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第2話:森の中の家
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女の体は美しい。金髪の娘の裸体をさわりながら私はそう思った。男のゴツゴツとした体にくらべると、この滑らかな曲線は芸術的だなとも思う。そして、すべすべとした肌。一時の快楽の時間も終わり、娘の体をやさしく撫で回す。大人しい娘だなと私は思った。そして、きれいな金髪だと思った。自分の茶髪と言うか、こげ茶色の髪の毛とは違って、まっすぐできらきらと輝いている。
「……美しい金髪。私の冴えない髪の毛の色と違う」
「いえ、金髪でなくてよかったです……」
何を言っているのだろうと私は思った。
その私の態度に気付いたのか、娘が慌てて、こちらに向かって言った。
「あの、その……金髪でも、年を取ればいずれ茶色くなってしまうので」
まあ、年寄りになれば茶色どころか白髪になるけど。
「さて、私はもう帰る」
娘はなぜか落ち着かない表情だ。何だろう。こんな商売をしていることを恥じているのだろうか。生きていくのには仕方がないと思う。それにしても、この家は酒臭い。酒瓶が床にゴロゴロと転がっている。娘が要求した分に少し足して、多めにお金をあげた。けど、あんまり嬉しくなさそうだ。まあ、いいかな。
「あんたはお酒が好きなんだ」
「いえ、お酒は苦手で飲めません」
じゃあ、この空の酒瓶は何なんだと思ったが、まあ、私には関係ないし、それ以上、詮索はしなかった。そして、服を着て扉を開けようとした時、お酒以外の異臭を感じた。どうも不気味な家だなと思った。ただ、仲間にはこんなところで遊んでいたことは知られたくはない。娘に言った。
「このことは誰にも言わないでくれる。多めにお金をあげたのは口止め料ね」
「はい、わかりました」
娘は素直にうなずいた。私は家の外に出た。森の中にポツンと建っている一階建ての家。何ともうら寂しい気分になってくる。私は村の宿屋に向かって歩く。
あの娘、ちょっと血の匂いがした。
大人しそうな娘だったが、私の勘違いだろうか。
「……美しい金髪。私の冴えない髪の毛の色と違う」
「いえ、金髪でなくてよかったです……」
何を言っているのだろうと私は思った。
その私の態度に気付いたのか、娘が慌てて、こちらに向かって言った。
「あの、その……金髪でも、年を取ればいずれ茶色くなってしまうので」
まあ、年寄りになれば茶色どころか白髪になるけど。
「さて、私はもう帰る」
娘はなぜか落ち着かない表情だ。何だろう。こんな商売をしていることを恥じているのだろうか。生きていくのには仕方がないと思う。それにしても、この家は酒臭い。酒瓶が床にゴロゴロと転がっている。娘が要求した分に少し足して、多めにお金をあげた。けど、あんまり嬉しくなさそうだ。まあ、いいかな。
「あんたはお酒が好きなんだ」
「いえ、お酒は苦手で飲めません」
じゃあ、この空の酒瓶は何なんだと思ったが、まあ、私には関係ないし、それ以上、詮索はしなかった。そして、服を着て扉を開けようとした時、お酒以外の異臭を感じた。どうも不気味な家だなと思った。ただ、仲間にはこんなところで遊んでいたことは知られたくはない。娘に言った。
「このことは誰にも言わないでくれる。多めにお金をあげたのは口止め料ね」
「はい、わかりました」
娘は素直にうなずいた。私は家の外に出た。森の中にポツンと建っている一階建ての家。何ともうら寂しい気分になってくる。私は村の宿屋に向かって歩く。
あの娘、ちょっと血の匂いがした。
大人しそうな娘だったが、私の勘違いだろうか。
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