303 / 805
本編
251
しおりを挟む
さすがに新年早々、アレクシスが可哀想だと思ったのか、リリーがターゲットの矛先を変える。
「そう言えば、王妃様が国賊だと断言した瞬間、面白い程顔色を変えた方が数名いらっしゃいましたが、あれが王太子様に色々吹き込んだ方達ですか?少し考えれば判るような事が判らないなんて、随分間抜けな方々が増えたようですのね」
「そのようですね。平和ボケし、甘やかされたのか、馬鹿な連中が増えているようです。私だけでなく陛下すらも軽んじる等、余程命を無駄にしたいのでしょう。古い世代の方は、父上の巻き添えを食らう事の恐ろしさを知っているようですが、若い世代は知らない所為か、王族を嘗めている節がありますね。ここはやはり、死んだ方がマシだと思えるぐらいの体験をさせた方がいいのでしょうか」
リリーの言葉にエドワルドが同意し、ジルギリスもそちらの話しに加わる事にする。
「リラはウチの宝だから、悪評程度で引き下がる男にウチの宝をやる気は無かったけど、だからと言って宝を渡す気の無い男達に、その宝を傷付させる気は毛頭無いからね。それが王族を侮り周囲に格を落とさせる者達なら尚更見せしめてあげないといけないかな?今はシーズンオフで領地に帰ってる者達も多いけど、エドワルド君との結婚式は別の場所で、王族の結婚だから殆どの貴族が参列する事になるけど、式を挙げる前に、陛下が貴族達に、婚約中の二人に手を出そうと声を掛けた者達や、害をなそうとして動き、捕まった連中を名指しで挙げて、処罰した事、婚姻後であろうと王族に同じような事を仕出かした者達は同じように処罰される事を念押しした方が良いかもね。その時序でに王妃に手を出そうとした不届きな者達がいた事も持ち出し、婚姻した後だろうと王家と公爵家の伴侶に手を出す事は国賊だって事をきちんと言い聞かせて置いた方が良いと思うよ」
「ああ、それならばリラだけで無く義姉上への牽制にもなりますし、手を出そうとする男も激減するでしょう。画策した証拠でも有れば国賊として即捕縛されてしまいますからね。それならば、未遂としてレオンの事も話して置いた方が良いのでは?王太子を謀る事や騙す事も充分国賊ですからね」
リラとの結婚式は公務扱いとして王都で挙げる事が決まっている。これはエドワルドが王族であるが故なのだが、エドワルドは公務だからと手は抜かないし、領内でも式を挙げる気でいるのだ。それをリラには内緒で、リラ達の従兄であるジェフにも相談して、エヴァンス領内でも婚姻後に訪れ、挙げれないかと相談を持ち掛けていたのだ。
王族は家臣に降った場合、自領でも式を挙げる事はあるのだが、花嫁の領内で挙げるのは極稀だ。
それでもエドワルドは、リラとの式を王都だけに留める気は無かった。
「そう言えば、王妃様が国賊だと断言した瞬間、面白い程顔色を変えた方が数名いらっしゃいましたが、あれが王太子様に色々吹き込んだ方達ですか?少し考えれば判るような事が判らないなんて、随分間抜けな方々が増えたようですのね」
「そのようですね。平和ボケし、甘やかされたのか、馬鹿な連中が増えているようです。私だけでなく陛下すらも軽んじる等、余程命を無駄にしたいのでしょう。古い世代の方は、父上の巻き添えを食らう事の恐ろしさを知っているようですが、若い世代は知らない所為か、王族を嘗めている節がありますね。ここはやはり、死んだ方がマシだと思えるぐらいの体験をさせた方がいいのでしょうか」
リリーの言葉にエドワルドが同意し、ジルギリスもそちらの話しに加わる事にする。
「リラはウチの宝だから、悪評程度で引き下がる男にウチの宝をやる気は無かったけど、だからと言って宝を渡す気の無い男達に、その宝を傷付させる気は毛頭無いからね。それが王族を侮り周囲に格を落とさせる者達なら尚更見せしめてあげないといけないかな?今はシーズンオフで領地に帰ってる者達も多いけど、エドワルド君との結婚式は別の場所で、王族の結婚だから殆どの貴族が参列する事になるけど、式を挙げる前に、陛下が貴族達に、婚約中の二人に手を出そうと声を掛けた者達や、害をなそうとして動き、捕まった連中を名指しで挙げて、処罰した事、婚姻後であろうと王族に同じような事を仕出かした者達は同じように処罰される事を念押しした方が良いかもね。その時序でに王妃に手を出そうとした不届きな者達がいた事も持ち出し、婚姻した後だろうと王家と公爵家の伴侶に手を出す事は国賊だって事をきちんと言い聞かせて置いた方が良いと思うよ」
「ああ、それならばリラだけで無く義姉上への牽制にもなりますし、手を出そうとする男も激減するでしょう。画策した証拠でも有れば国賊として即捕縛されてしまいますからね。それならば、未遂としてレオンの事も話して置いた方が良いのでは?王太子を謀る事や騙す事も充分国賊ですからね」
リラとの結婚式は公務扱いとして王都で挙げる事が決まっている。これはエドワルドが王族であるが故なのだが、エドワルドは公務だからと手は抜かないし、領内でも式を挙げる気でいるのだ。それをリラには内緒で、リラ達の従兄であるジェフにも相談して、エヴァンス領内でも婚姻後に訪れ、挙げれないかと相談を持ち掛けていたのだ。
王族は家臣に降った場合、自領でも式を挙げる事はあるのだが、花嫁の領内で挙げるのは極稀だ。
それでもエドワルドは、リラとの式を王都だけに留める気は無かった。
50
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
黒騎士団の娼婦
イシュタル
恋愛
夫を亡くし、義弟に家から追い出された元男爵夫人・ヨシノ。
異邦から迷い込んだ彼女に残されたのは、幼い息子への想いと、泥にまみれた誇りだけだった。
頼るあてもなく辿り着いたのは──「気味が悪い」と忌まれる黒騎士団の屯所。
煤けた鎧、無骨な団長、そして人との距離を忘れた男たち。
誰も寄りつかぬ彼らに、ヨシノは微笑み、こう言った。
「部屋が汚すぎて眠れませんでした。私を雇ってください」
※本作はAIとの共同制作作品です。
※史実・実在団体・宗教などとは一切関係ありません。戦闘シーンがあります。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
ハイスぺ幼馴染の執着過剰愛~30までに相手がいなかったら、結婚しようと言ったから~
cheeery
恋愛
パイロットのエリート幼馴染とワケあって同棲することになった私。
同棲はかれこれもう7年目。
お互いにいい人がいたら解消しようと約束しているのだけど……。
合コンは撃沈。連絡さえ来ない始末。
焦るものの、幼なじみ隼人との生活は、なんの不満もなく……っというよりも、至極の生活だった。
何かあったら話も聞いてくれるし、なぐさめてくれる。
美味しい料理に、髪を乾かしてくれたり、買い物に連れ出してくれたり……しかも家賃はいらないと受け取ってもくれない。
私……こんなに甘えっぱなしでいいのかな?
そしてわたしの30歳の誕生日。
「美羽、お誕生日おめでとう。結婚しようか」
「なに言ってるの?」
優しかったはずの隼人が豹変。
「30になってお互いに相手がいなかったら、結婚しようって美羽が言ったんだよね?」
彼の秘密を知ったら、もう逃げることは出来ない。
「絶対に逃がさないよ?」
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる