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後日談

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 その後は、危うい時も何度か有り、ポイントを幾つか取られはしたものの、10ポイントまでは届かずに、何とか終了する事が出来た。


「まぁ、ランちゃんも、貴族の世界は見た目程甘くないって、分かっただけでも勉強になったんじゃなぁい?とは言え、これは初級編でおままごとのような物。本来はもっと大変なんだから、ポイントは取られないようにしなさい。はっきり言えば、態度や顔に出てる事が度々有るから、厳しめに採点したら、ランちゃんは確実に点を取られてるって事を忘れちゃ駄目よ?」


 マッドの言葉にランドールは頷く。


「よし。次からはお前が態度や顔に出してもポイント取られるようにしよう」

「えっ!」

「執事として、他人に悟られるのは不利になる事が多いんだよ。クレーマーな客を相手に嫌そうな顔で対応したら、余計にクレームが来るし、アポの無い客や接近禁止の高位対象者が訪ねて来た場合、不遜な態度は身の破滅だぞ」

「?エドワルド様よりも高位の相手と言われましても……」

「マーウィン前国王陛下は、若奥様に接近禁止令が出てるし、それが解除されたなんて話はまだ聞いてないぞ?」

「……はぁ?!?何ですか?!それは?!!」

「あらぁ?そんな事になってるのぉ?ダンちゃんが前に、前国王陛下のお墨付きの証書を見せてくれたのは知ってるけど、何でまたそんな事にぃ?」

「えっ、前国王陛下のお墨付き?!」

「若奥様の、コミュ障になる原因の一端を担っていたからね。まぁ、前国王陛下に悪気は無いし、不幸とタイミングの悪さが重なってしまった事なんだけど、エヴァンス家としては……特に、現当主のジルギリス様にとっては、マーウィン様を、お咎め無しに、なんてしたくなかった出来事だから」

「あー……。あたしがリラちゃんと初めて出会った時は、既に酷かったものねぇ。最初に睨み付けて来るから、生意気な小娘かと思いきや……。あれ、あたしにとっての一番の黒歴史だわぁ……」


 リラとの初めての邂逅を思い出し、マッドが項垂れる。


「まぁ、仕方なかったのでしょう。何せ、あの頃はダンさんの足元に隠れて、家族と使用人達以外からは、嫌われて当然と刷り込まれていましたからねぇ……。その家族や使用人達すらも、身内だから優しいのであって、本来なら、外に出て良い容姿では無い、と思い込んでおられましたから……」

「えっ?えっ?何の話ですか?!それは???」

「どこぞの馬鹿子息が、可愛い天使な若奥様の容姿を貶し続けて、若奥様がそれを本気にしたんだよ。そして多分、今でも自分は平凡以下だと思っておられるから、あまり容姿に付いて褒めると、お世辞が上手いけど、あまり上手過ぎると嫌味でしか有りませんよ?と思われるから、気を付けろ?因みにエドワルド様の場合は、奇特な方だと思ってるみたいだからな」


 まさか、あの容姿で平凡以下って……。普通の一般人はどうなるんだよと、思わずにはいられなかったランドールだった。
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