氷結の毒華は王弟公爵に囲われる

カザハナ

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本編

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(これからは、殆ど毎晩、エドワルド様と会えるだなんて、とっても嬉しいですっ♪……ですが、お仕事で疲れていらっしゃるでしょうし、毎晩だなんて、エドワルド様は大変ではないかしら?)


「……呉々も無理をなさらないで下さいね?」

「無理はしない。その代わり、来た時はリラの唇を絶対に貰う。そうすれば、私は仕事を頑張ろうという気になるのだから」

「わっ、わたくしでお役に立つのなら……」


 顔を真っ赤にして俯き、小声で囁くリラに悶えるエドワルド。

(一日中、構い倒したい、構い倒したい、構い倒したい!!式後は絶対に長期休暇を取り、一日中傍にいる!で食い尽くす!こんなに可愛過ぎる存在を、構わずに等いられない!!後半年、後半年!半年経てば、身も心も全て、私だけの物だと言うのに、リラといる時間はあっという間に過ぎて、それ以外の時間が長々と感じ過ぎるのがいけない!!)

 リラをギュッと抱き締め、顔を火照らせながらも囁くエドワルド。


「リラが傍にいるだけで、私は幸せな気分になれる。だから、役に立つ、立たないは関係無い。もうすぐ社交界シーズンが終わるから、その一週間後ぐらいに、エヴァンス侯爵領に一緒に行こう。けれどその前に一度、クルルフォーン邸にも来て。庭や屋敷内を一通り見て、キッチンの場所や、リラが欲しい物、必要な物も揃えなければね」

「はっ、はい……」

「半年後には、リラの家になっている場所だから、リラにとっても、居心地の良い場所にしなくてはいけないし、話す事は沢山あるけれど、先ずは屋敷に来てからだ。次の休みに招待するから、楽しみにしていて欲しい」


 エドワルドはそう言うと、リラの身体を少しだけ離して、その唇を堪能する。

(リラも私との行為に慣れて来ているみたいだし、そろそろ次に進んでも良いよね?リラとクルルフォーン邸で、情事に耽る。考えただけでもゾクゾクする。今は真似事しか出来ないけれど、それでもたっぷりと愛してあげるよ、私だけのリラ。もし侯爵領内で、リラに想いを寄せる男が居たとしても、リラは私の物だと存分に見せ付けて、その想いを粉々に砕いてあげるから)

 リラに対する、渇れる事の無い欲望と執着心を胸の中に押し留め、持て余しながら、エドワルドはエヴァンス邸を後にする。

 そんなエドワルドを見送り、リラはどんな場所なのだろうか、使用人達と仲良くしていけるだろうかと思いながらも、エドワルドとの会話を思い返し、幸せな気分で一杯だった。
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