
「しかし三十メートルくらいはある崖だが、逆に落ちても無事なのだな」
さすが冒険者といったところか。
「いや、三十五メートルありますね」
イリネイカが俺の言葉を訂正した。どっちでもいいのだが、崖からは普通に落ちることがわかった。
「まあ、何メートルにしても、俺はリアルで落ちても無傷の自信があるがな」
「さすが魔王なのだ」
パヴロヴァがすかさず言った。
「魔王って体が丈夫なんですね!」
「うむ。しかし……」
気を取り直して、周囲を見回す。
日が暮れてきており、あたりが薄暗くなっている中、ぼんやりと青白く光る水晶のようなオブジェクトを見つけた。
「青白い光だ」
初めて見る石だ。どこをどう見ても採掘可能だろう。
俺は青白い水晶に向けてピッケルを叩いた。
セレスルミナイト
ランク:★★
日中は太陽の光を集め、夜になると青白く光る石。アクセサリー等に加工可能。
採集できたのは、天青石のような透明度の高い空色の石だった。
「夜に青白く光る石……俺が見た光はこれか?」
アイテムをしまわずに手に持ち、セレスルミナイトをつぶさに見てみる。
夜になるにつれて、光が増しているように見える。
「こんなところでもセレスルミナイトが採掘できるなんて、おじさん知らなかったのだ」
パヴロヴァは意外そうに言った。
「それで、光の謎は解けたのだ?」
「ううむ、この石と見間違えた可能性はある。だがそれにしたって崖の下だから、俺が遠くから見られるはずがないんだが」
となると、期待するべきは『旅人の手記』だろう。
「すまん、気になるドロップアイテムが出るまで、あれは俺に掘らせてくれないか?」
セレスルミナイトの採集資源を指差して言うと、二人は快くうなずいた。
素材がドロップしなくなるまでピッケルでセレスルミナイトを掘ると、案外早く目的のものはドロップした。
旅人の手記②
ランク:★★
古い紙で、以下のことだけ書かれている。
『私はもう半分くらいあの城に取り込まれている。青黒い炎が頭にまで回っている。もう手遅れだ。だからせめてこの魔力を込めた手記を残す。おそろしい悪霊たちをひれ伏せられる者が、これを拾うことを願って』
錬金専用素材
「『あの城』? どの城だ?」
手記の説明文を読んで首をかしげていると、アナウンスが流れた。
特定アイテムの収集により、該当のクラフトアイテムがアンロックされました。
考えていると、パヴロヴァが解説した。
「おお、なるほど」
たしかに、この中で一番ものを詰め込んでいるのはイリネイカだろう。俺たちが遊びで戦っている間も採集していたから、素材を詰め込んでいてかなり重いはずだ。
「重量オーバーにならないように気を使っていたのに、そんな落とし穴もあるんですね」
イリネイカは頭をかいた。
「この世界は、このゲームを管理するAIが作った独自の物理システムが働いているのだ」
「ほう?」
補助だけでなく管理もAIなのか。
そして独自の物理学というのは、代替物理学の一種だろうか。
AIによって設定された変数に基づいてゲーム内の物理演算を行っているということだろう。魔法やスキルといったゲーム特有の要素も、その独自の物理学の中に組み込まれているはずだ。
「アイテムにはそれぞれ重量が設定されていて、それによって重さが決まっているのだ。重いほど、落ちたときのダメージがでかくなるのだ。詳しくは公式wiki見るのだ」
「しかし三十メートルくらいはある崖だが、逆に落ちても無事なのだな」
さすが冒険者といったところか。
「いや、三十五メートルありますね」
イリネイカが俺の言葉を訂正した。どっちでもいいのだが、崖からは普通に落ちることがわかった。
「まあ、何メートルにしても、俺はリアルで落ちても無傷の自信があるがな」
「さすが魔王なのだ」
パヴロヴァがすかさず言った。
「魔王って体が丈夫なんですね!」
「うむ。しかし……」
気を取り直して、周囲を見回す。
日が暮れてきており、あたりが薄暗くなっている中、ぼんやりと青白く光る水晶のようなオブジェクトを見つけた。
「青白い光だ」
初めて見る石だ。どこをどう見ても採掘可能だろう。
俺は青白い水晶に向けてピッケルを叩いた。
セレスルミナイト
ランク:★★
日中は太陽の光を集め、夜になると青白く光る石。アクセサリー等に加工可能。
採集できたのは、天青石のような透明度の高い空色の石だった。
「夜に青白く光る石……俺が見た光はこれか?」
アイテムをしまわずに手に持ち、セレスルミナイトをつぶさに見てみる。
夜になるにつれて、光が増しているように見える。
「こんなところでもセレスルミナイトが採掘できるなんて、おじさん知らなかったのだ」
