20 / 255
2章 気持ちを育む
11
しおりを挟む
結局、何度も婚約解消するようにフリーク侯爵家からは圧力を掛けられてたが、子爵家にしては資産も権力もあるお父様は、それを跳ね除けてくださった。
どんなにフリーク侯爵家の方がうちより身分が高くても、ルーク様の家が同じ侯爵家である限り、デイヴィス侯爵家がうんと言わなければ、フリーク侯爵家にはどうすることもできないのだ。
デイヴィス侯爵様は、ルーク様の意見を汲んで、わたしとの婚約をこのまま進めてくださると言っていた。
心配ごとがなくなり、わたしとお姉様は建国祭のことで頭がいっぱいだ。
建国祭では、年に一度だけ、子どもでも夜のパーティーに参加してもいいことになっている。
その代わり、始まりの時間は早く、終わりの時間も早い。
それでも、わたしたち子どもは夜更かしができる唯一の日であり、大人のように着飾れるとても楽しみな日なのだ。
「ジーナ、建国祭のパーティで着るドレスはお揃いにしましょうよ」
「お姉様、わたしがお姉様と同じドレスを着たら、比べられてしまうじゃないですか。お母様似のお姉様は美人と噂されていていいですけど、お父様似のわたしは、比べられるのがつらいです」
家に仕立て屋を呼んで、家族みんなの衣装を作ることになった我が家では、久しぶりにお兄様も帰って来て、仕立て屋さんのいる応接室は大賑わいだ。
お父様が悲しそうな顔で、わたしの隣にやってきた。
「ジーナはお父様に似ているのは嫌かい?」
「そういうことではありません。美人と誉れ高いお母様に似たらわたしも美人だったかなって思っただけです。お父様のことは大好きですし、お兄様もお父様に似ているんですもの。この顔は気に入っています。でも、美人じゃないのも知っているんです」
お兄様も悲しげな顔で、わたしのところに来た。
「それは暗にオレもイケメンじゃないって言ってるのか?」
「そうじゃありません。お兄様のお顔も大好きですよ。男らしくて。ただ、女の子向けの顔じゃないですよね」
お兄様は、14才になり、お顔が凛々しくなった。
背も伸びて、ちょっぴりカッコよくなったかもと思っているのは内緒だ。
「そういうことならいいか。でも、女の子は成長と共に顔が変わるぞ。ジーナも年頃になったら母上の顔に似てくるかもしれないからな」
「そうですか? だといいんですけど」
お兄様の話によると、10才で入学した時の同級生は、蛹が蝶になるように別人になった娘もいるらしい。
10才と14才では、やっぱり違ってくるのかな。それなら、8才の今イモムシでも、14才になったら蝶々になれるのかな。
お父様似のわたしは、せめてドレスくらいは女の子らしいものをと、ピンクのレースのドレスに決めた。
「と、言うわけで今年のわたしはピンク魔人です」
わたしがルーク様にこの間のドレスの話をすると、ルーク様は笑い転げた。
「言うなあ。ジーナは。ミラー子爵殿は、さぞかし落ち込んだだろうな」
「本当の話ですから」
わたしがツンとすましてそう言うと、ルーク様は笑いを嚙み殺し……嚙み殺し切れずに、クックッと笑っていた。
今日は、わたしはルーク様のお屋敷に遊びに来ている。
ルーク様の家庭教師が来る日数が増えた関係で、最近は週に一度か二度くらいしか遊びに来られない。
でも、普通の貴族の婚約者同士は、もっと会う機会が少ないというので、不満はない。
コンコンと、ノックの音がして、メイドさんが紅茶を持って入ってくる。
「ああ、ありがとう。サリー」
ルーク様はメイドに声をかける。
「いいえ、ぼっちゃまが楽しそうでよかったです。今日のお茶菓子は何にいたしましょうか?」
「この前、サリーが街に出た時に買ってきてくれたクッキーの砂糖がけがまだあっただろ? あれにしてくれ」
「かしこまりました」
サリーと呼ばれたメイドさんは、腰を折り部屋を出て行った。
わたしはそんな二人のやりとりにびっくりする。
「すごい! ちゃんとルーク様がわたし以外の人ともお話ししてる! 」
わたしがそう言うと、ルーク様は照れ臭そうに笑った。
「前にジーナに怒られただろう? あれから使用人とも少しだけでも話すようにしたんだ。そうしたら、少しずつたわいない話もできるようになった。この屋敷にいても、一人じゃなくなったんだ」
嬉しそうに話すルーク様に、わたしも嬉しくなる。
ルーク様は今まで、ご両親とは違う別館で暮らしてきた。
直接ルーク様から聞いたわけではないが、本館に行けば、ルーク様の弟君がお母様に甘えているところを見ることもあったようだ。
心を閉ざして、本館に行っても、別館に戻ってきても誰とも話さず、一人で耐えていらっしゃった。
それが、別館の使用人と笑い合うことができるなんて、すごいと思った。
