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本編

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(落ちっ……落ち着かなければ!エドワルド様が起きて、今のわたくしを見たら、きっと怪訝に思う筈!わっ、わたくしがっ、いいいいっ、淫乱になったりしたら、その責任を、全部取って貰いますからね?!エドワルド様!!)

 エドワルド本人が聞けば、願ったりだと喜ぶ事を、リラは心の中で叫んでいた。





 夕方頃にエドワルドの意識が浮上し、髪を優しく撫でる手に心地好さを感じ、うっすら目を開けると、リラがエドワルドの髪を撫でている。

(母親にして貰った事の無い膝枕を、この年になってして貰うなんてな。別に、あの母にして貰いたい等と思った事は一度も無いが、リラの膝と手が、こんなにも気持ち良いなんて……)

 寝返りをして、リラの身体に身を寄せる。

(ああ、でも、悪戯し過ぎると、駄目だと言われていた……。でも、気のせいか?リラのドレスから……)


「良い匂いがする……」


 思わず呟いたその声に、リラがビクッと身体を揺する。


「えっ……エドワルド様?起きたのですか?」


 大声を出し掛けたリラが、小声で呼び掛ける。単なる寝言だった場合、起こしてしまう事になるからだ。


「ああ、目が覚めた。……リラ。悪戯は駄目でも、お礼のキスは構わない?」


 エドワルドの言葉に、瞳を少し潤ませながら、熱い視線をエドワルドに向けるリラ。


「……わっ……わたくしからのも……貰って頂けます、か?」


 リラのその言葉に、エドワルドはガバッと身を起こす。


「いる。リラからのキス。今度は口だろうね?」


 エドワルドの念押しにリラは頷き、エドワルドの首元に手を置く。


「へっ、下手でも、文句は聞きませんからね?」

「問題無い。回数を重ねれば、その内いくらでも上手くなれるからね。ただし、相手は私限定だよ?」

「エドワルド様以外とする気はありませんし、したいとも思いません!そんな意地悪言うと、しませんよ?!」

「意地悪じゃなくて確認だから。私もリラ以外とする気は無いし、したいとも思わない。私の性的欲求の全てをリラにしか与えないから、リラの全てを私に寄越しなさい」


 エドワルドは、気負う事無く真顔でリラに全てを要求する。しかも浮気はしないと断言しているような物だ。

(ううっ……嬉しいです、エドワルド様っ!!)

 好きの想いが溢れてきて、その想いを言葉と行動で表すリラ。


「~~~っっ!!!好きですっ!大好きですエドワルド様っ!!」


 リラはエドワルドの唇に自分の唇を重ね合わせ、強くその唇を押し付けた。 
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