716 / 805
後日談
5 (おまけ)
しおりを挟む
二人の子供はジアンと名付けられ、周囲の愛情をたっぷりと受けてスクスクと育つ。
エヴァンス家には頼りになる義父母や使用人達が居るので、初めての子育てでも、万全のサポート体制にアシュリーが困る事は殆ど無い。
強いて言えば、使用人達や義父母達に頼りきりのような気がして少し心許ない気がするが、本来殆どの高位貴族や金持ちは、子育てに関心を持たない親が多いので、そうはならない環境が、とても嬉しいとアシュリーは思っているようだ。
クルルフォーン姓の者達が、子供を連れてエヴァンス邸に遊びに行く事も勿論有るが、王都内での大移動となる為、エヴァンス姓の者達が、クルルフォーン邸に遊びに行く事の方が多い。
ジアンは色合いこそ違うものの、ジーンに似ているので、アシュリーは内心大喜びしていた。
(大きくなったら、ジーン様みたいな立派な紳士になって、素敵な人を見付けてくれると嬉しいです!ですが、もう暫くは、ジーン様の幼少期を彷彿とさせる姿を堪能させて下さいね♪)
「アーシュは楽しそうだね」
「はい♪知る事の出来なかったジーン様の幼少期を見ているようで、とても嬉しく思っています」
ジーンは、ニコニコとジアンを眺めるアシュリーの素直過ぎる発言に、毒気の抜かれる思いだ。
「幼少期の私を思い浮かべてくれるのも良いけど、私自身も構って欲しいな。とは言え、私もアーシュの幼少期を知らないから、色合いはエヴァンス家特有の色合いになってしまうだろうけど、アーシュの幼少期を彷彿とさせるアーシュ似の子供も一人は欲しいかな。何人居ても問題は無いから、アーシュにはこれからも頑張って貰わないとね。ああ、勿論私も出来得る限りの努力は惜しまないつもりだよ。ただ、少しは年を離した方が良いかも知れない。年が近過ぎると、アーシュに負担が掛かり過ぎてしまうからね」
(ジーン様は本当に優しくて格好良い、最高の伴侶です!!もうっ、もうっ……!!!)
ジーンの発言にアシュリーは心底悶え、その喜びを伝えたいと傍らに居るジーンに手を伸ばす。
瞳を潤ませ、顔を真っ赤に染めながら。
「これ以上無いぐらいに、ジーン様が大好きです!」
そして、アシュリー自らがジーンに抱き付く。
そんなアシュリーを抱き止めたジーンは、アシュリーを抱き締めたまま、口許を綻ばせる。
「私もアーシュが大好きだよ。この先ジアンが家を継ぎ、私が隠居しても、アーシュだけは私の傍で微笑んでいて。何が有ろうと、私はアーシュを裏切る事はしないから、ずっと私を好きで居て」
ジーンはアシュリーを逃がさないとばかりに、甘く優しく耳元で囁く。
その言葉がアシュリーを縛り、少しでも枷になれば良いと、勿論その言葉を嘘偽りにしない為にも、結婚をしようが子供を産もうが、アシュリーの逃げ道を悉く潰す努力を日々怠らないジーンだった。
エヴァンス家には頼りになる義父母や使用人達が居るので、初めての子育てでも、万全のサポート体制にアシュリーが困る事は殆ど無い。
強いて言えば、使用人達や義父母達に頼りきりのような気がして少し心許ない気がするが、本来殆どの高位貴族や金持ちは、子育てに関心を持たない親が多いので、そうはならない環境が、とても嬉しいとアシュリーは思っているようだ。
クルルフォーン姓の者達が、子供を連れてエヴァンス邸に遊びに行く事も勿論有るが、王都内での大移動となる為、エヴァンス姓の者達が、クルルフォーン邸に遊びに行く事の方が多い。
ジアンは色合いこそ違うものの、ジーンに似ているので、アシュリーは内心大喜びしていた。
(大きくなったら、ジーン様みたいな立派な紳士になって、素敵な人を見付けてくれると嬉しいです!ですが、もう暫くは、ジーン様の幼少期を彷彿とさせる姿を堪能させて下さいね♪)
「アーシュは楽しそうだね」
「はい♪知る事の出来なかったジーン様の幼少期を見ているようで、とても嬉しく思っています」
ジーンは、ニコニコとジアンを眺めるアシュリーの素直過ぎる発言に、毒気の抜かれる思いだ。
「幼少期の私を思い浮かべてくれるのも良いけど、私自身も構って欲しいな。とは言え、私もアーシュの幼少期を知らないから、色合いはエヴァンス家特有の色合いになってしまうだろうけど、アーシュの幼少期を彷彿とさせるアーシュ似の子供も一人は欲しいかな。何人居ても問題は無いから、アーシュにはこれからも頑張って貰わないとね。ああ、勿論私も出来得る限りの努力は惜しまないつもりだよ。ただ、少しは年を離した方が良いかも知れない。年が近過ぎると、アーシュに負担が掛かり過ぎてしまうからね」
(ジーン様は本当に優しくて格好良い、最高の伴侶です!!もうっ、もうっ……!!!)
ジーンの発言にアシュリーは心底悶え、その喜びを伝えたいと傍らに居るジーンに手を伸ばす。
瞳を潤ませ、顔を真っ赤に染めながら。
「これ以上無いぐらいに、ジーン様が大好きです!」
そして、アシュリー自らがジーンに抱き付く。
そんなアシュリーを抱き止めたジーンは、アシュリーを抱き締めたまま、口許を綻ばせる。
「私もアーシュが大好きだよ。この先ジアンが家を継ぎ、私が隠居しても、アーシュだけは私の傍で微笑んでいて。何が有ろうと、私はアーシュを裏切る事はしないから、ずっと私を好きで居て」
ジーンはアシュリーを逃がさないとばかりに、甘く優しく耳元で囁く。
その言葉がアシュリーを縛り、少しでも枷になれば良いと、勿論その言葉を嘘偽りにしない為にも、結婚をしようが子供を産もうが、アシュリーの逃げ道を悉く潰す努力を日々怠らないジーンだった。
2
あなたにおすすめの小説
ハイスぺ幼馴染の執着過剰愛~30までに相手がいなかったら、結婚しようと言ったから~
cheeery
恋愛
パイロットのエリート幼馴染とワケあって同棲することになった私。
同棲はかれこれもう7年目。
お互いにいい人がいたら解消しようと約束しているのだけど……。
合コンは撃沈。連絡さえ来ない始末。
焦るものの、幼なじみ隼人との生活は、なんの不満もなく……っというよりも、至極の生活だった。
何かあったら話も聞いてくれるし、なぐさめてくれる。
美味しい料理に、髪を乾かしてくれたり、買い物に連れ出してくれたり……しかも家賃はいらないと受け取ってもくれない。
私……こんなに甘えっぱなしでいいのかな?
そしてわたしの30歳の誕生日。
「美羽、お誕生日おめでとう。結婚しようか」
「なに言ってるの?」
優しかったはずの隼人が豹変。
「30になってお互いに相手がいなかったら、結婚しようって美羽が言ったんだよね?」
彼の秘密を知ったら、もう逃げることは出来ない。
「絶対に逃がさないよ?」
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
黒騎士団の娼婦
イシュタル
恋愛
夫を亡くし、義弟に家から追い出された元男爵夫人・ヨシノ。
異邦から迷い込んだ彼女に残されたのは、幼い息子への想いと、泥にまみれた誇りだけだった。
頼るあてもなく辿り着いたのは──「気味が悪い」と忌まれる黒騎士団の屯所。
煤けた鎧、無骨な団長、そして人との距離を忘れた男たち。
誰も寄りつかぬ彼らに、ヨシノは微笑み、こう言った。
「部屋が汚すぎて眠れませんでした。私を雇ってください」
※本作はAIとの共同制作作品です。
※史実・実在団体・宗教などとは一切関係ありません。戦闘シーンがあります。
もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる