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後日談

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「結婚……ですか?私は嬉しいですが、レベッカさんは本当にそれで良いんですか?」


 一足飛びな条件に、ヨルドは驚くが、レベッカは問題無いとばかりに頷く。


「だってヨルドさんは好条件だし、あたしがリラ様を大切に想ってるのを知ってるなら、仕事を辞めろとか言わなさそうだもの。それに、次から次へと来る、どこの誰かも見た事無いような相手とのウザったい縁談話を断ち切るのにも都合が良いし、同じ職場なので、浮気の心配も無いし、クルルフォーン家の害になるような事にもならないですから、安心です。あたしにとって、ヨルドさんはお買得物件なので、出来れば逃がしたくないなぁと思った次第なのですが、ヨルドさんは、こんな打算的な女でも大丈夫ですか?」

「……だっ……大歓迎です……」


 肩を震えさせて返答するヨルドに、レベッカがちょっと膨れた。


「もうっ!笑いたきゃ、声を出して笑って下さいよ。そもそも、大歓迎だと言うのなら、それらしくして下さい!」

「はははっ!では、お言葉に甘えて!」


 ヨルドはレベッカの腕を引き、胸元へと抱き締める。


「嬉しいです、レベッカさん。貴女にお買得物件だと思われるなんて思ってもいなかったので」

「ヨルドさんはお買得物件ですよ?女だからって見下す事は無いですし、動物にあんなにもなつかれるなんて羨ましいぐらいです。子供が出来たら物凄く可愛がってくれそうですし、あの見習い執事に爪の垢でも飲ませてやりたいぐらいです」


 ヨルドは腕を緩め、真っ赤な顔でレベッカに問う。


「……レベッカさん、先程から子供と言ってますが、そんなに子供が欲しいのですか?」

「そうですね。リラ様が子供を産んだら、その子に仕えてくれる子供が欲しいです。勿論リラ様が産む前でも良いですが!」

「レベッカさん、解ってる?子供を産むと言う事は、その前に私と子作りに励む事になるんですよ?」

「えっ、ヨルドさんは嫌ですか?もしかして、処女は重いとか言う方ですか?」

「処っ……!いっ、言いません!!本当に私で良いんですね?撤回は聞きませんよ?!」

「勿論です。あたしは恋愛経験が全く無いのでよく分かりませんが、ヨルドさんは元々、好感度が高いので、こうして触れられても嫌悪感は全く無いです。いえ……寧ろ、気持ち良い?」


 ヨルドを見たまま首を傾げるレベッカに、ヨルドは我慢出来ずにその唇を軽く奪った。


「レベッカさん、煽り過ぎです!」


 レベッカは吃驚するも、大人な筈のヨルドが無性に可愛く思えて、比べたくは無いが、時折リラが、エドワルドを可愛く思えると言ってた意味が分かった気がした。
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