「ただ、執事のフランクからは、外では使用人と親しく話しちゃダメだと言われた。この屋敷の中だけだ」
「そうですね。外では気をつけた方がいいですね。わたしも、メルと仲良く話すのは、自分のテリトリー内だけです」
それでも、味方がいてくれるというのは心強いことだろう。
「ルーク様のお衣装は今年はどんなのですか?」
建国祭は国を上げての行事だ。
貴族は大人も子どもも全員お城で開かれるパーティには出席しなければならない。
ルーク様は去年も一昨年も、開会式が終わったらさっさと帰ってしまったけど、入場の時はわたしをエスコートしてくれている。
「一緒にいるのは一瞬なんだ。別にどんなものでもいいだろ」
「一瞬でも一緒に並び立つんですよ? お似合いカップルに見えるようにしましょうよー」
「お似合いカップル……」
ルーク様は顔を真っ赤にした。
「バカなこと言うなよ。オレは顔に包帯を巻いての出席だぞ。どんなに衣装だけ合わせても、お似合いになるわけがないだろ」
「そうかなあ。あ、ルーク様、今年は包帯をやめてみたらどうですか?」
わたしが目をキラキラさせて提案すると、ルーク様は嫌そうな顔をした。
「バカ。オレが素顔を晒してパーティに出席したら、ローゼリアにまたバケツ被らされるだろ」
土の入ったバケツを頭に被らされたのは、ルーク様にとってトラウマのようなっている。
「素顔を見せるのではなく、仮面をつけたらどうですか? あの、仮面舞踏会につけるような金とかでキラキラなマスクです。こう、こっちの火傷のないほうにはつけないで、火傷を隠すところだけの仮面を作るのです。包帯は頭全体にぐるぐる巻かないと火傷は隠れませんが、仮面なら火傷の部分だけ着けていればいいのですから」
どんなにフリーク侯爵家の方がうちより身分が高くても、ルーク様の家が同じ侯爵家である限り、デイヴィス侯爵家がうんと言わなければ、フリーク侯爵家にはどうすることもできないのだ。
デイヴィス侯爵様は、ルーク様の意見を汲んで、わたしとの婚約をこのまま進めてくださると言っていた。
心配ごとがなくなり、わたしとお姉様は建国祭のことで頭がいっぱいだ。
建国祭では、年に一度だけ、子どもでも夜のパーティーに参加してもいいことになっている。
その代わり、始まりの時間は早く、終わりの時間も早い。
それでも、わたしたち子どもは夜更かしができる唯一の日であり、大人のように着飾れるとても楽しみな日なのだ。
「ジーナ、建国祭のパーティで着るドレスはお揃いにしましょうよ」
「お姉様、わたしがお姉様と同じドレスを着たら、比べられてしまうじゃないですか。お母様似のお姉様は美人と噂されていていいですけど、お父様似のわたしは、比べられるのがつらいです」
家に仕立て屋を呼んで、家族みんなの衣装を作ることになった我が家では、久しぶりにお兄様も帰って来て、仕立て屋さんのいる応接室は大賑わいだ。
お父様が悲しそうな顔で、わたしの隣にやってきた。
「ジーナはお父様に似ているのは嫌かい?」
「そういうことではありません。美人と誉れ高いお母様に似たらわたしも美人だったかなって思っただけです。お父様のことは大好きですし、お兄様もお父様に似ているんですもの。この顔は気に入っています。でも、美人じゃないのも知っているんです」
お兄様も悲しげな顔で、わたしのところに来た。
「それは暗にオレもイケメンじゃないって言ってるのか?」
「そうじゃありません。お兄様のお顔も大好きですよ。男らしくて。ただ、女の子向けの顔じゃないですよね」
お兄様は、14才になり、お顔が凛々しくなった。
背も伸びて、ちょっぴりカッコよくなったかもと思っているのは内緒だ。
「そういうことならいいか。でも、女の子は成長と共に顔が変わるぞ。ジーナも年頃になったら母上の顔に似てくるかもしれないからな」
「そうですか? だといいんですけど」
お兄様の話によると、10才で入学した時の同級生は、蛹が蝶になるように別人になった娘もいるらしい。
10才と14才では、やっぱり違ってくるのかな。それなら、8才の今イモムシでも、14才になったら蝶々になれるのかな。
お父様似のわたしは、せめてドレスくらいは女の子らしいものをと、ピンクのレースのドレスに決めた。
「と、言うわけで今年のわたしはピンク魔人です」
わたしがルーク様にこの間のドレスの話をすると、ルーク様は笑い転げた。
「言うなあ。ジーナは。ミラー子爵殿は、さぞかし落ち込んだだろうな」
「本当の話ですから」
わたしがツンとすましてそう言うと、ルーク様は笑いを嚙み殺し……嚙み殺し切れずに、クックッと笑っていた。
今日は、わたしはルーク様のお屋敷に遊びに来ている。
