君と地獄におちたい《番外編》

埴輪

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慰問

ねぇ、何が欲しいの?

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 最早隠れる気があるのかないのか。

「おい……」

 扉の向こう側で繰り返される淫靡な情事から視線を逸らすことなく、リリーは煩わしそうに隣りで一緒に覗きをしている元同僚の髪をわし掴んだ。
 侍女服を着たごく一般的な背丈の女に痛めつけられる軍服の男という奇妙な絵が出来上がる。
 ライナスはその痛みに堪らず呻き声を洩らしそうになった。
 ここのところ切れ毛や枝毛が多くなった髪が何本も抜けていくのが分かったが、抗議する気力も余裕もない。 

「頼むから黙れ。そして死ね」
「…………俺は何も喋ってないんすけど」
「視線が煩い。奥様が穢れる」
「…………」

 今にも涎を垂らしそうな視線で奥を覗き見るリリーの視線もあからさまで煩いと思えたが、ライナスは何も答えなかった。
 ライナスはとにかく認めたくなかった。
 最早どちらに向けているのかも分からない自身の抑えられない邪まな視線を。
 それはライナスがずっと恋い焦がれ、一途に奉仕していたエアハルトへの熱情のはずだ。
 それとも嫉妬し過ぎて、羨ましすぎて、もうどうしたいのか、どう思っているのかも分からなくなっているのか。

「……その汚らしいブツをどうにかしろ。このカマ野郎」

 リリーの侮蔑に満ちた貶しにライナスはのろのろと硬い軍服を痛いほど押し上げる自身の欲望に視線を移した。
 興奮のあまりに今のライナスの呼吸は水に飢えた犬のようだ。
 ライナスの興奮は鋭いリリーには丸わかりである。
 そもそもずっと扉の隙間の奥を凝視しているリリーがどうやってライナスの股間の状態を知ったのかは謎だが、人外じみた上官と元同僚に慣れているライナスは特に疑問に思うこともなく、久方ぶりに元気になっている下半身に戸惑い、次いで自嘲した。
 エアハルトが女を抱くところをライナスは今まで何度も見たのだ。
 その光景はライナスにとっては残酷で、魅力的で、そして頭が痛くなるほど全身が熱く、毎回凍え死にそうなほど心臓が寒くなるものだった。

 性処理のために野営のテントに裸の娼婦を何人も待機させて、作戦の合間合間に抱く姿や例の娼館に急ぎの伝令や迎えのために最中の房室に数えきれないほど入った。
 そしてエアハルトが女を抱く姿を見て深く傷つき、女に嫉妬し憎悪を抱きながら興奮するという歪んだ性癖へといつの間にか変わり、更に救いようのないものとなっていたのだ。
 皮肉なことに、心が痛ければ痛いほど、嫉妬が募れば募るほどライナスは興奮し、妄想の中でエアハルトが抱いた女を自分に置き換えて自慰する快楽と虚しさだけをどんどん覚えて行った。
 不思議とエアハルトを抱きたいと思ったことはない。
 いつだって妄想の中でライナスは女役で、エアハルトに求められるがままに喘いでいた。

 なのに。

あ……っ あっ、ぁぁっ、あん、っぁ、あんっ……っ!

 耳に届く、あられもなく淫らな嬌声。
 憎ったらしいほどに美しく、気持ちが悪いほどに慈悲深い少女が、啼いている。
 いやらしい音を立てて、激しくエアハルトと交じり合っているのだ。
 扉一枚隔てたあの向こう、ライナスがよく知る執務室で。

 何故だろうか。
 あの朝、無抵抗だったライナスの上に倒れてきた柔らかな肢体が記憶の淵から唐突に蘇った。
 細く、華奢な身体。
 その髪や肌からは甘く、清潔感のある匂いが立ち籠っていたことを、何故今思い出してしまったのか。

「……っ!?」

 ライナスは首を振る。
 信じられなかった。
 必死にライナスは否定した。
 痛いほど張り詰めた下半身はエアハルトのみではなく、ただ揺さぶられるがままに犯されている憎き恋敵のロゼの甘い声にも反応していることが。