パヴロヴァは意外そうに言った。
「それで、光の謎は解けたのだ?」
「ううむ、この石と見間違えた可能性はある。だがそれにしたって崖の下だから、俺が遠くから見られるはずがないんだが」
となると、期待するべきは『旅人の手記』だろう。
「すまん、気になるドロップアイテムが出るまで、あれは俺に掘らせてくれないか?」
セレスルミナイトの採集資源を指差して言うと、二人は快くうなずいた。
素材がドロップしなくなるまでピッケルでセレスルミナイトを掘ると、案外早く目的のものはドロップした。
旅人の手記②
ランク:★★
古い紙で、以下のことだけ書かれている。
『私はもう半分くらいあの城に取り込まれている。青黒い炎が頭にまで回っている。もう手遅れだ。だからせめてこの魔力を込めた手記を残す。おそろしい悪霊たちをひれ伏せられる者が、これを拾うことを願って』
錬金専用素材
「『あの城』? どの城だ?」
手記の説明文を読んで首をかしげていると、アナウンスが流れた。
特定アイテムの収集により、該当のクラフトアイテムがアンロックされました。
13
あなたにおすすめの小説
ゲームコインをザクザク現金化。還暦オジ、田舎で世界を攻略中
あ、まん。
ファンタジー
仕事一筋40年。
結婚もせずに会社に尽くしてきた二瓶豆丸。
定年を迎え、静かな余生を求めて山奥へ移住する。
だが、突如世界が“数値化”され、現実がゲームのように変貌。
唯一の趣味だった15年続けた積みゲー「モリモリ」が、 なぜか現実世界とリンクし始める。
化け物が徘徊する世界で出会ったひとりの少女、滝川歩茶。
彼女を守るため、豆丸は“積みゲー”スキルを駆使して立ち上がる。
現金化されるコイン、召喚されるゲームキャラたち、 そして迫りくる謎の敵――。
これは、還暦オジが挑む、〝人生最後の積みゲー〟であり〝世界最後の攻略戦〟である。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
スキルハンター~ぼっち&ひきこもり生活を配信し続けたら、【開眼】してスキルの覚え方を習得しちゃった件~
名無し
ファンタジー
主人公の時田カケルは、いつも同じダンジョンに一人でこもっていたため、《ひきこうもりハンター》と呼ばれていた。そんなカケルが動画の配信をしても当たり前のように登録者はほとんど集まらなかったが、彼は現状が楽だからと引きこもり続けていた。そんなある日、唯一見に来てくれていた視聴者がいなくなり、とうとう無の境地に達したカケル。そこで【開眼】という、スキルの覚え方がわかるというスキルを習得し、人生を大きく変えていくことになるのだった……。
【完結】婚活に疲れた救急医まだ見ぬ未来の嫁ちゃんを求めて異世界へ行く
川原源明
ファンタジー
伊東誠明(いとうまさあき)35歳
都内の大学病院で救命救急センターで医師として働いていた。仕事は順風満帆だが、プライベートを満たすために始めた婚活も運命の女性を見つけることが出来ないまま5年の月日が流れた。
そんな時、久しぶりに命の恩人であり、医師としての師匠でもある秋津先生を見かけ「良い人を紹介してください」と伝えたが、良い答えは貰えなかった。
自分が居る救命救急センターの看護主任をしている萩原さんに相談してみてはと言われ、職場に戻った誠明はすぐに萩原さんに相談すると、仕事後によく当たるという占いに行くことになった。
終業後、萩原さんと共に占いの館を目指していると、萩原さんから不思議な事を聞いた。「何か深い悩みを抱えてない限りたどり着けないとい」という、不安な気持ちになりつつも、占いの館にたどり着いた。
占い師の老婆から、運命の相手は日本に居ないと告げられ、国際結婚!?とワクワクするような答えが返ってきた。色々旅支度をしたうえで、3日後再度占いの館に来るように指示された。
誠明は、どんな辺境の地に行っても困らないように、キャンプ道具などの道具から、食材、手術道具、薬等買える物をすべてそろえてた。
3日後占いの館を訪れると。占い師の老婆から思わぬことを言われた。国際結婚ではなく、異世界結婚だと判明し、行かなければ生涯独身が約束されると聞いて、迷わず行くという選択肢を取った。
異世界転移から始まる運命の嫁ちゃん探し、誠明は無事理想の嫁ちゃんを迎えることが出来るのか!?
異世界で、医師として活動しながら婚活する物語!
全90話+幕間予定 90話まで作成済み。
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる