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後日談

7 (おまけ)

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 アシュリーのお披露目が終わった数日後、いつものように、クルルフォーン家のお茶会に誘われたアシュリーは、いつものようにジーンに馬車で送って貰い、帰りも迎えにくるから待っていてと、ジーンから頬に口付けされて、真っ赤になりながらも何とか頷くアシュリーだった。

 因みに、あのお披露目の次の日から、あちこちの夜会や茶会から、アシュリー宛の招待状が多く届いているが、エヴァンス家の使用人達は、体よく全ての招待状に不参加の意を込めた返信を返してる。

 勿論ジーンにどこから来ていたかを報告した上でだが。

 今のアシュリーの立場は、エヴァンス家に花嫁修業をしているセイル家の養女で有ると共に、元エヴァンス令嬢で有るクルルフォーン夫人や国母で有る王妃のお気に入り。

 元々地方の辺境伯令嬢だったが、仕事をしない婿養子だった父親に代わり領主の仕事をし、家の為、領民の為にと着飾る事も二の次にしてまで奮闘し、女の身で有りながらも、優秀な手腕を発揮していたのだが、幼馴染みで有り彼女の婚約者だった男は、それを疎んだ挙げ句、彼女の美しさに気付きもしないで、彼女の義妹、辺境伯の血筋を引かない女と結託し、彼女と婚約の破棄してから彼女を家から追い出した所、偶々花嫁探しをしていたエヴァンス家の使用人がその事を知り、修道院に駆け込もうとしていた彼女を保護、行く宛の無い彼女をエヴァンス家に連れ帰ったら、エヴァンス家の子息で有るジーンが、彼女に一目惚れして、彼女を時間を掛けて口説き落としたのだと言う噂まで流れているのだが、アシュリーはその事を知らない。

 それを流したのは、勿論エヴァンス家の使用人達を含む、エヴァンス家と親しい家の者達だ。

 そんな事は知らずに、アシュリーは茶会でアナスタシアに、笑顔で暴露された。


「実は、年越しの夜会と先日の夜会のドレスは、三人でのお揃いの装飾だったのです♪」

「???……三人?ですか?」


 アシュリーは他にお揃いの装飾をした女性が居ただろうか?と思い返してみるが、そのような女性は全く思い浮かばなかった。

 首を傾げるアシュリーを見て、アシュリーの思考を読んだアナスタシアとリラは、顔を見合わせクスクスと笑う。


「アーシュお義姉様、その三人はここに居る三人の事ですわ」

「ここに居る、三……人……って、わわわわっ、わたくしですか?!」

「あのドレスは、エヴァンス家に居るクレアと言う侍女が製作した物なのです。元々は、小物作りに凝っていたのですが、小物から、ドレスのデザインや製作もするようになったのです」

「その方は、王都の貴族女性の間では物凄く有名なのですよ。エヴァンス家の謎の仕立て人と呼ばれていて、王都の流行は彼女が作っていると言っても過言では有りません。その彼女が最近お揃いのドレスに凝っているので、わたくし達が仲良しだと見せ付ける為にもお揃いドレスを流行らせましょうね♪」


(わっ……わたくしまでをも、仲良しだと、仲間に入れて下さっていたなんて……っ!!)

 アシュリーは、アナスタシアの言葉に瞳を潤ませながら、必死に頷き、幸せそうな笑顔を見せるのだった。
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