ふぁっん……ッ! んあ、あぁ、あっ、あん…… 

 否定とは裏腹に、ライナスは無意識に唾を呑み込む。
 なんて声を出すのだと、心の中ではロゼに対する罵倒とエアハルトへの複雑な感情で嵐が吹き荒れていた。

「…………くそ」

 骨が軋むほど強く拳を握りしめる。
 爪が食い込んでもライナスはまったく気にしなかった。
 それよりもずっと、彼の股間の方が痛々しく張り詰めていたからだ。
 意識を逸らしたくとも、逸らせない。
 扉一枚隔てた向こうではライナスがこの世で一番好きな男と一番憎らしい女が激しく交わっているのだ。

 嫉妬の渦がぐるぐると凡人であるライナスの心を掻き乱す。
 嫉妬と愛憎。
 嫌悪と羨望。
 執着と、劣情。

「くそ、くそっ……ッ!」

 気づけば、ライナスの右手は張り詰めた下半身へと伸びていた。

だんなっ、ひゃ、まぁっ っん! 

(っ…… なんて声を出しやがるんすかっ!? あのアマッ)

 初めて見るエアハルトの甘えた姿や、それに付随する甘ったるい行動の数々に慣れないライナスは初めはただ呆然とした。
 次いでライナスの理想であるエアハルトを変えたロゼに対する恐れと怒り、苛立ちが芽生えた。

 芽生えた、はずだ。 

もう、っぁ、ゆ、ゆるし、て……

(嘘つきめ…… あんなに善がってるくせにっ)

 扉の向こうのエアハルトと同じように、興奮した荒い息遣いを抑えることもできずにライナスは片手でベルトを緩める。
 勢いよく飛び出て来る自身のペニスを恥ずかしがることもなくライナスはそれを扱き出す。
 仮にも軍部内で、それも廊下に当たる場所で下半身を露出させて自慰をするライナスは変態でしかない。
 見つかれば処罰され、元から底辺を漂うライナスの評判はもう取り返しのつかない所まで落ちていくだろう。
 軍にもいられなくなり、軽蔑と嘲笑に曝されながらリンチされる。
 理性が冷静になれと、ここで何をしているんだと必死にライナスの本能を宥めようとするが。

 今のライナスにとってそれは至極どうでも良いことだった。

 ライナスは興奮していた。
 脳味噌が沸騰し、今にも爆発しそうなほどに。
 憎たらしい恋敵でありながらも、その美しさとライナス如き凡人では決して理解できない深淵を抱える少女ロゼの信じられないほど破廉恥な行為と声に。

何を、どう許してほしいんだ? ロゼ?

 そして当然のように彼の拗れに拗れた愛情と愛欲の対象であるエアハルトの初めて見る必死な姿に。
 あんなにもエアハルトが興奮し、汗だくになりながら夢中になっているのをライナスは初めて見た。
 それがどれだけ悔しく、ショックだったことか。
 だからきっと、その悪い衝撃のせいでライナスは可笑しくなったのだ。

俺に、どうして欲しい……?
んっ…… い、じわるっ

 奥歯が欠けてしまうのではないかと思うほど、強く噛み締める。
 色褪せた髪の毛をまるで鳥の巣のようにぐちゃぐちゃに掻き回し、狂った自分を正気に戻そうと無駄な努力を試みるが、彼の正直な下半身がそれを裏切る様にどんどん硬くなり、手を放したというのに、勝手に先走りが垂れるほどに興奮していた。

んんっ、ぅぁ…… はぁんっ、あんっ
……聞こえないな? 早く、どうして欲しいのか言わないと…… もっと、意地悪をしてやりたくなる

 壁に頭をぶつけて死にたいとライナスは一瞬本気で思った。
 全身の毛が逆立つようなエアハルトの甘ったるい声に興奮する自分に何故かこのときライナスは安堵した。
 いつもならばそんな自身の唾棄すべき性癖に苦しみながらも下半身を慰めていたというのに。

ロゼ…… ほら、どうして欲しい?
ふぁんっ……!?

