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後日談

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 リカルドが産まれても、惜しみ無い愛情をリラに注ぎ続けるエドワルドに、リラは心底安堵する。

 世間では、後継ぎが生まれれば、妻に見向きもしなくなる夫がいる、と聴いた事が有ったからだ。

 勿論エドワルドがそんな男では無い事も解っているし、妊娠中であろうとリラを求め、負担が掛からないようにと気遣いながらも情交に及んでいたエドワルドが、子供が生まれたからと、リラを不要扱いするなんて思えなかったが、それでも欠片程では有るが、不安が無かったと言えば、嘘になる。

 リラからすれば、エドワルドはもう、無くてはならない最愛の人で、何が何でも手離す事の出来ない相手。

 触れられれば直ぐにでも、身体は悦び心は高鳴る。

 だから、リカルドを産んだ後も、エドワルドがリラを激しく求めてくれるのは、リラにとって、嬉しい事でしか無かった。

 夜、リカルドが泣き出したりすれば、一時中断する事になるが、それでも嫌な顔をせずに、リラを再度求めてくれるのだ。

(こんなに優しい旦那様は、エド様だけなんだから!!)

 他の者が聴けば、あれは優しいでは無いからと、思わず突っ込みそうな事を思い、昼間はリカルドとクロードとゾーイが、一緒の部屋でお昼寝したり、リカルドとゾーイが鈴の入ったぬいぐるみをブンブン振り回して遊んでたり、クロードが掴まり立ちしてハラハラしてたりして、過ごしている。

 馬の世話を終えたヨルドが顔を出せば、子供達は満面の笑顔をヨルドに向け、歓迎するのがいつもの光景になっている。

(……ちょっと、母親として悔しいのですが、わたくしにはエド様が居るので、良いのです……)

 毎回ちょっと落ち込んでいると、レベッカがニッコリと笑顔を見せる。


「大丈夫です、リラ様。あたしなんて、割り切ってますから。ヨルドさんは別次元です。動物や子供に特別懐かれる、特異体質なだけですから」


 特異体質なら仕方が無いと、リラもあっさりと納得して、ヨルドにも子供達を見ていて貰う。

 ヨルドとレベッカの仲睦まじさに、リラはいつも嬉しくなる。

 レベッカはリラ第一主義で、男の人に頼る事は少なく、気を張っている事が多い。

 それが、ヨルドの前でだけは違うのだ。


「レベッカとヨルドの仲が良いのは嬉しいです♪レベッカはわたくしの妹のような者ですから」


 リラは仕事から帰って来たエドワルドに、昼間の出来事を話す事が日課になっている。

 最近のリラの話題は、子供達の話が多く、エドワルドはリラの話を優しい顔で聴いている。

 リラはそれが嬉しくて、ついついエドワルドに抱き付いて、感謝の言葉をエドワルドに贈るのだ。


「わたくし、今がこれ程幸せなのは、エド様がわたくしを見付けて下さったからですわ!大好きですエド様。これからも、ずっと傍に居させて下さいね?」


 潤んだ瞳に甘い声音で、リラは今日も、無意識にエドワルドを煽っている事すら気付かずに、エドワルドを欲情させていたのだった。
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