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アケボノ

Dear…①

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「晴れて4人中3人が彼女持ちになった俺たちだが「俺だけ仲間外れ感酷いな」、正直ここは経験者の奏に頼むしかなさそうに感じるんだが。」

俺たちに足りないのは経験とアイデア。カレンはセンスだけはあるだろうが、作るとなったら技術が絶望的だ。白野は…知らん。

「Qは去年どうしたん?」
「普通に買ったで。チョコ。」
「今年貰ったんは?」
「チョコブラウニー。ビターなやつ。」

奏はふむふむと顎を持ち考える仕草をする。誰かの真似をしているな。

「じゃあ普通とはちょっと違うやつとかは?」
「ほう。詳しく聞かせてもらおう。」
「意味がある系だ。」

意味がある系ってのは俺でも聞いたことがある。マカロンとかバウムクーヘンとかマドレーヌとか。でも、そんなの全く気にしたことがなかった。

「1回ぐらい弾けてもいいだろう。カレンも一緒な。」
「俺はマカロンやったからちゃんと返すで。」

俺は驚いてカレンを見る。まさか、俺よりも上だとは!

「でも、選択肢多すぎて悩んでんねん。ある程度は決まってるけど。」
「それは俺と一緒の感覚だな。」

ガバッと音を立てて俺は涼しい顔をしている奏を見る。こいつもなんか!

「あの~、俺は?」
「ありがとよ白野。同士でいてくれて。」

 結局、そのまま帰りに枚方市駅の方まで出た。なんか今日中に動かないとうだうだしてしまう気がしたから。そして買った。2種類。

〇〇〇〇〇

 さてと、Qにも色々教えたし、今日は材料だけ買うか。Qから桜の話聞いて、アイデアが出てきた。

 買う物はホワイトチョコとグラニュー糖、家には日本酒も薄力粉もあるし、そんくらいか。

〇〇〇〇〇

 Qと奏はどこか買いに行ってるんだろうな。まぁ自分もやけど。

 いつもは普通に乗り込んでいるが、今日は快速急行で京橋まで。ここなら目当ての品はあるだろう。ほんまは北浜ん所まで行ってもよかったが、ここでも揃うのでここにした。あともう1つ買いたいものあったし。

〇〇〇〇〇

 なんか連れてこられたリア充の会。でも、収穫はあった。

 俺が貰えたバレンタインはマネの海南のやつと、後輩の分がちょろっと。でも、しっかり返したいってのが俺のポリシーだ。

 ってことで、ホワイトデーのコーナーに来たわけだが…

(絶対浮いてる)

こんな根暗男子がいるべき場所ではない。さっさと買ってさっさと退散しよ。

 でも、そんな中で目に飛び込んできたのは、俺が好きな漫画で主人公がヒロインに渡してたヤツ。たしか意味は『もっと仲良くしたい』やったはず。

 これだな。
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