上 下
272 / 414
2024年7月

7月4日

しおりを挟む
いつものように長男だけを送ろうかと思ったが、長女も送った。
車は楽でいいと喜んでいた。
妻が長女にどこまで話たのかも、長女がどこまで知っているのかも聞けないままだった。
どのタイミングで、どう切り出したらいのだろうか。
学校から少し離れた場所でおろすと、同じクラスのだと思われる女の子に話しかけられていた。
手を振ると振り返してくれた。
ミントグリーンのランドセルだった。

幼稚園には妻が確認の連絡しておくので、まだ来て欲しくないと言われたら電話するからと話ていたが何もなかったのでそのまま送って行った。
幼稚園に着くと担任の先生が出迎えてくれた。
「治って良かったぁ、心配してたんだよ。」と言われた長男は、「ほんとはもっと早く治ったけど、おじいちゃんのお家に行ったんだよ。」と説明していた。
ジュン君はもう来ていると聞いて、靴も脱ぎ捨てて靴下で走って建物の奥に消えていった。
担任の先生との間に気まずい空気が流れたので、長男をよろしくと伝え、早々に車に戻った。
いい加減に落ち着いてくれ。

出社すると、東と早瀬さんと富田さんがいた。
迷惑をかけたと思い謝ろとすると、「大変だったよな、お疲れ様。」と富田さんに声をかけられた。
感謝を伝え、仕事の話をして確認した。
帯状疱疹のワクチンの費用負担の話をすると、東から水疱瘡のワクチンは打ってないのかと聞かれた。
長男は2回打ち、双子は2回目のタイミングを探っていたことを話すと、早瀬さんが「今って水疱瘡もワクチンあるの?」と驚いていた。
妻も体質でワクチンを打っても病気に罹っていたので遺伝かもしれないと話した。
東が「それなら、仕方ないな。うちの保育園にあれな親がいるから変な病気流行ったらって心配してるんだよ。」と不満そうにしていた。
『あれな』とは何かと聞くと、「ワクチンは毒ってやつ。」
大変だなと笑うと、「そういううちの子と社長の家の子は相性最悪よ?出来るだけそういう子から離れないと、大変な病気うつされるから。」と早瀬さんが心配していた。
そんなことを考えたことはなかったが、よく考えると深刻な問題だ。
東に近づかないように言ってるのかと聞くと、元から仲良くないからと言葉を濁した。
早瀬さんが更に聞くと、親子共々浮いているそうだ。
ワクチンを打っている子に近づくなと言われているらしく、1人で過ごしているらしいと心配していた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

夫が寵姫に夢中ですので、私は離宮で気ままに暮らします

希猫 ゆうみ
恋愛
王妃フランチェスカは見切りをつけた。 国王である夫ゴドウィンは踊り子上がりの寵姫マルベルに夢中で、先に男児を産ませて寵姫の子を王太子にするとまで嘯いている。 隣国王女であったフランチェスカの莫大な持参金と、結婚による同盟が国を支えてるというのに、恩知らずも甚だしい。 「勝手にやってください。私は離宮で気ままに暮らしますので」

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

私の部屋で兄と不倫相手の女が寝ていた。

ほったげな
恋愛
私が家に帰ってきたら、私の部屋のベッドで兄と不倫相手の女が寝ていた。私は不倫の証拠を見つけ、両親と兄嫁に話すと…?!

大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。 でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。 けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。 同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。 そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...