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本編

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 エドワルドは、アレクシスとアナスタシアを連れ歩き、エヴァンス家に与えられた部屋へと赴いた。

 ローズウッド夫妻は国王夫妻に場を譲る形で同行を辞退した為、部屋に着いた時にはエヴァンス家の者と王族のみになる。

 部屋に入る前に、部屋に配置された騎士に、誰も入れるなと言い残して部屋の中に入っていく。

 部屋の中は防音が優れている為、扉を開けない限り外には漏れない。

 ダンは、入ってきた面々を見て、念の為に扉の前を陣取る為に動いた。


「ルナ、ルネ、二人共お元気そうで何よりです!とても似合っている服装ね。レベッカにダンも!会えて嬉しいですわ♪」


 そうはしゃいでいたアナスタシアだったが、突如リラに向き直り、リラの手を握り謝罪する。


「リラ様、息子のレオンがとんでもない事をしでかしてしまい、大変申し訳ありませんでした。本当は直ぐにでも謝罪しなければいけなかったのに、遅くなって申し訳御座いませんでした」

「シアお義姉様、わたくし気にしていませんし、寧ろわたくしで良かったと思っていますわ。今はまだ子供ですし、これに懲りて二度とあんな書簡を出す事は無いでしょうから、問題点が判明しただけでも対処し易いですもの」

「そう言って貰えると、とても有り難いが、エヴァンス令嬢に迷惑を掛けた事には変わりない。本当に申し訳なかった。それと内々で納めてくれた事に感謝する」

「エヴァンス家の者として、当然の事をしたまでですわ。それよりも、王太子様の再教育は、進んでおられますか?」

「ああ、取り敢えず、二度とあのような書簡を送らないように、これからもみっちり教えていくつもりだ。ジルギリス殿、ジーン殿、そう言う訳で今後共みっちりと扱いてやって頂きたい」


 アレクシスは、その場にいるジルギリスとジーンに頭を下げた。

 ジルギリスとジーンは目を見合わせ、ジルギリスが当主として挨拶を返す。


「勿論ですよ。愚王を出さないようにするのがエヴァンス家の役割でも有りますからね。権力を間違った方向に使う事が、どれ程愚かな事か、レオン君には確りと理解して貰わなければいけませんからね。これからも、エヴァンス侯爵家として王家に仕えていきたいと思っておりますので、呉々も・・・、宜しくお願い致しますね」


 ジルギリスの笑顔での挨拶に、アレクシスは背筋が凍る思いをする。恐怖教育の影響とも言えるのだが、苦手意識が早々消える物では無いのだ。

 アレクシスはレオンの所為で、新年の幕開けから背筋が凍るような挨拶を、ジルギリスから受け取る羽目になったのだった。
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