 だが、一際甲高い少女の叫びに似た嬌声に、ライナスのそれが更に大きくなる。
 その事実に愕然とし、言い様のない苛立ちに襲われる。

(くそくそくそくそくそくそッッッ!)

 顔を真っ赤にして、今にも泣き出しそう顔をしたライナスは嗜虐的な趣味を持つ者からするとまさに垂涎の的となるほどに哀れで惨めだった。
 耳まで真っ赤にしたライナスは悪夢のような現実に打ちのめされ、ずるずるとだらしなく壁を背にしてとうとう床にへたり込んだ。
 リリーのように執務室の中を覗き見る気にはもうなれなかった。
 胡坐をかくようにして力なく床に座り込むライナスの股間のそれは見事に天井を向いているという事実に震える。
 まるで怯える鼠のような弱弱しさだ。

「違うっす…… これは…… 違うっす」

 血色の悪い涸れた唇から紡がれる呪文にじっと体勢を崩すことなく覗き見をしていたリリーは眉を顰めた。
 蚊の鳴くような小さな声でも、肝心のロゼの嬌声の邪魔である。

「……そう、違う、違うっす、誤解っす」

 隣りから漏れる殺気に気づかないまま、ライナスは青白い顔で呟く。
 誰に言い訳をしているのか、本人ですら分からないまま。

「疲れてるんすよっ 俺は疲れてるから……!」

……素直に言えるな? 俺のロゼ
っあん…… だんなさま……

 もうやめてくれと叫びたくなるのを耐え、ライナスはとにかく自身に暗示をかけた。
 胸を掻きむしりたくなるほどの嫉妬を抱きながら、唇を噛み切ってしまうほどの劣情を憎たらしい恋敵に向けていることをライナスはただ必死に誤魔化そうとしたのだ。
 ある意味ではひどく健気であるが、間近でそれを不愉快に思う者がいた。

「こんなの、ただの、生理現象っす! ただの疲れ魔羅っ……ッ!?」

 ライナスが何か血迷ったことを呟き続け、そしてその音量がどんどん上がっていくのを煩わしく思ったリリーはとうとう我慢できなくなったのか、音を立てずにライナスの側へ移動し、そして何の前触れもなくその剥き出しのペニスを握った。
 手袋を履いているとはいえ、嫌いな男の勃起したペニスをそのまま握るリリーはとにかくライナスに容赦がない。
 ある意味では自分の欲望に忠実ともいえる。
 突然の激痛に声にならない呻きを上げるライナス。
 彼の口はリリーの片手で塞がれているため、蛙が潰れたような哀れな悲鳴が上がることはなかった。

「?ぎ取るぞ」

 冗談ではないと証明するように濡れたそれを握るリリーの手に力が加わる。
 尋問の一環として、流れ作業のように感慨もなく男の玉を潰し、尿道に唐辛子などを詰め込んで来たリリーの脅しには異様な迫力があった。
 むしろ?ぎ取るだけならばまだまだ温い方ではないかとリリーは考える。

……いっぱい、旦那様に…… 奥を滅茶苦茶に、して、欲しい

 唯一想定外だったのはライナスのそれが痛みで萎えるどころか行き成りの刺激で呆気なく暴発したことだろう。

 聴覚が優れたリリーと、全身が興奮し、今だけ異様に五感が発達したライナスの二人にしっかりとロゼの悪魔のような誘惑が聞こえた。
 その直後の暴発である。
 ライナスの久方ぶりの射精はなんとも情けない形となったのだ。

「…………」
「…………」

 信じられないとばかりに呆然と目を見開くライナス。
 嫌悪で顔を顰めながらライナスを一瞥し、舌打ちするのを耐えて素早くまた扉の向こうを覗き始めたリリー。
 ライナスから離れる際に濡れてしまった手袋をその呆けた顔に投げつけるのも忘れない。

 果たしてライナスはリリーの脅迫で果てたのか。
 それとも、あまりにも色っぽいロゼの誘惑に素直な肉体が反応したのか。
 リリーの投げつけた、青臭い匂いとどろどろとした粘液に塗れた不愉快な手袋が丁度萎えたペニスの上へ落ちる。
 その光景を見て、ライナスは絶望した。



* 


 一方で、初めはただ興奮し、必死に主夫妻の淫らな交わりを凝視していたリリーは己の心に燻る靄がかった苛立ちと不満、それに反するように昂り続ける劣情に悶々としていた。

(奥様……!)

 うっとりと、頬を染めるリリーは正に恋する乙女だ。
 切なげに目を潤ませ、悶えるように口を両手で抑える姿は整った顔立ちもあって非常に絵になる。

(ああ、奥様っ 可哀相な奥様……!)

 隙間から見えるリリーの可憐な妖精ロゼが踊っている。
 素晴らしい光景だ。
 絶え間なく耳に入る嬌声も、全てが美しい。
 華奢な身体で必死に大柄なエアハルトに縋り付き、その欲望を受け入れている姿はとても可哀相で。
 まるで暴漢に犯されている娘のように見えなくもないのに、主夫妻の醸し出す雰囲気はとにかく甘くどろどろしている。

(なんて、可愛いのかしら)

 恍惚とした溜息が唇から漏れる。
 それも仕方がないことだ。
 華奢な足を振り、細い腰を揺らしながら、ロゼが扉一枚隔てた向こうで熱く淫らに踊っているのだから。
 そして先ほどまで大柄なエアハルトに覆いかぶされていたせいで見えなかったロゼの顔が、今ははっきりと見えるのだ。
 エアハルトがロゼの両腕を自身の首に回させ、そのまま立った状態で抱き上げたからだ。
 必然的にロゼはエアハルトの肩に顎を載せる体勢となり、落ちないようにと反射的にぎゅっとエアハルトにしがみつく形となった。
 エアハルトはまるで大きな子供を抱くようにロゼを正面から抱きしめ、重さを感じさせない軽やかな動きで腰をがくがくと上下に揺らす。
 そうするとひっきりなしにロゼの唇から甘い喘ぎ声が漏れる。
 ロゼはエアハルトに抱き上げられたまま、下から激しく責められていた。
 不安定な姿勢と自身の体重と重力によってどんどんエアハルトのペニスがロゼの中へと入っていく。
 放り投げられるのではないかと思ってしまうぐらいに高く尻を抱えられ、そして下から腰を強く突き上げられる。
 その瞬間に合わせてエアハルトはロゼの腰を逃がさないように固定し、わざと深く挿入できるようにぐりぐりと力を加えていくという念の入れようだ。
 ロゼの細い腰は片手でも簡単に支えられる。
 原型を留めないドレスに構わず、エアハルトはロゼの柔らかな尻を撫でながらその身を思う存分味わっているのだ。

 それをじっと凝視するリリーは生唾を呑み込むしかない。
 喉が渇いて仕方がなかった。

(閣下が…… 羨ましい)

 唇に塗られた紅が剥がれ、ロゼ本来の血色の良いチェリーのような艶のある唇がふるふると儚く震える。
 貪りたくなるような唇に当然のようにエアハルトが貪る光景は色っぽく、そして美しい。
 お似合いのご夫婦だと、二人に仕えることが誇らしいとリリーは心底思っている。

 だからこそ妬ましかった。



* * 


 先ほどの汚らわしい光景が頭の中を霞め、至福のときに身を浸っていたリリーは一瞬だけ嫌悪に塗れた視線を死体のように動かないライナスへ向けた。

(何故だ…… 何故、こんな奴にペニスが生えているんだ)

 それは軍隊にいた頃からリリーが情けない男を相手に思っていたことだ。
 だが、今は少しそのニュアンスが変わっていた。

(こんな、カマ野郎にも勃起するものがあるのに……)

 何故、私にはそれがないのだろう。

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