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本編

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 リラが落ち着くまでと、エドワルドはリラを抱き締めたまま、ずっとリラの背を撫で続けていた。まぁ、エドワルドからすれば、リラを抱き締め続ける事は、役得でしか無いので大歓迎だが、リラの柔らかで温かな胸や、リラの匂いがエドワルドの性欲を刺激する。

(堪えろ!人前だし、マッド達をけしかけられるぞ!!)

 使用人達を人と見なす貴族は珍しい方だ。特に王族は見られる事が当然で、常に見張られている為、使用人達は風景や道具類の一部でしか無いと思う者もいるぐらいだ。

 それからすれば、エドワルドは真面な王族に入るだろう。貴族の中には、使用人を八つ当たりの道具にしたり、性欲処理の道具と見なす者達もいるのだから。


「嬢ちゃんが煽ってるんだ、多少は見逃してやるよ。ってか、結婚前だからあんま盛んなとは言ったが、手ぇ出すなとは言ってねぇぞ?やり過ぎは出禁にさせるが、時間や日にちを掛けて、少しずつ進めるなら誰も文句なんざ言わねぇよ。もうちょっと手加減して、嬢ちゃんのペースに合わせてやってくれや。まぁ、条件的に、ジーン坊っちゃんの言った事は守って貰うがな。言っとくが、暴走し過ぎてやり過ぎたら、マッドを嗾けんのと、俺直々の鍛練、場合に寄っちゃあ出禁、ってのは忘れんな。夕食にはまだ時間がある。それまでもうちょい部屋でイチャ付いてろ」

「……良いのか?」

「言ってんだろ、やり過ぎ注意!今日はこの後夕食だから、脱がすな脱ぐな、キス辺りで留めてろ。部屋の前には俺もいるし、生殺し状態には違いねぇが、後半年なんだろ?それまで邪魔者辺りを少しでも蹴散らしとけ。それに、結婚したからって終わりじゃねぇぞ。今度は人妻になったリラ嬢ちゃんを狙う屑や、あんたの一夜の相手になろうと思うような馬鹿まで出てくるんだからな」


 人妻ならば後腐れが無いと思う連中もいれば、後継ぎさえ産まれれば遊び回れると思う貴族も少なくない。一夜だけの秘密の恋人として、既婚者を狙う貴族は、男女共にいるのだ。


「いっ、嫌ですっ!一夜だろうと一度だろうと、エドワルド様は渡しません~!!」


 ギュギュウ~!っとリラが更にエドワルドへとしがみ付いて来る。

(かっ、可愛い可愛い可愛い可愛いっっ!!私がリラ以外に触れる訳が無いのに、渡さないとか、独占欲すら可愛過ぎる!)


「私はリラの物だから、他の相手の物にはならないよ。お許しも出たし、リラ、夕食までもう少し、二人切りで過ごそう。良いね?」


 エドワルドはリラを抱え上げて、リラの部屋へと戻るのだった。
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