ルーク様の家庭教師が来る日数が増えた関係で、最近は週に一度か二度くらいしか遊びに来られない。
でも、普通の貴族の婚約者同士は、もっと会う機会が少ないというので、不満はない。
コンコンと、ノックの音がして、メイドさんが紅茶を持って入ってくる。
「ああ、ありがとう。サリー」
ルーク様はメイドに声をかける。
「いいえ、ぼっちゃまが楽しそうでよかったです。今日のお茶菓子は何にいたしましょうか?」
「この前、サリーが街に出た時に買ってきてくれたクッキーの砂糖がけがまだあっただろ? あれにしてくれ」
「かしこまりました」
サリーと呼ばれたメイドさんは、腰を折り部屋を出て行った。
わたしはそんな二人のやりとりにびっくりする。
「すごい! ちゃんとルーク様がわたし以外の人ともお話ししてる! 」
わたしがそう言うと、ルーク様は照れ臭そうに笑った。
「前にジーナに怒られただろう? あれから使用人とも少しだけでも話すようにしたんだ。そうしたら、少しずつたわいない話もできるようになった。この屋敷にいても、一人じゃなくなったんだ」
嬉しそうに話すルーク様に、わたしも嬉しくなる。
ルーク様は今まで、ご両親とは違う別館で暮らしてきた。
直接ルーク様から聞いたわけではないが、本館に行けば、ルーク様の弟君がお母様に甘えているところを見ることもあったようだ。
心を閉ざして、本館に行っても、別館に戻ってきても誰とも話さず、一人で耐えていらっしゃった。
それが、別館の使用人と笑い合うことができるなんて、すごいと思った。
「ただ、執事のフランクからは、外では使用人と親しく話しちゃダメだと言われた。この屋敷の中だけだ」
「そうですね。外では気をつけた方がいいですね。わたしも、メルと仲良く話すのは、自分のテリトリー内だけです」
それでも、味方がいてくれるというのは心強いことだろう。
「ルーク様のお衣装は今年はどんなのですか?」
建国祭は国を上げての行事だ。
貴族は大人も子どもも全員お城で開かれるパーティには出席しなければならない。
ルーク様は去年も一昨年も、開会式が終わったらさっさと帰ってしまったけど、入場の時はわたしをエスコートしてくれている。
「一緒にいるのは一瞬なんだ。別にどんなものでもいいだろ」
「一瞬でも一緒に並び立つんですよ? お似合いカップルに見えるようにしましょうよー」
「お似合いカップル……」
ルーク様は顔を真っ赤にした。
「バカなこと言うなよ。オレは顔に包帯を巻いての出席だぞ。どんなに衣装だけ合わせても、お似合いになるわけがないだろ」
「そうかなあ。あ、ルーク様、今年は包帯をやめてみたらどうですか?」
わたしが目をキラキラさせて提案すると、ルーク様は嫌そうな顔をした。
「バカ。オレが素顔を晒してパーティに出席したら、ローゼリアにまたバケツ被らされるだろ」
土の入ったバケツを頭に被らされたのは、ルーク様にとってトラウマのようなっている。
「素顔を見せるのではなく、仮面をつけたらどうですか? あの、仮面舞踏会につけるような金とかでキラキラなマスクです。こう、こっちの火傷のないほうにはつけないで、火傷を隠すところだけの仮面を作るのです。包帯は頭全体にぐるぐる巻かないと火傷は隠れませんが、仮面なら火傷の部分だけ着けていればいいのですから」
3
お気に入りに追加
268
あなたにおすすめの小説

【完結】私はいてもいなくても同じなのですね ~三人姉妹の中でハズレの私~
紺青
恋愛
マルティナはスコールズ伯爵家の三姉妹の中でハズレの存在だ。才媛で美人な姉と愛嬌があり可愛い妹に挟まれた地味で不器用な次女として、家族の世話やフォローに振り回される生活を送っている。そんな自分を諦めて受け入れているマルティナの前に、マルティナの思い込みや常識を覆す存在が現れて―――家族にめぐまれなかったマルティナが、強引だけど優しいブラッドリーと出会って、少しずつ成長し、別離を経て、再生していく物語。
※三章まで上げて落とされる鬱展開続きます。
※因果応報はありますが、痛快爽快なざまぁはありません。
※なろうにも掲載しています。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

【完結】100日後に処刑されるイグワーナ(悪役令嬢)は抜け毛スキルで無双する
みねバイヤーン
恋愛
せっかく悪役令嬢に転生したのに、もう断罪イベント終わって、牢屋にぶち込まれてるんですけどー。これは100日後に処刑されるイグワーナが、抜け毛操りスキルを使って無双し、自分を陥れた第一王子と聖女の妹をざまぁする、そんな物語。

いくら政略結婚だからって、そこまで嫌わなくてもいいんじゃないですか?いい加減、腹が立ってきたんですけど!
夢呼
恋愛
伯爵令嬢のローゼは大好きな婚約者アーサー・レイモンド侯爵令息との結婚式を今か今かと待ち望んでいた。
しかし、結婚式の僅か10日前、その大好きなアーサーから「私から愛されたいという思いがあったら捨ててくれ。それに応えることは出来ない」と告げられる。
ローゼはその言葉にショックを受け、熱を出し寝込んでしまう。数日間うなされ続け、やっと目を覚ました。前世の記憶と共に・・・。
愛されることは無いと分かっていても、覆すことが出来ないのが貴族間の政略結婚。日本で生きたアラサー女子の「私」が八割心を占めているローゼが、この政略結婚に臨むことになる。
いくら政略結婚といえども、親に孫を見せてあげて親孝行をしたいという願いを持つローゼは、何とかアーサーに振り向いてもらおうと頑張るが、鉄壁のアーサーには敵わず。それどころか益々嫌われる始末。
一体私の何が気に入らないんだか。そこまで嫌わなくてもいいんじゃないんですかね!いい加減腹立つわっ!
世界観はゆるいです!
カクヨム様にも投稿しております。
※10万文字を超えたので長編に変更しました。

公爵夫人アリアの華麗なるダブルワーク〜秘密の隠し部屋からお届けいたします〜
白猫
恋愛
主人公アリアとディカルト公爵家の当主であるルドルフは、政略結婚により結ばれた典型的な貴族の夫婦だった。 がしかし、5年ぶりに戦地から戻ったルドルフは敗戦国である隣国の平民イザベラを連れ帰る。城に戻ったルドルフからは目すら合わせてもらえないまま、本邸と別邸にわかれた別居生活が始まる。愛人なのかすら教えてもらえない女性の存在、そのイザベラから無駄に意識されるうちに、アリアは面倒臭さに頭を抱えるようになる。ある日、侍女から語られたイザベラに関する「推測」をきっかけに物語は大きく動き出す。 暗闇しかないトンネルのような現状から抜け出すには、ルドルフと離婚し公爵令嬢に戻るしかないと思っていたアリアだが、その「推測」にひと握りの可能性を見出したのだ。そして公爵邸にいながら自分を磨き、リスキリングに挑戦する。とにかく今あるものを使って、できるだけ抵抗しよう!そんなアリアを待っていたのは、思わぬ新しい人生と想像を上回る幸福であった。公爵夫人の反撃と挑戦の狼煙、いまここに高く打ち上げます!
➡️登場人物、国、背景など全て架空の100%フィクションです。
廃妃の再婚
束原ミヤコ
恋愛
伯爵家の令嬢としてうまれたフィアナは、母を亡くしてからというもの
父にも第二夫人にも、そして腹違いの妹にも邪険に扱われていた。
ある日フィアナは、川で倒れている青年を助ける。
それから四年後、フィアナの元に国王から結婚の申し込みがくる。
身分差を気にしながらも断ることができず、フィアナは王妃となった。
あの時助けた青年は、国王になっていたのである。
「君を永遠に愛する」と約束をした国王カトル・エスタニアは
結婚してすぐに辺境にて部族の反乱が起こり、平定戦に向かう。
帰還したカトルは、族長の娘であり『精霊の愛し子』と呼ばれている美しい女性イルサナを連れていた。
カトルはイルサナを寵愛しはじめる。
王城にて居場所を失ったフィアナは、聖騎士ユリシアスに下賜されることになる。
ユリシアスは先の戦いで怪我を負い、顔の半分を包帯で覆っている寡黙な男だった。
引け目を感じながらフィアナはユリシアスと過ごすことになる。
ユリシアスと過ごすうち、フィアナは彼と惹かれ合っていく。
だがユリシアスは何かを隠しているようだ。
それはカトルの抱える、真実だった──。

まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?
せいめ
恋愛
政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。
喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。
そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。
その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。
閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。
でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。
家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。
その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。
まずは亡くなったはずの旦那様との話から。
ご都合主義です。
設定は緩いです。
誤字脱字申し訳ありません。
主人公の名前を途中から間違えていました。
アメリアです。すみません。

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる